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2009.11.01
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カテゴリ: 本・音楽・映画等



Yakuza.JPG
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オレが日曜夜に欠かさず見ているこのドキュメンタリー番組は、日本で言えば昔あった『報道特集』に近いが、アメリカの最長寿番組でもあるこの番組の視聴率はケタ違いで、たぶん1億人近いアメリカ人が見ていると思われる。

今回の話の中心は、昨年山口組から絶縁された後藤元組長だ。何年か前に、肝臓移植をしないと生き延びられない状態になった元組長は、本来なら永久に入国を認められるはずのないアメリカに、山口組の機密情報をFBIに売るという条件で入国させてもらい、UCLAの大学病院で肝臓移植手術を受けた。元組長が売った情報のおかげで山口組はアメリカの隠し口座にあった何億ドルもの資金を失ったが、組長が絶縁されたのも、この事実が組にバレたかららしい。

(一方、アメリカでは通常3年待ちと言われる肝臓移植手術を、日本の犯罪組織のボスが優先待遇でたった半年で受けていたことから、アメリカ国内ではこのヤクザとの取引に関わったFBIなどの関係機関が糾弾された。)

…で、もともとこの事実が公になったのは、当時日本の大手新聞社の記者をしていた日本在住のアメリカ人のスクープからであった。本来ならその新聞に掲載されるはずであったこのスクープ記事は、ヤクザ相手に腰が引けた同新聞が掲載を拒否したため、この記者は日本のありとあらゆる報道機関にこのスクープの売り込みを試みた。しかし、根性のない日本のマスコミはどこもビビってしり込みしたため、結局この記事はワシントンポストなどのアメリカの新聞に英語で掲載された。それがその後「海外記事の紹介」という形でようやく日本のメディアに取り上げられ、組の知るところとなったらしい。

以降、このアメリカ人記者は後藤組から命を狙われるようになり、新聞社を退社して家族はアメリカに帰国させ、本人は日本に残って警察と公安から身柄の保護を受けている。
この番組では、このアメリカ人記者を仲介者として、この番組の女性レポーターが日本のヤクザ幹部に覆面インタビューをしている。このやりとりがなかなかスゴイ。

ヤクザは正体がバレないように顔に照明が当たらないようになっていて、首から下しか見えない。いかにも「闇の大物」といった感じである。金髪の若い女性レポーターが礼儀正しいしゃべり方でヤクザの世界について基本的な質問をするのに対し、ドスの効いた重々しい声で簡潔に返答する。ヤクザの手元がクローズアップされるが、そこには小指がない。レポーターは「その指はどうしたのですか?」と、優等生のような素直さで尋ねる。部下の失敗の責任を取ったのだと答えるヤクザに、女性レポーターはたたみかけるように「部下はどんな失敗をしたのですか?」「切った指はどうしたのですか?」などと素朴な質問を続ける。日本のメディアではとても考えられないやり取りだ(笑)。

また、日本在住10数年というこの仲介役のアメリカ人記者も、ヤクザ世界の恐ろしさを強調するようなセンセーショナルなネタをレポーターに次々と振る(笑)。たとえば、ヤクザ組織の多くは建設会社を抱えていて、殺したヤツを建設現場の基礎に棄ててその上からコンクリートを流すから、死体は絶対に見つからないという話をすると、眉をひそめたレポーターが「…ということは、東京にあるこれらのビルの基礎には、いずれもヤクザに殺された人々の死体が埋まっているということですか!」…などという話に展開する(笑)。アメリカ人記者もそれを否定しない(笑)。



さらには、組長の襲名式だのの映像まで流して、ヤクザは現代でも日本古来の神道のしきたりに従っているとか、ヤクザのルーツは戦国時代のサムライにあるだの、ヤクザに絡む日本の神秘的な部分もやたらに強調する(笑)。

最近は太平洋戦争の記憶が薄れるとともに、日本兵の「冷酷・残忍・非情」といったイメージがすっかり失われ、むしろ宮崎アニメだのポケモンのイメージが浸透したおかげで「日本人」=「温厚で無害な、怖るるに足りない民族」と思われているフシがある。
しかし、今回この番組は、1億人のアメリカ人視聴者に「日本人には実は計り知れない陰の部分があったのだ!」という印象を植え付けてくれた。

言うまでもないが、外交上、あるいは国際ビジネス上でもいいが、表向きは紳士の顔をしておきながらも、「いざとなると何をし出かすか分からない」という潜在的な恐怖心を相手に抱だかせておくことは重要である。戦後の日本やドイツの繁栄の背景にも、単に技術力があっただけでなく、戦中の鬼畜行為のイメージが浸透していたおかげで、「いざとなるとどんな仕打ちを受けるか分からないから、あんまりナメないでおこう」と相手国に思わせていたことは大きい。

決してヤクザ組織を肯定するつもりはないが、今回この番組で紹介されたヤクザのおかげで、何億円分にも相当する外交上・ビジネス上のPR効果があったことは間違いない。





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Last updated  2009.11.03 06:33:46
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郡山ハルジ @ Re[1]:おひとりさま(07/31) New! 放浪の達人さんへ あ〜なるほど、そう言え…
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