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近江上布伝統産業会館㊥
文化と地域デザイン研究所代表 松本 茂章
国際見本市など海外展開に挑む
2017 9 月だった。筆者は海外における日本文化の発信に関心を持ち、調査のためにパリのショーケースを訪れた。そこで「近江の麻」でつくられた財布等の小物を見つけ、滋賀県の麻織物に関心を持った。パリから早速「帰国したら訪問したい」とのメールを送った。以降、近江上布伝統産業会館事務局長の田中由美子や同店舗責任者の西川幸子と交流してきた。
西川は京都産業大学外国語学部フランス語学科を卒業後、京都の和装小物問屋に就職。同社がパリの手芸専門店と提携したリボン専門店に勤務した。時おりパリに主張私的刷した。 1996 年から 1 年間、仏南部のトゥールーズの語学学校に留学。出産に伴い退職したが自宅で手芸を続けた。同会館のアマチュアクリエーター事業に応募して出品。店の運営や商品開発の経験を買われて 2012 年に店舗責任者に就任した。
同会館は 14 年以降、海外展開に挑む。西川によると、 24 年 2 月には二のなどの世界的な見本市「プルミエール・ヴィジョン」に初出店を果たし、ヘンプ(おおあさ)の生地などを出品した。「欧州では SDG sが盛んで天然素材が人気。麻の中でもヘンプは水や肥料が少なくでも育つ。化学肥料を必要としないので土壌汚染の心配がない。環境にやさしい素材として麻が注目されている」(西川)
これまでもパリの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出品した経験を有する。かつては麻製小物を販売していたが、近年は生地の引き合いも増えてきた。欧州ブランドから注文が届く。「近江上布の名前が世界的に知られることで、手織りする職人さんの励みにもなる」と西川は言った。
日本の「伝統的工芸品」は生活習慣の変化などから国内需要が減少。しかし海外で注目されており欧米などでの新展開に大きな可能性を秘めている。(敬称略)
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