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2023.06.03
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複数の鳥友からホームグランド手賀沼沿岸のヨシゴイについて、昨日からの大雨の
影響で巣は全滅していないだろうかと質問をもらいました。
現地の確認できていないので確定的なことは申し上げられませんが、ヒメガマの群生地に営巣したヨシゴイの巣は全滅した可能性が高いものと思います。ただし、アシに営巣した単独巣は被害を免れた可能性があります。後日、現地を確認したいと思っています。
(1)ヨシゴイが好む営巣環境
上田(1996)が埼玉県でのヨシゴイの繁殖地を調査した結果を整理し報告しています。
その中で「ヨシゴイはあきらかに巣をかける植生としてはアシよりヒメガマを選ぶ」と述べています。手賀沼沿岸でも同様でヒメガマの群落に集団で営巣する傾向があります。一方、アシの単独巣は捕食にはあいやすいが、高さが高いためにヨシゴイの繁殖時期である梅雨後期の大雨や台風時の増水によって冠水しない利点があると指摘しています。手賀沼沿岸でも単独でアシに営巣している個体も見受けられますのでほぼ同様と推察されます。
(2)巣の水面の高さと繁殖成功
上田(1996)は、単独巣の多いアシ原では巣は高い位置(*)につくられるがヘビなどの捕食率は高く、集団で巣がみつかるヒメガマの沼地では、巣の位置はアシ原とくらべて相対的に低い(*)が,捕食率も低いと述べています。
(*)水面からの巣の高さ
調査した結果では
捕食されなかった巣の高さは76.5~67.7cm、捕食された巣の高さは99.9~68.8cm
但し、巣下の水深が浅いと捕食されやすく、深いと捕食されにくいと述べています。
(*)巣下の水深
捕食されなかった巣下の水深は28.2~21.2cm、捕食された巣下の水深は20.8~9.0cm
(3)なぜヒメガマを好むか
上田(1996)は、巣下の水深が深いヒメガマは、捕食の被害を受けにくいことと葉がやわらかく、折り曲げやすい傾向があることを記しています。
(引用)
上田恵介.1996.ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功.
STRIX Vol. 14, pp. 55-63.日本野鳥の会.
(写真)私のライブラリーより
2020年7月12日手賀沼沿岸で撮影したヨシゴイの幼鳥と巣、











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最終更新日  2023.06.03 12:06:08
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