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先月22日に手賀沼沿岸でノビタキを観察しました。どうしているかと現地を訪ねました。台風23号が太平洋を通過している影響で時折5m程度の風が吹き抜けていましたが、ノビタキは健在でした。外来種ヒレタゴボウ、セイタカアワダチソウなどの近くの草などに止まり昆虫をフライキャッチする個体、強い風をさけてフラットな農道で餌探しをする個体と実にさまざまでした。草などに止まっている姿を観察していると、脚の上部についている筋肉で腱がぴんとはられ指は閉じています。このため、強い風が吹いても飛ばされることがありません。(地上で立っている時は腱が伸びて指は開いています)今日訪ねた際には、上空にハヤブサが登場した際には、上空を注目し今は飛び立たない方が得策と判断したのか、草むらの中に潜みました。アップしたノビタキの写真は、喉が白いこと、腰が赤褐色、体下面が濃い橙褐色であり、雌第一回冬羽と思われました。それ以外も強風を避けて畔近くで羽を休めていたのは、トビ、ヒバリ、アオサギでした。(本日観察できた鳥類)コブハクチョウ、カルガモ、キジバト、カワウ、ダイサギ、コサギ、トビ、コチョウゲンボウ、ハヤブサ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ヒヨドリ、ノビタキ、スズメ(写真)2025年10月13日撮影
2025.10.13
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今月20日前後に手賀沼沿岸にオオジュリンが姿を現す時期になります。その渡りについて興味深い報告がありますので、提供をさせてもらいます。山階(2024)は、北海道と本州北部で繁殖し本州以南で越冬するオオジュリンは、本州から九州に渡った個体を標識調査で個体識別をした結果、南下するにつれて雌の割合が増加し最も南の鹿児島県出水市では雄は20%だったと報告しています。みなさんのフィールドでは、雌雄の割合はどのような具合でしょうか。(前記の山階が報告内容は、平成15年度鳥類標識鳥報告書に記載されている「北に行くほど雄の割合が高く、南の地域ほど雌の割合が高くなる傾向があった」(中略)「宮城県では79.3%が雄だったのに対し、鹿児島県で29.8%、出水はわずかに18.9%」との内容のエッセンスを紹介したものです)(雌雄の識別のポイント)野鳥がどのように生きていたかを知り、飛来地の環境の保全を考えるためには、飛来した個体の年齢と性別を正確に記録することが出発点となります。(1)成鳥雄頭上が黒色で腮が黒から黒味がかっています。一枚目は2022年1月28日に茨城県稲敷市で撮影した個体です。二枚目は、2018年3月24日に印旛沼沿岸で撮影した個体です。(2)成鳥雌頭上が一様に褐色で、小雨覆は雄に比べて赤褐色が弱い印象があります。三枚目は2025年2月28日牛久沼で撮影した個体、四枚目は2016年3月27日印旛沼沿岸で撮影した個体です。(3)雄第一回冬羽頭上には灰色味があります。小雨覆は赤褐色、下面が淡色で顎線が目立ちます。(4)雌第一回冬羽頭上は灰色味があります。胸から脇にかけて褐色の斑があります。五枚目は2024年3月29日手賀沼沿岸で撮影した個体です。(引用)山階鳥類研究所.2003平成15年度鳥類標識鳥報告書.p20-29.山階鳥類研究所.2024.雄か雌か?成鳥か幼鳥か? 性別・年齢と標識調査.足環をつけた鳥が教えてくれること.p132-135.山と渓谷社.
2025.10.12
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晩秋から冬の楽しみなのが打ち寄せる波と引く波に対して斜めに走りながら餌を捕食するミユビシギです。波が打ち寄せると採食を中断して素早く逃げ、波が引くと再び採食を繰り返す光景は観察していて飽きることがありません。冬羽ですと、ハマシギと似ているので識別について質問をもらうことがあります。ミユビシギとハマシギの動き、ミユビシギの羽衣を整理してみました。(動きの違い)ミユビシギは、打ち寄せる波と引く波に対して斜めに走りながら餌を捕食します。対してハマシギは波の動きに合わせた採餌を何度も繰り返すことはありません。(ハマシギとの違い)ミユビシギのほうが嘴は短くて太く、下面が白いのが特徴です。またミユビシギの翼角は黒く見えることが多い印象があります。(ミユビシギの羽衣)(1)幼鳥肩羽は黒い軸斑と白い斑が目立ちます。雨覆の軸斑は黒褐色で羽縁は太く白い。幼鳥は白と黒のコントラストが強いので成鳥との違いです。一枚目の写真を御覧ください。(2)第1回冬羽に換羽中肩羽の一部に黒褐色の幼羽が残っていますが、多くが灰褐色の冬羽に換羽しています。雨覆と三列風切は褐色で太く白い羽縁があり幼羽です。二枚目の写真を御覧ください。(3)第1回冬羽肩羽に残っていた黒褐色の幼羽も冬羽に換羽し、背・肩羽が一様な灰白色になります。雨覆・三列風切に摩耗した幼羽が残ります。三枚目の写真を御覧ください。(4)成鳥冬羽冬羽は上面が一様に灰白色になり下面の白味が強い。他のシギと混じって行動していてもより体の白さが際立ちます。四枚目の写真を御覧ください。(写真)一枚目:2015年9月19日三番瀬、二枚目:2023年4月24日三番瀬、三枚目:2020年9月5日三番瀬、四枚目2015年9月19日三番瀬で撮影
2025.10.11
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山階鳥類研究所(2020)が報告しているように、2000年代にイソヒヨドリが都会のビル街に進出しました。営巣場所は鉄道駅のそば、大規模量販店、マンションを選ぶことが多いと報告されています。オフィスのある柏市を通っているJR常磐線沿線の金町駅、松戸駅、馬橋駅、新松戸駅、南柏駅、柏駅、我孫子駅、取手駅、近郊の武蔵野線の三郷駅、吉川美南駅、吉川駅近くでその姿を目撃しています。ところが2025年9月以降に南柏駅近郊の住宅地でその姿を見かけるようになりました。今年は酷暑が続き、いままで使ってきた営巣場所では高温で使う条件として無理があり移動したか、周囲で餌(*)が捕獲できなくなったのかなどの要因が考えられます。前記の駅近郊では同様の傾向なのか興味のあるところです。(*)伊澤・松井(2011)が「ヒナに親が運ぶ餌の種類は、鱗翅目幼虫、ゴキブリ類が多く、甲虫目、コオロギやバッタなどの直翅目、ミミズ類、ムカデ、ヤモリ、アオカナヘビ、カエル、クワやガジュマルの実など」と報告しています。(引用)伊澤雅子・松井 晋.2011. イソヒヨドリ Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.山階鳥類研究所.2020.ビル街に進出した“磯ひよどり.山階鳥研NEWShttps://www.yamashina.or.jp/hp/kankobutu/news/news_2020.html#202005(写真)2022年4月7日柏市、2018年12月3日浦安市で撮影
2025.10.10
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昨日、印旛沼でヨシガモを観察しました。嘴が水面採餌のカモでは細長く、尾が短めの中型のサイズです。真冬の雄はナポレオンハットとカールした長い三列風切が目立つので多くの探鳥会リーダーが参加者にガイドをすることが多いと思います。ところが、雌についてはリーダーに聞いても齢について説明をしてくれないということを耳にします。そこで、昨日観察した個体、幼羽、時期に追って雌個体の羽色の変化に着目して特徴を整理してみました。(1)昨日観察した個体(一枚目の写真)・頭が一様に暗色で、飾り羽が短く灰白色でした。・肩羽の斑は目立たず一様に暗色でした。・観察個体の三列風切基部が白く、雌幼羽の三列風切は基部まで黒褐色とは異なります。・観察個体の胸から腹は幼羽のように小斑ではなく大きい点で異なっています。上記の点から雄エクリプスと思われました。(2)幼羽(二枚目の写真)写真は、雌幼羽と思われる個体です。三列風切の基部まで黒褐色です。黒褐色なのは雌幼羽のみです。春に三列風切を換羽するまでこの特徴で識別可能です。(3)晩秋から真冬の羽衣三枚目から五枚目の写真は、11月から翌1月に見かけることが多い羽衣です。胸から腹にかけて斑が大きめで幼羽のように整然と並んでいません。三列風切基部は淡色(白色)です。顔は年内いっぱいは暗色の個体が多く、年明けに顔が灰色味に見えるようになる印象があります。(4)幼羽から第一回生殖羽に換羽中の個体六枚目の個体は、大雨覆が黒褐色で、脇の羽も成鳥に比べて丸みがなく、胸の斑も小さめである点から幼羽から第一回生殖羽に換羽中の個体と思われます。(5)雌生殖羽に換羽中の個体七枚目の個体は、三列風切基部が白く、橙褐色斑が見られます。顔は灰色味があり、胸の斑は不均一のように見えました。(写真)一枚目:2025年10月8日、二枚目:2021年10月30日、三枚目:2019年11月2日、四枚目:2020年11月29日、五枚目:2021年1月13日、六枚目:2018年2月25日、七枚目:2021年3月6日いずれも印旛沼で撮影
2025.10.09
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秋の渡りの途中に立ち寄る小鳥の姿とカモがそろそろ飛来する時期に入ったので印旛沼を訪ねました。房総のむらでは、アカゲラが鳴きながら林の間を移動する姿を観察。このほか、坂田ヶ池では、上面や脇の羽に丸みのある軸斑が見られ、羽縁が白色のオナガガモ若鳥が水面を移動する姿を見つけました。その後、移動して探索した印旛沼では、ヨシガモ、トモエガモ、ハシビロガモが水面を移動する姿がありました。ヨシガモ雄エクリプスは頭部と上面が暗色で、一見しただけでは種類が識別しにくさがあります。しかし、頭部が一様に暗色で、肩羽に横斑があること、飾り羽が灰色で雌と異なる点を観察できれば雄個体とわかりました。ヨシガモが水面を移動する姿を目で追っていると、上空からヒドリガモ、マガモ、上面が全体的に明るい色調のハシビロガモ生殖羽が降り立ちました。房総のむら隣接する坂田ヶ池で観察したハシビロガモとは趣の違った羽衣でした。このほか、ヨシガモを撮影した一コマにトモエガモが記録されていたのを帰宅後みつけました。印旛沼では、前記のほか、遊歩道近くの葦原にゴイサギ家族の姿、いつもの船着き場にはモモイロペリカン、モズ雄が高鳴きをしテリトリーを主張している姿を目にして探索を終了しました。(写真)2025年10月8日撮影
