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鑑定士と顔のない依頼人 [ ジェフリー・ラッシュ ]価格:1000円(税込、送料無料) (2017/12/13時点) 『ニュー・シネマ・パラダイス』で有名な ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画です。 割りと高評価だったのですが、 ついつい観る機会を逸して 先日、やっと鑑賞しました。 私は『ニュー・シネマ・パラダイス』は好きなのですが、 『海の上のピアニスト』も『マレーナ』も 印象的なシーンがあるもののあまり好きではありません。 それであまり期待していなかったのですが、 うーん、いいです。 今現在(2017年12月13日)セールで1000円なので 購入するのもありですね。 ジャンルとしてはミステリーになるのでしょうか? 大人のラブストーリーにも、 ヒューマンドラマにも、 ビターなファンタジーにも解釈できます。 (あらすじ) 初老の美術鑑定士 ヴァージル・オールドマンは お金のかかった優雅な生活をしています。 美しい家具、モデルルームのような部屋、 ホテルでは自身のイニシャルが入った食器が用意されているという VIPぶり。 とても神経質で、他人と相容れない性格です。 彼は独身。 辣腕 鑑定士であり、オークションも主催しています。 名士ですが、裏の顔があります。 相棒の贋作画家ビリーと組んで 不正取引もしているんですね。 彼の趣味は女性の肖像画を収集すること。 広いウォークインクローゼットの壁には 暗証番号で開く秘密の扉があります。 その中は彼だけの不思議な美術館。 高い天井、白い壁には著名な画家が描いた 女性の肖像画ばかりがこれでもか、と飾られています。 その真ん中にぽつんと椅子が置いてあり、 そこにヴァージルは腰を下ろして絵を鑑賞します。 彼は女性と接するのが苦手。 いつも絵を相手にしていたのです。 ある日、彼の仕事場に 若い女性から電話がかかってきます。 「両親が残した家具や絵画を売りたい。 両親からあなたに頼むように言われていた。 鑑定して売って欲しい」。 ヴァージルは日頃はそんな依頼を断るのですが、 つい引き受けてしまいます。。。 以下、ネタバレを含みます。 ご注意下さい。 **************************** 家には誰もいず、 依頼人の女性は絶対に姿を見せません。 電話だけのやりとりが続きます。 使用人の話では主人のクレアは作家。 対人恐怖症・広場恐怖症の彼女は 全く外に出ずに広い邸宅の中で暮らしているとか。 電話でのやりとりから クレアにシンパシーを感じたヴァージル。 ある日、クレアの姿を見るために家に身を隠します。 盗み見た彼女は若くて美しい女性。 ヴァージルは恋に落ち、 彼女の面倒を親身になって見るようになりますが―。 映画をよく観る、20代以上の大人であれば、 もうここまででピンときますよね。 いやいやいやいや、、、、 引きこもりの美女?しかも作家?天涯孤独? 少女漫画ではあるまいし、それ信じますか?? 怪しくないか?? はい、怪しいですね。 観ていて、もうこの辺で分かるんですよ。観客は。 ただ、この監督はとにかく「絵」を作るのが上手いんです! なんでもないシーンでも驚くほどに美しい。 画面を楽しむ―。それをできる人だけが楽しめる作品。 若く美しい女性が計画的に男性に近づき、 破滅させる、、、、。 本当にありがちな話で このブログで紹介した作品ですと、 『白いドレスの女』とか『水曜日に抱かれる女』とか 同工異曲の映画が山ほどあります。 その中でも、整合性はあまりない、、方ですね。 (映画の中にクレアの母親を描いたと称する絵画が出てくるんです。 ヴァージルはその絵を見てクレアの外見に興味を持つのですが 「鑑定士なら描かれた年代くらいすぐに分かるだろ!!」と 突っ込みたくなりましたね。) ただ、さすがはジュゼッペ・トルナトーレ。 人生の悲哀や人間性の裏表、対人関係にまで 思いをはせられる映画になっています。 とにかく、細部にこだわった美術さんの仕事っぷりを 堪能して下さい。 私は食事のシーンと 壁に掛かっている女性の肖像画群が面白かったです。 西洋美術に詳しい人であれば、 「これはどの画家の作品」と 分かるように特徴をつかんであります。
2017.12.13
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目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇【電子書籍】[ 田丸公美子 ]価格:864円 (2017/12/11時点) 寒い日が続きますね。今年はもう、積雪がありましたし風が強いです。外出できない日が多く、冬型うつ病になりそうです。毎年、軽くなりますけどね。やたらと散らかしたり、使わない物を買い込んだりしてしまいます。今はKindleを持っているので更に怖いです。読みたいな、と思ったらつい「ポチッとな」ってしてしまいますからね。カードの請求書を観るのが怖い、、、、ってことになります。 こんな時には明るい本を読むのが一番です。私の好きなエッセイストはみなさん寡作。穂村弘、岸本佐知子、佐藤正午は本業が別ですしね。エッセイは本業を別に持っている人の方が面白い、これも鉄則です。今回、上に紹介した田丸公美子さんもその一人。本業はイタリア語通訳です。すでに何冊も本を出しています。今回は久しぶりの購入です。 才媛(私が勝手につけた形容です)田丸公美子さんも通訳について早 38年!!!!!!イタリアや通訳業界の変わったこと、変わらないこと、今だから話せるお話、イタリア語の面白い俗語など軽い筆致で書かれています。これ、実は深刻な事態だったのでは?と思える話を読みやすくさらっと書くのがこの方の特徴。読後感がすごくいいんです。通訳さんは頭のよい人が多く、海外での経験、有名人との交流があるため読んでいるこちらがすみません、、、、、と言いたくなるほど上から目線で日本と日本人を切りまくる人が多いのですが、それがないのもいいですね。気持ちよく読ませてくれるプロ。きっと通訳としても超一流なんだろうな、と思わせるエッセイです。 『目からハム』というタイトルはイタリアの慣用句だとか。日本で言えば「目からうろこ」。あちらの生ハムはレースのように薄いものがあるので出てくる表現。お国柄ですね。
2017.12.11
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