2025.10.08
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都内水元公園を訪ねました。最寄り駅JR金町駅からバスで桜土手で下車し、メタセコイヤの森周辺までの間を探索しました。ごんぱち池でヒドリガモが採餌している姿を観察し、金魚展示場、花菖蒲広場前、水元大橋までの水域でヒドリガモ、ハシビロガモ、コガモ、カルガモ、カワウ、ダイサギ、チュウサギ、オオバン、カワセミと主だった水辺の鳥、木のてっぺんにツツドリ赤色型が降り立つ姿を観察できました。(水元の自慢はカモの近距離で観察できるところ)カモは江戸川方面から飛翔し小合溜中央部に降り立つことが多く、最初は距離が遠いのですが、待機していると移動し種類ごとの特徴を観察するのにもってこいです。写真一枚目は上空から水面に降り立ったばかりのヒドリガモの群れの一部です。遠目でも雌雄やエクリプスの特徴はわかりますが、待機して撮影したのが二枚目、三枚目の写真です。四枚目、五枚目はハシビロガモです。四枚目は、手前が成鳥雌、奥が若鳥と思われる個体です。成鳥雌は顔が明るめの見え、脇が丸みを帯びています。若鳥は上面が暗色で、顔も暗色です。六枚目はコガモ成鳥雌個体です。下尾筒の両側に白色の線があり、嘴が黒色(飛来当初は基部側面に黄色味がありますが、その後黒くなります)、脇が丸みがあります。(その他の水辺の鳥)小合溜の水面をオオバンが移動し、浅瀬ではダイサギ、カワセミの若鳥を観察しました。また、水元大橋の近くではチュウサギが水草の上を軽快に移動し餌を物色していました。このほか、水元大橋からメタセコイヤの森までの間で、上空をミサゴが飛翔する姿を発見しました。翼角で翼が曲がり、下面の白さと胸に褐色の斑を観察。なお、ツツドリ赤色型は、記録写真を撮影したかったのですが、カラスの群れが飛来して移動してしまいかなわずでした。(写真)2025年10月7日撮影
2025.10.07
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(エゾビタキが観察されるようになったのは近年)今秋、首都圏近郊でエゾビタキを観察した旨の報告が多い印象があります。鳥友から千葉県北西部での動向について質問をもらいました。(手賀沼とその周辺地域で観察されるようになったのは、2005年以降)初めて観察されたのは、柏市布施のあけぼの山公園で2005年9月26日でした。以降、2009年までは同地で9月から10月に観察され、2009年9月に柏市南部で記録とれるようになりました。その後、原因は不明ですが、2010年を境に記録が途絶え、2019年10月26日に柏市南部で再び観察され再度姿を見かけるようになっています。ただし、柏市布施のあけぼの山公園での観察記録は2020年10月5日が最後で、以降姿が見られなくなり、以降は、手賀沼沿岸、柏市北部の公園で記録されるのみです。2020年10月にニュースで桜の落葉が目立つ件が報じられました。梅雨が長引き、梅雨明け直後に急に暑くなり長く続いたため落葉が早くなったとの内容でした。水不足でも落葉することが知られており、柏市あけぼの山公園では桜の落葉が早く、実のなる木も夏バテ気味となり渡来したタイミングとのアンマッチが続き、エゾビタキが立ち寄らなくなった可能性があります。(コサメビタキ、サメビタキが絶滅危惧種に指定)生息地である落葉広葉樹林が失われていること、餌場の減少などが原因と研究者から指摘されています。都道府県のレットデータを確認すると、コサメビタキは31都道府県で絶滅危惧の区分として報告、サメビタキは6都県で絶滅危惧の区分として報告されています。エゾビタキについては、絶滅危惧の区分とはなっていませんが、温暖化の影響で餌の減少の影響を受けた場合に急激に変化することも考えられます。(写真)2枚目とも2025年10月2日柏市内で撮影大雨覆先端と三列風切の羽縁が白いのが若鳥、頬線と顎線に白い黒い線があるのが成鳥です。
2025.10.06
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10月に入りはじめて吉川美南駅近郊の調整池を探索しました。天気予報ではほぼ全日曇りでしたが、青空が広がり真夏並の蒸し暑さ。最初に西口の中央公園前の調整池を訪ねましたが、水かさが相変わらずふえたままで池の調整池の表面には藻が発生しており、浅瀬もほとんどありませんでした。カルガモ、セグロセキレイ、ハクセキレイの姿を認めたのみでしたので、東口の第一調整池に移動しました。東口調整池ではエクリプスで生殖羽でもないハシビロガモサブエクリプスの姿、水路にオナガガモ(全体的に褐色味のない目立たない色で胸から腹の斑がまばらな印象のある雌)、嘴基部が黄色味を帯び頭上が褐色でベレー帽をかぶったような雄エクリプス、上面が黒っぽく見える幼羽個体の姿がありました。このほか、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、水路をチィーと鳴きながら直線的な飛び方で移動していったイソシギと出会えたりと楽しい時間を過ごしました。駅にむかう帰り道、造成中の区画でチョウゲンボウがネズミらしき獲物を捕獲し、電柱に運搬しついばんでいた姿を見つけました。このほか、すぐ近くでは、モズ雌個体が盛んに高鳴きをしてテリトリーを主張していました。(写真)2025年10月5日撮影
2025.10.05
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昨日10月3日松戸市千駄堀の21世紀の森と広場で耳羽周辺が汚白色で顔に黄色味があり過眼線のないように見えた亜種ホオジロハクセキレイと思われる個体を観察しました。(ホオジロハクセキレイ雄第一回冬羽と考えた根拠)・耳羽周辺が汚白色、頭上から背が灰色で黒色がかっています。この点が永井(2014)が掲載されている亜種ホオジロハクセキレイと図示、解説されている個体と似ていたことによるものです。(ホオジロハクキレイの特徴と照合)・文献を閲覧してみると、過眼線を欠いたハクセキレイや交雑個体が存在するとの報告があるので他の特徴をさらに調べてみました。結論からいえば、ホオジロハクセキレイと同定できる材料がすべてそろっておらず、ホオジロハクセキレイ似の個体ということになるとの結論です。(胸の黒色部)撮影画像には記録できなかったが胸の黒色部は小さく見えました。ただし、この点は幼羽では黒色部がない個体の存在が指摘されています。再度確かめる必要があります。(大雨覆の模様)観察個体では雨覆に黒帯は認められられませんでした。ホオジロハクセキレイの内弁側に大きな暗色斑があり、ハクセキレイ成鳥の場合は全体が白いのに対して、ホオジロは内弁側に大きな暗色斑があると記されているものがあります。昨日は翼をたたんでいたのでこの点は確認にいたらず。雨覆については、あらためて観察する必要があり、ホオジロハクセキレイと同定するだけの材料が不十分との結論です。(初列雨覆、初列風切、次列風切の白色部の広さ)ホオジロハクセキレイは成鳥、幼羽とも大部分が暗色、成羽の白色部は幼羽よりも僅かに広いが、初列雨覆先端や縁、初列風切次列風切内弁に白色部がある程度とあります。(引用)永井真人.2014.比べて識別野鳥図鑑670.p170-171.文一総合出版.(写真)2025年10月3日撮影
2025.10.04
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松戸市千駄堀に飛来しているキビタキ、ヒタキ類をもう一度観察したいと思い、21世紀の森と広場に出かけました。森に立ち寄る前に千駄堀池を見渡すと、複数のカルガモ、コガモの姿を発見。コガモは嘴基部側面に黄色味と雨覆に灰色味のある雄幼羽(写真2枚目の手前の個体)、嘴が黒く上面が黒っぽい若鳥と思われる個体(写真2枚目奥の個体)、頭頂から過眼線までがヘルメットを装着したように一様に濃く見えるエクリプス個体を含む群れが水面を移動する姿を観察しました。このほか、池の岸辺をゆったりと移動していたアオサギ若鳥の姿を見つけました。(ガマズミの実を食べに飛来したキビタキ、エゾビタキ)次にキビタキ、エゾビタキなどのヒタキ類の姿を探しに森林エリアに移動。ガマズミの実を食べに複数のキビタキ、エゾビタキが飛来する姿を目撃しました。キビタキは上面が黒く橙色味のある眉斑があり、喉がオレンジ色で腹が黄色の雄成鳥個体と上面が褐色で黒味が少し入っている雄第一回夏羽個体と思われる2羽、若鳥と思われる2羽の合計4羽が登場しました。雄個体では、上面が褐色で黒味が少し入っている個体が成鳥個体に追い払われていました。成鳥雄同士ですと熾烈な闘争となりますが、褐色味のある個体は攻撃性が低いように思えました。(耳羽周辺が汚白色で過眼線がないハクセキレイを目撃)帰り道、カラスが水路で水浴びしていたエリアのすぐ近くで耳羽周辺が汚白色で顔に黄色味があり、過眼線のない亜種ホオジロハクセキレイと思われる個体を観察しました。(写真)2025年10月3日撮影
2025.10.03
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今週月曜日にエゾビタキ、コサメビタキと出会った柏の葉キャンパス駅近郊の公園を訪ねました。月曜はナラの枯れた木の梢から飛びたって虫を捕食していましたが、今日はミズキの実がなっているエリアの姿がありました。エゾビタキの姿は最低でも3羽以上でジィと鳴きながら登場。一羽は大雨覆先端と三列風切の羽縁が白い若鳥、別の一羽は頬線と顎線に白い黒い線がある成鳥個体でした。もう一羽は齢は不明でした。ヒトスジシマカを捕食した後、ミズキの実をついばんでいました。ヒトスジシマカに悩まされながら待機していると、ツィと鳴き声と同時にコサメビタキが登場しました。雨覆先端と三列風切羽縁が白い帯に見える第一回冬羽個体でした。写真でわかりにくいと思いますが嘴の形状が二等辺三角形で外側に膨らんでいました。(エゾビタキは二等辺三角形で内側にへこむ)このほか、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロが混群で移動し、時折地面に降りて昆虫を捕食する姿を観察しました。小鳥たちとの出会いを楽しんだ後、柏の葉公園に移動し、桜の広場、県民プラザ前の調整池を探索。トケン類が木の中に入る姿を目撃したものの種類は特定できず。調整池でマガモ(雄エクリプス)、カルガモ、アオサギ、ダイサギの姿がありました。帰り道、スズメバチが捕獲したカマキリを運搬している姿を観察。(写真)2025年10月2日撮影
2025.10.02
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今日から10月、秋に見られる鳥たちの齢を識別するには、どんなところを観察したらよいかと質問をもらいました。(秋に見られる第一回冬羽と成鳥冬羽)当年生まれの第一回冬羽と成鳥冬羽が秋には見られます。近年、冬鳥が少ないととりあけげられることが多くなりました。冬鳥の中にどの程度の当年生まれの鳥が含まれるのかを把握することで、繁殖の成否、渡りの成否が成鳥と当年生まれでどのように違うのかが解明されることにつながります。(身近な環境でじっくり観察可能なシロハラの第一回冬羽と成鳥冬羽)比較的身近な環境で出会うことの多いシロハラは、吉井(1988)が述べているようにアムール川下流域やウスリー地方で繁殖し、中国南部、日本で越冬するヒタキ科の鳥類です。(1)第一回冬羽の特徴大雨覆の外側数枚に幼羽が残り先端に白く見える斑(淡色斑)があります。一方、成鳥冬羽にはこの白く見える斑はありません。(2)成鳥冬羽前記で述べたように大雨覆の外側数枚に幼羽が残り先端に白く見える斑はありません。尾と翼の黒味が強い印象があります。さらに、雄成鳥冬羽で背の褐色味が強い個体と背が褐色の個体と2タイプ見かけます。前者は夏羽、後者は冬羽です。(シロハラと同様に大雨覆先端に白斑がある種類)マミチャジナイ第一回夏羽、アカハラ第一回冬羽、ノビタキも同様に大雨覆先端に白斑があります。(そもそも第一回冬羽と成鳥冬羽をフローにしてみると)孵化→幼綿羽→幼羽→幼羽後換羽→第一回冬羽→春の渡り→第一回夏羽→繁殖→繁殖後換羽→秋の渡り→成鳥冬羽→繁殖前換羽→春の渡り→成鳥夏羽→繁殖→繁殖後換羽→秋の渡り→成鳥冬羽 と整理することができます。・幼羽後換羽が始まり、生え揃った段階が第1回冬羽と呼ばれます。・換羽は多くの場合、頭や体は換羽しますが、翼や尾羽の一部、あるいは全部に幼羽を残しているので部分換羽と呼ばれます。・渡る前に換羽を終え第二回目冬羽となりますが、スズメ目では幼羽の全てが脱落し、換羽する完全換羽となります。第二回冬羽、第三回冬羽は区別がつかないので成鳥冬羽と表現されます。(引用)吉井正.1988.コンサイス鳥名事典.p280.三省堂.(写真)1枚目:2020年12月23日さいたま市、2枚目:2017年12月18日柏市、3枚目:2013年1月28日柏市、4枚目:2023年12月18日都内水元、5枚目:2022年1月12日市川市で撮影
2025.10.01
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松戸市千駄堀にある21世紀の森と広場に出かけました。9月下旬から10月にかけて実のなっている林にヒタキ類などの小鳥が立ち寄ります。ミズキの実を食べに小鳥が飛来。動きが速いので捕捉できない時間が続きました。目が慣れてきた頃、枝に止まった鳥に注目。上面は黄緑色で、喉と下尾筒が黄色味かがった白色、虹彩は褐色、嘴は黒色、嘴基部にピンク色がかる突起のように見える部分、上尾筒から尾にかけて褐色、目の上に不明瞭な眉斑のように見える部分がありました。一見するとメジロなのですが、白いアイリングはなく、嘴は長く感じません。その後、キビタキと思われる鳥が登場。撮影できた個体の上面はオリーブ色、下面は汚白色、喉と腹中央あたりが黄色味を帯び、雌成鳥と思われました。残り2羽と詳細の特徴を確認できずに終わりました。帰り道、千駄堀池を探索すると、カルガモ、アオサギの姿を見つけました。アオサギは2羽とも頭上が黒く、上嘴が黒色、下嘴が褐色の若鳥でした。池周囲の黄葉がはじまっていました。秋の深まるにしたがい景色の変化を実感できるフィールドです。(写真)2025年9月30日
2025.09.30
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柏の葉キャンパス駅近郊の調整池、湿地帯、公園を探索して回りました。2001年に閉鎖された柏ゴルフ場跡地エリアをまず探索。ナラの枯れた木の梢から飛びたち空中で虫を捕食し再び元の枝戻る採餌をしていたエゾビタキ、胸から脇が淡灰褐色(写真では白っぽく見えています)で上面が灰色で下嘴が黄色味のあるコサメビタキの姿を観察できました。コサメビタキは、頭上の枝に一瞬止まったので嘴の形状が二等辺三角形で外側に膨らんでいる形状を記録できるチャンスだったのですが、レンズを向けた瞬間で渡去してしまい次回の宿題となりました。(エゾビタキの嘴は二等辺三角形で内側に凹んでいます)その後、キャンパス駅西口の調整池でカイツブリ、バン成鳥と幼鳥と出会い、東口の調整池に移動しコガモ、長い足をたたんで座った状態で水中の餌探しをしていたコサギを観察しました。水辺で静止し餌探しをしているコサギはよく見かけますが、今朝の状態ははじめて遭遇しました。(写真)2025年9月29日撮影
2025.09.29
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オフィス近郊の公園の一角に先週からキビタキが滞在しています。コナラに止まった後木々を移動し、空中で虫を捕獲し、林の灌木のに止まりジョウビタキ似のヒッヒッと鳴き、地鳴きのクルルと短い声を出しツクツクホーシと短い囀りの声を出していました。このほか、ホバリングを行い枝葉についた虫を採食していました。(観察した個体の特徴)・頭から上面はオリーブ褐色で白斑も黄色の部分は認められませんでした。・喉と腹中央に黄色味がありました。・胸には成鳥雌に見られる淡褐色の帯は認められませんでした。・幼羽に見られる大雨覆、中雨覆に淡褐色の斑は認められません。・第一回冬羽にあるバフ色の翼帯は認められませんてでした。上記の特徴から第二回冬羽、くわえてホバリングし虫を採食していたことから雌個体と思われました。(雄はソングポスト近くでついばんで採餌)(キビタキの姿に遭遇した一角で見つけた白い彼岸花)赤い彼岸花の中に数輪の白い彼岸花を見つけました。毎年、彼岸花を見てきていますが、初めてでした。帰宅後、調べてみると、「シロバナマンジュシャゲ」と呼ばれ、赤と黄色の交配種とありました。遺伝子の変異によって白い花を咲かせるともありました。(写真)2025年9月28日撮影
2025.09.28
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オフィス近くの公園でコゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガの混群が鳴きながら移動する姿を観察したと報告しましたら、鳥友から混群の鳥に共通する形態、行動の特徴などについて教えてほしいと質問をもらいました。(小鳥の混群の基礎的なこと)小鳥の混群では個体数が多く群れの中核をなし他の種類を引きつける中核種、中核種についていく追随種の存在があります。混群の構成は変化することがあり、中核種になったり、追随種になったりすることがあります。和田(2017)が「東日本でのカラ類の研究では、多くの場合中核種はエナガ」と研究者の論文を紹介しています。(混群を構成する鳥たちの飛翔の秘密)枝から枝に移動する鳥たちに共通しているのは、エナガを除いて扇翼である点です。翼の長さは長くありませんが、羽ばたきによって肩の負担が少なく素早い羽ばたき、狭い場所でも飛び回れる特徴を持っています。エナガは円翼ですが、体重が軽く翼面荷重(翼の単位面積にかかる重量が軽く長い尾が枝の間をすり抜けて飛翔する時のバランスをとるのに最適なので混群に加われるものと思われます。(混群の居場所の違い)混群を観察しているとエナガのジュリジュリという特徴的な声が梢のほうからまず聞こることが多い印象があります。移動速度が速いので先発の役割をはたしているようです。その後、最も個体数の多いシジュウカラが登場します。その後、エナガは細い枝先、シジュウカラは枝、地面、ヤマガラは太めの枝、コゲラは幹に姿があります、混群で行動するといってもお互いの食事の邪魔をしない程度にいる感があります。(シジュウカラのコミュニケーション能力)近藤(2024)は群れの個体との鳴き交わしについて、エナガは群れのすべての個体と内側の個体と鳴き交わしていますが、メジロは群れの外側の個体とも頻繁に鳴き交わしていると報告しています。混群を率いるうえで群れの個体と意思疎通をする能力が中核種になるこつが多い秘密ではないかと思われます。和田(2017)が紹介している東日本での混群の中核種は主にエナガと述べている点は、移動速度がほかの種よりも早く、いち早く獲物の位置を補足できる能力にたけているからとも考えられます。(引用)和田岳.2017.身近な鳥からの鳥類学.第35回カラ類の混群に混じる鳥.むくどり通信.2017年1月号.p9.日本野鳥の会大阪.近藤雅也.2024.バードリサーチ調査研究支援プロジェクト.第4回バードリサーチ賞 受賞調査研究プラン.(参考)斎藤安行.華麗なる野鳥飛翔図鑑.pp191.文一総合出版.(写真)コゲラ:2025年9月25日柏市、ヤマガラ:2020年10月25日柏市、シジュウカラ:2025年9月26日都内、エナガ:2023年12月23日柏市メジロ:2025年3月15日柏市で撮影
2025.09.27
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広さ65haの公園東側の花見広場、芝生広場、大池を探索しました。前回訪ねた折にツツドリ赤色型を観察できたので期待して待機していましたが、午前中から午後まで待機しましたが登場せず時間が過ぎていきました。そのかわりに、桜の木に鳴きながらシジュウカラが降り立った際にそれより少し体の大きい鳥が枝に登場しました。喉から胸に褐色味があり腹部は白い個体、上面は褐色に見えたのでオオルリ若鳥と思われました。(大池とその沿岸で観察した鳥たち)大池にヒドリガモの姿がありました。頭部、脇の橙褐色が強い印象があり雄エクリプスと思われました。なお、参考として雌非生殖羽の画像をアップしておきます。このほか、カルガモ、アイガモの姿、羽づくろいしていたアオサギの後姿がハート型に見え近くのお住まいの方と共有させてもらいました。また、植え込み周辺にハシボソガラス、ハシブトガラスの両種の姿があり、水浴びをしていたハシブトガラスの頭部がだいぶ欠損して見えました。仲間同士での闘争があったのかもしれないと思います。(写真)2025年9月26日撮影(4枚目:2024年10月15日柏市、11枚目、12枚目:2016年10月2日都内で撮影のオオルリ)
2025.09.26
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青空が広がる朝、オフィス近くの公園を散策していたら、コナラ、クヌギなどが植えてあるエリアでシジュウカラ主体のコゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、コゲラの混群が鳴き鳴きながら移動する姿を発見。その後、混群とは別に枝に一羽が降り立ちました。(キビタキ雌第一回夏羽)オジロビタキのように尾を上下に動かし、大雨覆、中雨覆の外側の淡色部が擦れているように見え、下面が褐色味のある汚白色のあるヒタキ類でした。帰宅後、調べてみるとキビタキ雌第一回夏羽と思われました。(身軽な自由さが憧れのエナガ)シシシシと鳴きながら移動するエナガは、枝から枝に移動したと思ったら枝先に逆さまになったりホバリングして虫をついばんだりする自由さがあります。尾の長さと丸みのある体も多くのファンを引き付けています。(ナツアカネも飛来)公園の一角に体が黄色っぽいナツアカネと思われるトンボも複数飛来していました。この間まで酷暑と思っていましたら、確実に秋が進んでいるのを実感しました。(写真)2025年9月25日撮影
2025.09.25
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ヒタキ類や渡ってきたばかりのカモを観察できたらと思い、房総のむらと隣接する坂田ヶ池を探索しました。複数ある桜の広場の一ヶ所に複数のエゾビタキが、梢から飛び立ち空中で虫を捕食した後に元の枝に帰還するフライキャッチを観察しました。上面の褐色味、下嘴が黒いことを観察できたものの、胸の縦斑は撮影がかなわず。同じ林では、コゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、シジュウカラが混群で移動している姿を目撃。その後、隣接する坂田ヶ池に移動し水面を探索していくと、ハシビロガモの雄サブエクリプスを発見しました。雄エクリプスが生殖羽に換羽する途中に現れるのがサブエクリプス羽ですから、出会えてラッキーでした。このほか、嘴基部に黄色味のあるコガモ雄エクリプス、嘴側面が黄色味になっている雌非生殖羽、このほか、マガモ似の交雑個体を観察できました。帰り際、桜の広場の地面を2羽のセグロセキレイが移動。河川や湖沼といった水辺で会うことが多いのですが、ここでは公園の鳥となっているのにびっくり。(写真)2025年9月24日撮影
2025.09.24
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9月後半から10月は渡りの途中にヒタキ類が立ち寄る姿を目撃します。そのうち白いアイリングと愛くるしい目が特徴のエゾビタキはお気に入りです。成鳥と幼鳥の識別ポイントを復習してみました。(1)成鳥上面が褐色で白いアイリング、目先が褐色味を帯びています。また、胸から脇に褐色の縦斑があります。写真一枚目、二枚目、四枚目は成鳥です。三枚目の個体は、胸から脇にかけての縦斑が太く見え、幼鳥の太くて明瞭な縦斑が残っていると見ることができます。四枚目の写真は、成鳥の上面が褐色味の強いこと、頬線と顎線に黒い線がある個体です。(2)幼鳥五枚目、六枚目の個体は、肩羽、雨覆先端、上尾筒に白斑が目立ちます。さらに、胸から脇の縦斑は太いことから幼鳥です。(3)エゾビタキの採食は二刀流エゾビタキの採食を見ていると、ミズキなどの実をついばんでいる個体と空中で昆虫類を捕食する個体の両方を目撃します。木の梢から飛び立ち、空中で昆虫類を捕獲した後再び元の枝に戻る光景は皆さんが目撃されるフライキャッチです。(写真)一枚目:2021年9月8日成田市、二枚目:2016年10月2日都内、三枚目:2021年9月8日成田市、四枚目:2019年9月28日柏市、五枚目、六枚目:2020年9月27日成田市、七枚目:2020年10月12日松戸市で撮影
2025.09.23
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オホーツク高気圧がせり出している影響で、気温が昨日と比べてぐんと下がる朝。直観的にこういう日は手賀沼沿岸でノビタキに遭遇できるチャンスです。外来種ヒレタゴボウの黄色の花が咲いている田んぼエリアに足を運びました。ひたすら待機するしかないと思っていたら、到着直後に登場。(水田エリアで探索する時のポイント)スズメより小さく細くて短い嘴と長い跗蹠(嘴峰長の約2倍)がノビタキの特徴です。くわえて、尾羽を上下に振る動作が目立ちます。広大な水田を見渡すときには、これらの特徴を持つ小鳥が動いていないかをまず探します。続いて、ノビタキは採食で2種類のタイプがいますので、見通しの良いところからフライキャッチを行なって昆虫を食べている鳥がいいないか、地面を歩いて地面を這う鳥はいないかを探します。今日は同じフィールドにモズの姿がありましたが、ノビタキよりも大きいこと、尾羽をゆっくり回す動作をするので違いがあります。(ノビタキの羽衣のいろいろ)ノビタキ成鳥は繁殖後の8-9月に全身換羽を行います。これに対して幼鳥は体羽の部分換羽を行なうとされています。したがって幼鳥、第一回冬羽は集中して観察する必要があります。(幼鳥:嘴が淡褐色で口角に黄色味があり額、頭、背にバフ褐色の斑がある)一枚目の個体:頭上、顔に黒味がなく、下面は淡い橙色、背と肩羽に黒斑があったことから雌冬羽と思われました。二枚目、三枚目の個体は、頭上は黒くなく、下面は淡い褐色などから幼鳥から第一回冬羽に換羽中の個体ではないかと思われました。四枚目の個体は、五百沢(2000)が報告しているように、初列雨覆先端に白い幼羽が残る第一回冬羽です。五枚目から七枚目は、頭上が褐色で、薄い眉斑があり、喉が白いなどから雌冬羽と思われました。(写真)2025年9月22日撮影(8枚目はモズ)(引用)五百沢日丸.2000.日本の鳥550 山野の鳥.p170-171.文一総合出版.
2025.09.22
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甲高い声で秋到来を教えてくれるのがモズです。高鳴きをする秋に物真似をよくすると言われています。(モズが真似た鳥)蒲谷(1996)は、声を真似た鳥として、センダイムシクイ。オオヨシキリ、コジュケイ、オオジシギ、セグロセキレイ、ミソサザイ。ヒヨドリ。ウグイス、コヨシキリ。オオヨシキリ。キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ。エナガ。ヒガラ。ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ノジコ」、カワラヒワ、イカル、コムクドリをあげています。1973年から2025年の間で、手賀沼とその周辺地域、柏市内でモズが真似た鳥としては、2005年10月3日に同一個体がクロツグミ、ウグイス、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、2008年10月12日にはオオジシギ、2009年11月14日にはコジュケイ、アカハラ、ウグイス、センダイムシクイ、2010年11月7日にはビンズイ、オオジシギの物真似をしていたのを観察したことがあります。このほか、2012年10月15日都内葛西臨海公園でセンダイムシクイ、2019年11月6日都内水元公園でアオジの声を物真似していたのを観察したことがあります。(最も多い物真似)神戸市(1988)は、物真似で最も多いのがオオヨシキリ、次いでヒヨドリ、カワラヒワ、ウグイスと報告しています。前記に記したように、手賀沼とその周辺地域、柏市、都内で聞いた物真似の声は、多様な種類でした。幼鳥期にどこで過ごしたかによって習得した声の違いがあるのではないかとも思われます。これからも注目していきたいと思います。(物真似の練習)小西(1994)は、研究報告や知見を整理し報告しています。その中で「近年の研究で物真似を練習することがわかった」「独り言をよく言って正確に真似できるまで練習する」と述べています。(引用)神戸市教育委員会.1988.神戸の自然6 神戸の野鳥観察記.モズ 早贄と物真似.小西 正一.1994.小鳥はなぜ歌うか.岩波新書.p103-110.蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑 下巻.p29.小学館.(写真)1枚目:2025年9月20日埼玉県吉川市、2枚目:2023年1月20日手賀沼沿岸で撮影
2025.09.21
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天気が不安定との予報でコンパクトに探索できる吉川美南駅西口と東口を訪ねました。西口中央公園前の調整池は、11日とは違って水かさが増え、浅瀬がすこしだけ残るのみでカルガモ、コガモだけ羽を休めているだけでシギ・チドリの姿は見つからず。このため、東口の第一調整池に移動し、水路、水田を中心に探索。(コガモ雄エクリプスと雄幼羽の換羽中の個体)写真一枚目は、西口調整池で観察したコガモです。嘴基部が黄色味と脇の羽に丸みがある雄エクリプスが生殖羽に換羽中の個体でした。二枚目、三枚目の個体も同様の雄エクリプス個体です。二枚目の個体は、頭部の羽毛も換羽が始まっていました。四枚目、五枚目の個体は、第一調整池で観察した個体です。脇の羽がV字に見え尖っています。雄幼羽が生殖羽に換羽中の個体と思われます。(アオサギは2タイプ)西口調整池では、2タイプのアオサギの姿がありました。首と足に赤味のある婚姻色が残っている個体と全体か灰色味で上面が暗色の個体です。吉川美南では、東口の第一調整池周辺の田んぼにはチュウサギの姿がほとんどで、西口調整池の水路と池にはダイサギ、コサギ、アオサギの姿を観察できます。その違いは、どこにあるのかははっきりとわかっていません。(モズの高鳴き)東口第一調整池周辺で秋の風物詩として知られている高鳴きとその姿を観察しました。高鳴きは、冬の間に単独で過ごすなわばり宣言と言われ「キチ、キチ、キチ」と甲高い声を連続して発していました。東口では、土地の造成が続いていますが、まだ草地が残っているので、餌の甲虫類、蜘蛛の仲間をモズが餌場としているのでこれから縄張り争いが活発になるものと思われます。(写真)2025年9月20日撮影
2025.09.20
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歴史的な酷暑となった今夏、フィールドで野鳥たちを観察していると、口を開けて呼吸している姿を多く見かけた印象があります。獣医師の鳥友に鳥類の体温とその調節、放熱はどうように行っているかについてレクチャーを受けました。(7日齢までは完全恒温性)・約7日齢までのヒナは完全恒温性で、産熱及び放熱を調節する機構を有している。・烏類の深部体温は一般に哺乳類より高<41.2℃からCから42.2 ℃の範囲にある。・体表面近い部位の温度は、外界気温により変化する。・熱生産は大部分体深部で行われ、放熱は体表部位で起る。・非発汗動物である烏類は体表面の水分蒸散による放熱は、体表から外界へ直接熱を放散させる。・環境温度が体温以上にあると鳥類の熱放散は主に呼吸蒸散によって行われる。(今夏に観察した呼吸蒸散をしていた鳥類)環境温度が体温以上になると鳥類の熱放散は呼吸蒸散によって行われます。日なたと日陰の温度は10℃以上、違うと言われています。気温35℃の時は、直射日光では45℃以上となったものと思われます。野鳥の体温は、41.2~42.2℃の範囲とされていますから、熱放散は呼吸蒸散で行われたものと思います。写真をアップしたツバメ、ハクセキレイ、スズメ、ハシボソガラスは、いずれも大きく口を開けて呼吸で熱を蒸散させていたと思われます。この中で、ツバメは口を開けての呼吸蒸散と電線に止まり、尾羽を広げて熱蒸散を併用していました。(写真)一枚目:ハシボソガラス2023年9月13日三郷市で撮影二枚目:ツバメ2025年7月22日柏市で撮影三枚目:ツバメ2025年8月16日柏市で撮影四枚目:スズメ:2025年8月5日吉川市で撮影五枚目:ハクセキレイ2025年7月22日で撮影
2025.09.19
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松戸市八柱霊園を訪ねました。広大な園内の一角でキビタキの姿を見つけました。キビタキはバフ色の翼帯があり、下面は汚白色、胸に淡色の帯がありました。観察できた個体を撮影できたらよかったのですが、林の中が暗かったので不鮮明だったので過去に撮影した同様の写真をアップします。(キビタキのバフ色の翼帯)成鳥雌は上面がオリーブ褐色で、白斑も黄色部も、バフ色の翼帯は認めらません。しかし、永井(2014)が報告しているように、キビタキ若鳥から第一回冬羽にはバフ色の翼帯があります。(写真)一枚目2018年10月13日柏市内、二枚目:2018年10月14日柏市内、三枚目、四枚目:2022年10月9日柏市内で撮影(その他観察できた鳥類)キジバト、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メボソムシクイ(上面が緑がかった褐色で眉斑が黄白色で細長い)、メジロ、スズメ
2025.09.18
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稲刈がだいぶ進行した手賀沼沿岸を訪ねました。スタート直後、水田上空をノスリとカラスのバトルを目撃しました。2種が横並びてで登場したと思ったら、カラスがノスリの後方から何度も威嚇を繰り返し。(不思議に色合いのハシボソガラスとセッカの不思議な飛行術)農道を移動していたら、電柱の上にハシボソガラスの色素欠乏個体を発見しました。肉体的には健全で視力に問題はなく、体の地が白く、いつも観察している個体は体全体が黒く紫色の光沢があるのに雨覆から風切の色が焦げ茶色味がありました。さらに進み葦原に鳴きながら2羽のセッカ移動してきたと思ったら、上方向に上昇したと思ったら降下し、まるで猛禽類のディスプレーフライトのようでした。(雰囲気がニュウナイスズメ似のスズメ)田んぼ脇の電柱に15羽ほどのスズメ若鳥が止まっている中に、一見するとニュウナイスズメ似の個体を発見。しかし、耳羽が黒く、スズメでした。比較の意味でニュウナイスズメの写真をアップします。(カワラヒワ雌のシックな羽衣)電線に止まっていたカワラヒワ1羽は、全体に暗色で頭部に灰色味がある雌個体でした。(写真)2025年9月17日撮影(セッカ、ニュウナイスズメは過去の撮影画像)
2025.09.17
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2025年3月31日で運営終了となった川村記念美術館内の池に毎年オシドリが飛来します。複数の鳥友から今秋からはもう観察することができないのでしょうねと問い合わせをもらいました。庭園が開放されていることを耳にしました。調べてみると、美術館周辺および自然散策路を除き、芝生の広場まで開放されていることがDIC川村記念美術館のホームページで記されています。https://kawamura-museum.dic.co.jp/news/nature/開園時間:10:00-16:00、休園日:月曜日、火曜日、年末年始なお、送迎バスは終了し、自家用車か京成佐倉駅からのバス(本数は少ない)利用。(オシドリの羽衣)オシドリは、完全なエクリプスが見られる種類として知られています。その羽衣を整理してみました。(1)成鳥雄生殖羽(一枚目の写真:2017年11月3日撮影)三列風切の内側の一対が銀杏の葉に似た羽が大きな特徴です。嘴は赤く嘴爪は白く、足は橙色です。(2)雄エクリプス(二枚目の写真:2015年10月25日撮影)雌に似た雰囲気がありますが、嘴は鈍い赤色で、肩羽や雨覆にパフ色の羽縁はありません。(3)成鳥雌(三枚目の写真:2018年11月4日撮影)脇の淡色斑が丸いのが雌成鳥の特徴です。(4)幼羽(四枚目の写真:2016年11月3日撮影)嘴が鉛色で基部がピンク色です。脇の淡色斑は丸みがなく細いのが幼羽の特徴です。(オシドリの初認)過去最も早く姿を見かけたのは、2009年10月10日の15羽でした。(お願い)一般市民の方も散策で訪ねます。長時間、場所の占拠した撮影は厳禁です。
2025.09.16
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(城址公園内にツツドリの姿)猿島郡にある戦国時代の城址公園と隣接する水田地帯、常総市菅生沼を訪ねました。城址公園では体上面が灰色で下面に太い帯のあるツツドリ、稲刈がスタートした水田では、農家の機械が入るたびに飛び出てくる昆虫類を待ちわびていたダイサギ、チュウサギもコサギが小躍りするような仕草をみせながら集合する光景を目撃しました。秋の小鳥(ヒタキ類)の姿は見つからず、次月の宿題となりました。(菅生沼のシギ・チドリ)猿島郡を探索後、常総市の菅生沼に移動し、浅瀬で羽を休めているシギ・チドリの姿を観察しました。コチドリに比べて長い嘴、上面が淡色の若鳥と思われる個体、コチドリ、雨覆の内側に黒帯のあるイソシギ幼鳥と思われる個体、上面は軸斑が目立たず雨覆、風切は一様な印象のあるトウネン幼羽を観察しました。沼沿岸の草が繁茂し、草丈が高く証拠写真の域を出ませんが、画像をアップしました。なお、まだカモの姿は見かけませんでした。(写真)2025年9月15日撮影
2025.09.15
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アオバトというと群れで海水を吸飲するイメージを持つ方も多いものと思います。神奈川県大磯町、静岡県浜名湖やいくつかの温泉地で温泉水、鉱泉水も吸飲する行動を見かけることがあります。ところが、秋から冬にかけては、主食が変化し、水分をほとんど含まないシラカシやアラアシなどのドングリ(堅果)を食べることが観察されています。鳥友から秋から冬は、海水とは縁遠い環境で姿を見かけると質問をもらいました。(繁殖期になぜ海水を吸飲するか)加藤(2019)は、アオバトの生態についての知見を整理し報告しています。その中で海水を飲む要因について「繁殖期にあたる春から夏にかけてヤマザクラ、ミヤマザクラ、ミズキ、ノブドウといった水分の多い木の実(液果)を主食とします」と述べ、「液果に含まれる水分や栄養分を吸収するのに必要なナトリウムを得るために海水を飲んでいる」と報告しています。(秋から冬にかけてはドングリを食べる)加藤(2019)は、繁殖期とは違い冬期には「水分をほとんど含まないシラカシやアラアシなどのドングリ」を食していることを述べています。トウモロコシ、エンドウ豆、麻の実を配合した市販の餌を同一個体に与える実験を実施したところ、塩水よりも水道水を好んで飲み、糞の水分量も少ない傾向が見られたと記しています。一昨年10月に千葉県松戸市内で姿を見かけた折には、地面に落ちているドングリの実を食べてました。時折姿を消しますが、その後、枝に止まり休む姿を観察しました。近くのあるのは淡水の池のみでしたので、その水を飲んでいた可能性が高いと思われます。海水でなくてもナトリウムを含んでいれば、淡水でもかまわないということを示しているものと考えられます。ドングリの実を食べる光景が今秋も見られるか注目してみます。(写真)1枚目:2024年12月20日千葉県松戸市内、2枚目:2016年10月23日松戸市内で撮影(引用)加藤ゆき.2019.アオバトのふしぎ.自然科学のとびら.第25巻第2号.p10-11.神奈川県立生命の星・地球博物館.
2025.09.14
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お天気が不安定で、時折雨が降るとの予報でしたので、コンパクトに探索ができて雨宿りも可能なフィールドの舎人公園を訪ねました。広さ65haの公園のうち、東側エリアをメインに鳥たちの姿を探しました。(ツツドリとツミの姿を発見)花見広場と芝生広場の一角でツツドリ赤色型2羽、ツミ幼鳥3羽を発見しました。ツツドリは、上面の地が赤褐色で、胸の縞模様は太いこと、下尾筒に横斑がありました。しかし、カラスに追尾されて林の一角の木の中に退避してきたので、撮影はかなわず。(カルガモとマガモの交雑個体)大池では、カルガモ9羽、カルガモとマガモの交雑個体12羽の姿がありました。上面が暗褐色で下尾筒の色などはカルガモの特徴がありますが、嘴は黄色で過眼線はうっすらで過眼線はカルガモに比べて細い個体、体全体が白っぽく、頭央線が薄く太い眉斑がない個体など実にいろいろな個体と出会いました。マガモとカルガモの交雑は、形態や生態が似ているおり、たやすく交雑すると言われています。外見が親鳥のどちらかと似ていたり、あるいは中間的な特徴を持っていたりします。(その他、観察できた鳥たち)頬から後頭部が赤褐色のカイツブリ夏羽、ツツドリ、ツミ幼鳥を追尾していたハシブトガラス、地面でひたすら餌探しに余念のなかったハシボソガラスの群れを観察しました。(これから秋、楽しみな出会い)これから10月にかけて、小鳥たちが立ち寄っていくと思います。次の訪問が楽しみです。(写真)2025年9月13日撮影
2025.09.13
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鳥友の町でカラスの古巣で誕生しヒナ5羽は23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。8日に幼鳥1羽を観察して以来、姿をみかけなくなり営巣林外での生活がスタートしたと思われます。営巣林近郊の桜並木でオナガが捕獲した餌を横取りしようと幼鳥がオナガを追尾している姿を目撃しました。オナガは、原田(2009)が報告しているように、雑食性で動物では昆虫、両生類、植物では樹木や草本の果実や種子を主に食べることが知られています。ツミの主な餌はスズメなどの小鳥ですが、飛翔するセミ、カブトムシを捕食することもありオナガが昆虫類を捕食したすると、それを目当ての追尾していた可能性が考えられます。オナガは、ツミにカラスからの襲撃や巣とヒナの防御をしてもらう代わりにツミの巣やヒナに接近するカラスを追い払う行動をとることが知られています。しかし、営巣林での繁殖が終了後し、幼鳥が営巣林外で生活するようになってもその協力関係が続いていることをはじめて目撃しました。一枚目の写真は、ヨソメイヨシノの枝にツミが降り立ったシーンです。何度もオナガを追尾しては枝に止まるのですが、撮影した画像はいずれも頭部、顔の部分が枝に隠れてしまい思うような記録がかないませんでした。しかし、上面が褐色で羽縁にバフ色があることなどの特徴から先月31日に地面に降りて餌を物色していた個体とよく似ています。(写真)1枚目:2025年9月12日撮影、2枚目:2025年8月31日撮影、オナガ:2025年9月8日撮影(引用)原田俊司.2009.オナガ 食性と採食行動.Bird Research News Vol.6 No.6.p3.
2025.09.12
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20日ぶりに吉川美南駅西口と東口を探索しました。西口中央公園前の調整池は、水位が元のレベルとなり、浅瀬ができている状態でした。カルガモ、コガモ、イソシギが羽をやすめ、餌探しに余念のない姿を観察できました。(今日の観察メモ)コガモは、雨覆に褐色味があり淡色の羽縁が目立つ幼羽と思われる個体、胸から腹が橙色で嘴基部が黄色味を帯びる雄エクリプス、嘴基部に黄色味があり脇最上列の各羽が丸みを帯びている雄エクリプスとじつにいろいろな羽衣を観察しました。イソシギは、雨覆の羽縁が黄褐色の個体と雨覆の羽縁が黄褐色で内側に黒帯のある個体の2羽の姿がありました。いずれも幼鳥と思われました。東口調整池の近くの水路には、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、カルガモが羽をやすめていました。その光景は、吉川市に水田が広がっていた頃のような懐かしい風景でした。(写真)2025年9月11日撮影
2025.09.11
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鳥友の町でカラスの古巣で誕生しヒナ5羽は23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。8日には幼鳥1羽の姿を観察できましたが、鳥友から地面にツミのものと思われる羽根が散乱していると連絡をもらいました。今朝、現地にむかってみると、幼鳥が夜間に塒として使っている木の直下に羽根が広範囲に散乱していました。4枚目から8枚目の写真が羽根の画像です。4枚目は内弁がふくらんでいて全体に丸みがあるので次列風切、5枚目、6枚目は肩羽ではないかと思われるもの、7枚目は風切、8枚目は脇腹と思われました。タカ類は、鳥類を襲撃し食べる前に、すべての羽根を嘴で抜いてから食べます。このため、羽根を抜いた場所には、たくさん羽根がまとまって抜けて落ちています。観察地周辺では、オオタカ、サシバの姿を目撃していますので、いずれかに襲撃されたものと思われます。なお、鳥友によると、羽根が散乱していた場所から離れた枝に幼鳥の姿があったとのことですから、6日に姿のあった2羽のうち1羽と思われます。林から離れて自立する直前だっただけに惜しまれます。(写真)2025年9月10日撮影(1枚目から3枚目は9月8日撮影)
2025.09.10
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鳥友から秋の三番瀬で見かけるオオソリハシシギは、若鳥が多いがどうしてかと質問をもらいました。(オオソリハシシギは、成鳥が越冬地に向かった後に幼鳥が出発)シギ・チドリは秋では繁殖を終えた成鳥が越冬地に向かって渡り始め、その後幼鳥が旅立つ言われています。しかも、幼鳥と成鳥の渡りルートが違うとも耳にしています。これに対して、オグロシギは成鳥と幼鳥の比率も偏りが少なく、渡りのルートが違うということはないと考えられています。(オオソリハシシギとオグロシギ幼鳥について)オオソリハシシギは、嘴が長く、上に反っていることから識別は容易と思われる方がいらっしゃいます。しかし、嘴の反りに個体差があり、オグロシギ似で嘴が真っすぐに見える個体を見かけることがあります。オグロシギとの識別に注意が必要です。(1)オオソリハシシギオオソリハシシギ幼鳥は、全体に淡い灰褐色を帯びて胸・腹部に褐色の縦斑があります。また、肩羽や三列風切の軸斑の先は尖り、上面各羽の羽縁はオグロシギ幼鳥より白味が強い印象があります。(成鳥では翼羽縁は先端が尖った笹の葉状ですが、幼鳥ではオグロシギのように先端が丸くなっています)(2)オグロシギオグロシギ幼鳥は頭部から背、頸から胸・腹部に橙色味を帯びます。肩羽の黒褐色の軸斑はオオソリハシシギ幼鳥に比べて黒味が強く、軸斑の先は尖らず丸味があります。また、羽縁も橙色味を帯び、雨覆・三列風切に黒褐色斑と橙色斑の模様があります。(写真)オオソリハシシギ、一枚目、二枚目:2013年9月21日三番瀬、オグロシギ、三枚目:2018年9月22日茨城県稲敷市、四枚目;2018年10月6日茨城県稲敷市
2025.09.09
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酷暑に負けじと霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を甘田干拓地近くを流れる野田奈川までの間を探索しました。蓮田エリアでは、コガモと思われる3羽、コチドリ、セイタカシギ成鳥と若鳥、アオアシシギ、ソリハシシギ、トウネン、オジロトウネン、ウズラシギ、エリマキシギの姿を堪能してきました。(出会った鳥たちの観察メモ)・ソリハシシギは干潟や砂浜で出会うことの多い種類ですが、浮島では嘴を蓮田の中に突っ込んで餌探しをしている姿を観察することができます。・オジロトウネンは、上面は灰色味が強い冬羽に換羽中の個体でした。・ウズラシギは上面に赤褐色の羽が残る個体の姿がありました。・エリマキシギは雌雄が同じ蓮田で採餌をしている姿を観察しました。全長は雄が約28cm、雌は22㎝程と言われ、雄より雌が一回り小さいと図鑑類にはありますが、もっと違いがある印象でした。(写真)2025年9月8日撮影
2025.09.08
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柏の葉キャンパス駅東口と西口の調整池を探索しました。東口の商業施設前の調整池ではバン成鳥、若鳥、幼鳥の三世代の姿がありました。若鳥が成鳥のヘルパーとして幼鳥の世話をしていところを観察できたらよかったのですが、遭遇はかないませんでした。また、カルガモが水面に広がる藻の中で嘴で濾し取って採餌している姿も観察しました。このほか、高層住宅の一角でイソヒヨドリが囀り、上空をサシバが旋回する姿も発見。その後、西口の調整池に移動し、周囲を見て回りました。アオサギ、そしてコガモの姿を見つけました。コガモは頭頂から過眼線までがヘルメットを装着したように一様に濃く、嘴の基部側面に黄色味があるのを観察しました。しかし、記録撮影しようとトライしましたが、身長以上に高さのある草がレンズ前を隠してしまい、コガモの2枚のうち1枚はかろうじて特徴がわかる程度のもの、もう一枚も斜め正面から姿を記録するのがやっとでした。(写真)2025年9月7日撮影
2025.09.07
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鳥友の町でカラスの古巣で誕生しヒナ5羽は順調に成長を続け、23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。先月26日には第一子が林を離れ、幼鳥4羽となり空中で獲物を捕獲する姿を目撃しました。今月2日には2羽の幼鳥が残るだけとなりました。5羽のうち3羽は営巣林の外で生活するステージに入ったものと思われます。昨日の台風での大雨にも負けずに過ごした2羽の幼鳥のうち、1羽は飛翔し林の外に出かけていく姿を目撃しましたので、そろそろ幼鳥すべてが林を離れる時期にさしかかっているものと思います。(営巣林の残る幼鳥について)一枚目、二枚目の個体は、三枚目から五枚目の写真の個体に比べると、一回り体が小さく、胸の縦斑の色が茶色に見え、下腹部のハート型の斑も少ないのがわかります。また、5枚目の写真は、親鳥並みの鋭い鳴き声をあげた姿です。(写真)2025年9月6日撮影(1枚目のみ9月4日撮影)
2025.09.06
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稲刈りが終了すると、手賀沼沿岸の水田地帯にノビタキが飛来する時期となります。多くの方がフラキャッチをする姿を双眼鏡で探す姿を見かけますが、実は地面を這う虫を捕食する個体も見かけます。(ノビタキの採食行動は2タイプ)先崎(2016)は、知見を整理し、次のように報告しています。その内容は、「採食方法は主に2種類あり、空中を飛ぶ昆虫を食べるときは見通しの良いところからフライキャッチを行なう。一方、地面を這う昆虫を食べるときは,目視で対象を見つけ地面を歩いてついばむ。主要な採食手法ではないが、被度の高い草地の内部に入り込んで,イモムシなどを探す個体もいる」と記されています。ホームグランド手賀沼沿岸でも見通しのようポイントに止まりフライキャッチをする個体と畑地に降りて土の中の虫を探している個体の2つのタイプを見かけます。写真一枚目と二枚目は、畑地の地面で採食していた個体です。(ノビタキの羽衣)手賀沼沿岸で見かけるノビタキは、第一回冬羽が多い印象があります。(1)第一回冬羽の幼羽の証第一回冬羽個体は、初列雨覆先にバフ色のスポットがあります。スポットが幼羽の証しです。三枚目、四枚目の写真が第一回冬羽です。(2)成鳥冬羽五枚目の写真は、成鳥冬羽と思われる個体です。頭部、体上面の黒味が強く、喉に黒味が残っています。六枚目の写真も成鳥冬羽と思われます。下面がオレンジ褐色で喉の黒味が少し残っています。(3)雌第一回冬羽七枚目の写真は、雌第一回冬羽個体と思われます。眉斑が淡褐色で全体的に褐色で背と肩羽に黒斑が点在しています。(写真)一枚目、二枚目:2023年10月2日手賀沼沿岸、三枚目:2014年9月20日さいたま市、四枚目、五枚目:2015年9月30日さいたま市、六枚目:2019年9月28日手賀沼沿岸、七枚目:2018年10月7日手賀沼沿岸(引用)先崎理之.2016.ノビタキ Bird Research News Vol.13 No.10.p1-2.
2025.09.05
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飛行が軽快で速い小型の水面採餌ガモのコガモがそろそろ飛来する時期です。飛来したばかりの雄個体は、雌のような目立たない羽色のエクリプスと呼ばれます。完全なエクリプスが見られるカモ科の種類は、叶内(2020)が記しているようにオシドリ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、コガモなどです。(雄エクリプスの覚えておきたいポイント)・頭頂から過眼線までがヘルメットを装着したように一様に濃く見えます。・嘴の基部側面に黄色味があります。・最外三列風切の黒条の出方が羽先に向かって伸びています。(アメリカコガモは黒条の上辺が羽先3分の一程度の位置にむかって伸びています)(1)エクリプス個体について一枚目の写真は、は2016年9月14日に手賀沼で観察したエクリプス個体です。エクリプス羽が第一回生殖羽に換羽する個体では、脇最上列の羽が換羽せずに残っている個体では各羽が丸みを帯びています。二枚目の写真は、2020年10月11日に手賀沼沿岸で観察した個体です。嘴には黄色味がなくほぼ黒くなっています。最外三列風切の黒条の出方が羽先に向かって伸びているのが一枚目と同様にご理解いただけると思います。(2)雌非繁殖羽個体について三枚目の写真は、2020年1月4日に手賀沼で観察した雌個体です。飛来した秋には嘴基部側面に黄色味があるのに、非繁殖羽では黒くなります。脇羽は丸みを帯びています。(幼鳥では脇羽がV字状に見えるのとは違いがあります)(3)雄エクリプスから生殖羽へ換羽中の個体について四枚目の写真は、2020年12月12日に手賀沼で観察した個体です。肩羽には幼羽に見られるような白い斑がありません。(軽快な飛行を可能にしている秘密)斎藤(2024)が「カモのなかまとしては翼面荷重(*)が比較的軽く狭い空間でも離着陸できる」と述べている点がほかのカモより軽快に感じる秘密のように思えます。(引用)斎藤安行.2024.華麗なる野鳥飛翔図鑑.p32.文一総合出版.(*)カモの体重をその翼の面積で割った値を翼面荷重と呼びます。体重の軽いカモでは翼の面積あたりにかかる重量が小さいので軽快に飛翔できます。
2025.09.04
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秋の渡りの時期、カッコウ科の鳥類が公園、霊園などに立ち寄る姿を見かけます。中でもツツドリは、一番出会う機会の多い種類です。鳥友からどんなところに注目して観察したらよいかと質問をもらいました。ポイントは、頭部、嘴、虹彩、上面の色、腹の横斑、胸、下尾筒、尾の特徴がその種類に該当するかを確認する点にあります。(類似種との違い)ツツドリと近似種のカッコウ、ホトトギスとの違いを整理してみました。(1)頭部:濃い青灰で黄色のアイリングを確認します。カッコウでは淡青灰色で黄色のアイリングがあります。ホトトギスでは青灰色。黄色のアイリングがあります。(2)嘴ツツドリでは黒褐色で下嘴基部に黄色味あります。カッコウでは黒褐色で基部に黄色味あります。ホトトギスでは黒褐色で下嘴基部に黄色味あります。(3)虹彩ツツドリは黄色から黄褐色です。カッコウは黄色から橙黄色、ホトトギスは褐色で暗色に見えます。虹彩に橙色があるか、暗色ではないかを確認しておきたいところです。(4)上面ツツドリの背はカッコウより濃い青灰色で、翼は黒褐色です。カッコウの背は淡青灰色で雨覆は暗青灰色、翼は灰黒色です。ホトトギスは、背は青灰色で翼は黒褐色です。上面の色が濃い青灰色かどうかをしっかり観察しておきたいところです。(5)腹ツツドリの腹は白地に太めで間隔の広い黒色横斑が9本から11本カッコウの腹は白地に細い黒色横斑が11から13本ホトトギスの腹は白地に太めで間隔ま広い黒色横斑が7から9本(6)胸ツツドリは濃い青灰色です。カッコウは淡青灰色、ホトトギスは青灰色です。(7)下尾筒ツツドリは淡いバフ色地にはっきりと黒色横斑があります。カッコウは白地に細かな黒色横斑、ホトトギスは淡いバフ色で横斑は見えません。下尾筒がバフ色であれば、ツツドリかホトトギスで、横斑の有無を確認する必要があります。(8)尾ツツドリは黒褐色で羽軸に沿って白斑があります。カッコウは灰黒色で羽軸に沿って白斑があり、ホトトギスは黒褐色で羽軸に沿い白斑があります。尾が黒褐色で白斑があれば、ツツドリかホトトギスのいずれかです。(参考)渡辺修.考える識別・感じる識別 カッコウ類.BIRDER.第19巻.第6号.p60-65.文一総合出版.(ツツドリの成鳥雌雄、幼羽、赤色型)過去撮影したツツドリの写真をアップし外観の特徴を記してみました。1枚目の個体は、頭部と体上面が濃い灰色で虹彩がオレンジ色で成鳥普通型です。2枚目の個体は、胸に褐色味があるので雌個体と思われます。3枚目の個体は、上面に黒と褐色味があり、若鳥と思われます。4枚目の個体は、頭部、背、翼が灰黒色で先端に白色の斑があり、幼羽から第一回冬羽に換羽中の個体と思われます。5枚目の個体は、頭部、体上面が赤褐色で黒い横縞が目立つ雌赤色型です。(写真)1枚目:2015年9月2日千葉県野田市、2枚目:2017年9月11日同左、3枚目:2022年9月28日千葉県柏市、4枚目:2018年10月18日都内水元公園、5枚目:2023年9月7日千葉県松戸市で撮影
2025.09.03
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鳥友の町でカラスの古巣を使って産卵し、雛が誕生し順調に成長を続け、23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。しかし、巣立ったとはいえ、林内でセミの捕獲はできるようになったものの、主食の獲物は1日数回、成鳥が捕獲したものを受け取って食べています。それ以外は、林の中に分散し羽をやすめ、セミを捕獲する姿を目撃するのみです。さて、先月24日に1羽の頭部の羽毛が脱落している個体がいるのに気がつきました。誕生時には羽毛の異常はなかったので、外的要因てダメージを受けた可能性が高いのではと思い、その後の様子を注視してきました。1枚目、2枚目の写真が今朝の状態、3枚目が先月24日、4枚目が先月29日の姿です。3枚目と4枚目では頭頂から後頭にかけて白くなり、頭の形状が欠損しているように見えていました。今朝の状態では、羽毛が生えてきているように見え、他には何も異常がないようなのでほっとしています。林の一角で待機していると、気配を感じて振り向くと、ピーピーと声を上げて地面を凝視している幼鳥1羽の姿がありました。細い眉斑、黄色の蝋膜、暗褐色の上面、鋭い爪は迫力満点でした。これ以外は、枝に止まって羽を休めていた2羽、セミを捕食していた1羽の姿を観察。(写真)2025年9月2日撮影(3枚目、4枚目は8月24日、同月29日撮影)
2025.09.02
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手賀沼沿岸で稲刈りがスタートしました。大型コンバインが複数稼働し、あっという間に稲刈りが終了していきます。刈り取った田んぼでは、ダイサギ、チュウサギ、コサギが降り立ち昆虫、カエルを捕食する光景を目撃しました。ダイサギは、嘴の長さ以上のサイズのカエルを捕獲し、一気に丸呑みしたかったようですが、悪戦苦闘していました。このほか、複数のツバメ、複数のスズメ若鳥が電線に止まり、昆虫類が飛び出すのを待っている姿、ホオジロが電柱の上で囀っている姿も観察できました。稲刈りのスタートした田んぼのそばの手賀沼の水面には、カイツブリ幼鳥、カワウ成鳥が日光浴をしている姿、遠くの杭にカワセミが体を縦長にして止まっている姿を観察。さすがに、ノビタキの姿はありませんでしたが、稲刈りが終了し田んぼにボッチが置かれるとその上に止まり、昆虫類を捕食する姿と出会うのもそろそろです。(写真)2025年9月1日撮影
2025.09.01
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毎年、9月から10月にかけて三郷市の江戸川河川敷と川の中州には渡りの途中のシギ・チドリやツバメの若鳥が集結する姿を見かけます。JR三郷駅から江戸川第二運動公園までの間を探索してみました。大雨がないので江戸川の中州は大きな面積のとなっていましたが、シギ・チドリの姿はみつからず。それでも出発早々、武蔵野線上空から流山市方向へチョウゲンボウが飛翔していく姿と出会い、江戸川の葦原にツバメ若鳥の小群の姿を見つけました。河川敷近くの高層集合住宅最上階にもツバメが降り立ち、河川敷のグランドに何回も餌の捕獲に出かける姿を目撃しました。このほか、ハクセキレイが胸を張り、社交ダンスの基本的ステップのいったん両足をそろえてから前進するような仕草を披露していたので記録写真を一枚。(写真)2025年8月31日撮影(二枚目、三枚目のオグロシギ、コアオアシシギは2008年9月、四枚目のチョウゲンボウは2025年1月撮影)
2025.08.31
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(林内を活発に行動するツミ幼鳥)鳥友の町でカラスの古巣を使って産卵し、雛が誕生し順調に成長を続け、23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。これまでに経験したことのない酷暑の中、幼鳥たちは林の残っている4羽がそれぞれの木の枝に止まり、クゥクゥとかビービーと鳴き声を上げコミュニケーションを取っています。2羽が同時に空中に飛び立ったと思ったら、セミを捕獲。1羽は、木の幹でセミの解体をはじめ、羽をきれいにとったり後、身をついばんでいました。もう1羽は、地面にセミを追い詰めて足で押さえつけて解体し、食べていました。食べ終わった後、きれいにとられたセミの羽が落ちていました。(セミと昆虫とツミ)セミの姿が見えなくなると、幼鳥たちはセミの探して近郊に移動していきます。森岡ほか(1995)が報告しているに、セミ以外の昆虫類がいなくなると、渡りをすると言われています。いつまで林での行動が観察できるかと注視しています。幼鳥たちは、木の横枝に止まり獲物を探したり、飛びながら餌を捕獲したり、枝に止まっている小鳥をさらうように捕獲する光景も見かけます。林内を飛翔するスピードも成鳥並となって迫力すら感じるようになってきています。(餌を食べ終わると日光浴)幼鳥たちは餌を食べ終えると、幹に止まり平べっくなり日光浴するもの、軽業師のように枝に止まり翼を広げて日光浴をするものといろいろ。(写真)2025年8月30日撮影(4枚目のみ2010年7月に千葉県内で撮影)(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p118-119.文一総合出版.
2025.08.30
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昨日、オフィス近くの公園を散歩していたら、シジュウカラ6羽前後、エナガ1羽、メジロ1羽、コゲラ1羽から構成されていた小群がソメイヨシノ、タブノキ、シラカシの木を移動する姿を目撃しました。中核種(先行種とも呼ばれ、他種を引率する役割)はシジュウカラ成鳥と若鳥、随伴種(追従種とも呼ばれ中核種についていく種類)は、エナガ、メジロ、コゲラという構成でした。和田(2017)が東日本の場合、多くが中核種はエナガと記しています。処暑すぎの時期では混群の中核種はシジュウカラなのかもしれません。観察した混群のうち、エナガは眉斑は黒く、後頚は褐色、瞼の色が赤色でした。写真ではわかりにくさがあると思いますが、アップします。赤塚(2012)がエナガ若鳥について「約120日で成鳥と見分けがつかない羽毛に換羽するが、10月後半あたりまでは、瞼の色で識別が可能。成鳥の瞼は黄色、幼鳥は赤からオレンジ色」と述べています。これから10月一杯までの間、注目したいと思います。(引用)赤塚隆幸.2012.エナガ Bird Research News Vol.9 No.7.p2-3.和田 岳.2017.身近な鳥から鳥類学.第35回カラ類の混群に混じる鳥.むくどり通信.246号.日本野鳥の会大阪支部.(写真)一枚目、二枚目:2025年8月28日柏市内で撮影(同一個体を角度を違えて撮影)三枚目:2014年8月9日柏市内で撮影(瞼の色が赤)四枚目:2013年12月28日柏市内で撮影(瞼の色は黄色)
2025.08.29
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中潮で干潮が昼過ぎでしたのでその時間にあわせて船橋市の三番瀬を訪ねました。潮干狩りの来場者が掘った穴に複数のダイゼンが腰をおろし羽をやすめている姿の観察からスタートし、近年個体数が減少しているシロチドリ第一回冬羽(翼の各羽縁がバフ色で鱗状に見え、後頸で白色がつながっていました)との再会を果たしました。その後は、船橋市日の出町方面の干潟を探索し、メダイチドリ、ミヤコドリ、キアシシギ、ソリハシシギ、ミユビシギ、トウネンを観察しました。嘴と足のオレンジ色のソリハシシギはよく動いて採餌するので、なかなか撮影のチャンスが到来せずでしたが、他のシギ・チドリを観察していた前後に足をとめてくれたのがアップした写真です。このほか、目を引いたのは、ミヤコドリの採餌行動でした。二枚貝を好んで食べるのは広く知られていますが、1羽が水中を凝視していたと思ったら水中を動く小魚を駆け足で追尾していたのを目撃したことです。(写真)2025年8月28日撮影
2025.08.28
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鳥友からシギ科キリアイの名前の由来について質問をもらいました。図鑑には錐合と記されているが、錐は穴をあけるために先が尖っている形状でキリアイの嘴は先端まで幅広で下方に曲がっている。むしろ鎌のような形状と言えるのではないかとの内容でした。(キリアイの嘴の形状と和名、学名)キリアイは、和名では錐合、学名Limicola falcinellusと記されます。和名は、錐のような嘴を表したものなどの諸説(*)がありますが、定まった由来は存在していない模様です。一方、学名のLimicolaは泥に住むもの、小種名falcinellusは小さな鎌の意味と言われています。キリアイの嘴に注目してみると、先端部分まで幅広く、先端は下方に曲がっていることがわかります。そもそも錐は穴を開けるための道具で先端が尖っているもの、鎌は、草や穀物などを刈り取るための道具で刃が湾曲しているものです。したがって和名の錐はそのルーツはどこにあるのかと疑問を持つのが当然だと思います。(キリアイは干潟で出会える、水田で出会える?)三番瀬、谷津干潟で出会うイメージがありますが、キリアイと近年出会った記録を見返してみると、1999年から2024年の間では、水田11回、干潟11回とその比率は半々。捕食している餌は、甲殻類やゴカイ類、昆虫類の幼虫と言われていますから、餌が採食できれば水田か干潟かは問わないというところでしょうか。(羽衣のいろいろ)(1)夏羽後期胸から脇にかけてはっきりと縦斑があり、上面は若鳥よりも赤褐色がなく黒色がかっています。写真は2024年10月3日に谷津干潟で観察した個体です。(2)夏羽から冬羽に換羽中の個体写真は2021年10月18日茨城県稲敷市で観察した個体です。肩羽の上段にグレーの冬羽が出ていること、眉斑が2つに分かれていることを考える第一回冬羽の可能性がある個体と思われます。
2025.08.27
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鳥友の町でカラスの古巣を使って産卵し、雛が誕生し順調に成長を続け、23日にはすべての幼鳥が巣立ちました。誕生した5羽のうち第一子の存在が不明ですが、第二子から第五子は林の中でそれぞれの木の枝や幹で休んでいます。ほとんど鳴き声を出さないので、言われなければその存在はわからないくらいです。(幼鳥間のボーカルコミュニケーション)4羽の幼鳥の鳴き声は、それぞれ個性があります。ゴジュウカラ似のフィフィフィと鳴く個体、ピーピーと連続音の得意に個体、クゥクゥと餌をねだる時に似た声で鳴いている個体と実にいろいろです。成鳥雌雄のように「ピョーピョピョピョ」と聞こえる尻下がりの声(捕食者に対する威嚇に用いているように思える声)、雌が「ケッケッケッケ」と甲高く連続的に鳴く声などと比べると音量が乏しい印象があります。(幼鳥の羽衣の違い)写真一枚目の個体は、脛羽に縞模様があり、胸に縦斑、腹部にハート型の斑があります。写真二枚目の個体は、他の幼鳥に比べて体が一回り小さく、胸に縦斑があります。写真三枚目の個体は、他の幼鳥に比べて胸の縦斑が太い印象があり、目の上に眉斑が見えました。写真四枚目は、写真三枚目の個体(写真右)とそれと比べると体のラインがスリムな個体(写真左)が近くの枝に並んだ光景です。(幼鳥の仕草のいろいろ)写真五枚目は、幼鳥の止まっていた頭上を昆虫が飛翔し移動していたものを凝視している光景です。写真六枚目は、他の幼鳥と鳴き声によるコミュニケーションをとっている姿です。写真七枚目は、六枚目の個体が幹に腰をおろして翼を広げ日光浴をしていた光景です。写真八枚目は、写真四枚目で紹介した体のスリムな個体が鳴きながら林を移動していったカラスの方向を凝視し飛び立とうとしていた光景です。(写真)2025年8月26日撮影
2025.08.26
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昨日、茨城県稲敷市浮島でオオハシシギ夏羽を観察できました。類似種のシベリアオオハシシギとの違いを復習してみました。(昨日観察したオオハシシギの特徴)・眉斑がありました。・足は黄緑色で、嘴は長くて基部に緑色味がありました。・下面が一様に赤褐色に見えました。(春では下面の各羽に横斑と白い羽縁が目立ちますが、白い羽縁と横斑が擦り切れて一様に見えたと思われます)・額から後頭は黒褐色。・春に見かける夏羽にみられる腹から下尾筒にかけての黒斑が見られます。観察した個体には黒斑の名残が少し残っていました。(オオハシシギとシベリアオオハシシギと比較すると)昨日観察したオオハシシギと2013年7月に葛西臨海公園で観察したシベリアオオハシシギを比較してみました。・上面の各羽はシベリアオオハシシギでは笹の葉状で、先端が尖り気味に見えます。オオハシシギでは上面の模様は複雑なパターンで、三列風切は一様に見えます。・嘴に着目すると、シベリアオオハシシギは太く、特に嘴基部の太さが目立ちます。下嘴はほぼ黒く見えました。・シベリアオオハシシギは腰から尾に黒褐色の横斑が見え、脇から下尾筒が白い。オオハシシギは春先の個体では腰から尾に黒褐色の横斑があり、下面は赤褐色。・記録写真はありませんが、シベリアオオハシシギは翼下面が白いのに対してオオハシシギは翼下面に黒褐色の小斑があります。このため、灰色味があるように見えます。(繁殖地の違い)・オオハシシギは、吉井(1988)が報告しているように、シベリア東北部かアラスカの一部で繁殖し、シベリアオオハシシギの繁殖地はシベリアオビ川流域と中国北東部に局地的と報告されています。(写真)オオハシシギ:2025年8月24日茨城県稲敷市シベリアオオハシシギ:2013年7月7日都内江戸川区葛西臨海公園(引用)吉井正.1988.コンサイス鳥名事典.p95、p259、.三省堂.
2025.08.25
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