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【楽天ブックスならいつでも送料無料】ハリー・クバート事件(上) [ ジョエル・ディケール ]価格:1,728円(税込、送料込) 実家から戻ってきて、図書館から借りてきていた本が期限切れ間近。慌てて読んでいます。就職活動もしているのですが、今、書類審査待ちなので、、、。これでダメだったら、また、ハローワーク通いです。さて、最近、連城三紀彦のお勧めと評判の良いミステリーを交互に読んでいます。瀬戸内寂聴 『美は乱調にあり』の次が『ハリー・クバート事件』。我ながら脈略がありません。ジュネーヴ生まれの作者が、アメリカを舞台にしたという変わったミステリー。作者ご自身はミステリーのつもりはなかったようですが、謎が謎を呼ぶストーリー。まさか?純文学のつもりで書いたわけでもないでしょう。主人公は、第一作が爆発的に売れ、時代の寵児となった後スランプに陥った青年作家。本が書けない、、、と嘆き、大学時代の恩師 大作家であるハリー・クバート教授に電話をかけて泣きつきます。教授は環境を変えるように助言し、快く自宅に招いてくれます。主人公は、滞在しているうちに書斎である秘密の小箱を開けてしまいます。そこには、三十三年前、三十四才だったハリーが、なんと十五才の少女と恋愛をしていた証拠となる写真や手紙が入っていました。そして、その少女が行方不明になったと知ります。その直後、庭に花壇を作ろうとしたハリーと庭師が、少女の白骨死体を発見。勿論、嫌疑はハリーにかかり、主人公は恩師の疑惑を晴らすために調査を始めます。。。と書くと暗い小説を想像されるかもしれませんが、時々、クスッと笑えるユーモアにあふれた小説です。なんと言っても、主人公を含め、 アホが沢山出てくるところが楽しいです。(ちなみに私は西日本の人間です。罵倒語は東西で使われ方が違いますので念のため )この「アホ」という言葉、作中にも幾度も出てきます。主人公は、成績も良く、運動神経もそこそこ。ルックスも良いため、高校では上手に立ち回り、なんとか「できるやつ」と周囲に認識してもらい、綱渡りのようなことをしながら生きてきた男。学内のクラブ活動でも大会でも強い相手がいる所は画策し、避けて通ります。大学はハーバードもイエールも入学資格を得たけれど、そんな秀才ばかりが集まるところで埋もれたくない!と二流大学を選びます。そこでも上手に生きていこうとしていたところを、教授であったハリーに看破され、手荒な手段で教え諭され、道を切り開いてきたという経緯があります。そう、もともと器が小さくて、流されやすい人間。だから、人気者になった途端、ハリーを顧みなくなり、困ったら助けを求めるだめっぷり。長所は勇気と思い込みの深さでしょうか。これはちょっと、と思われる状況でも飛び込んで行く蛮勇。一度決めるととことん追求する粘り強さ。でも、前に書いた通り基本が「アホ」ですから、重要なことを聞き忘れたり勇み足で爆走したり。そこのところが絶妙な平衡感覚で描かれていて、主人公をただの「鼻持ちならないスノッブ」にしていません。こんな登場人物が一所懸命に生きている、リアルに作中を動き回っているパワフルな小説です。所々、ミステリーとしては整合性に欠けますし、これは無茶、と思うところもありますが、とても力強いです。作中、「名作」「大傑作」と言われる小説の抜粋とされる文章が出てきますが、それがたいしたことないのもご愛敬。古今東西、そんな設定の文章や作品が説得力を持っていた例は数えるほどしかありませんので、見逃してあげて下さい。私は、連城三紀彦と、ルース・レンデルくらいしか成功例を知りません。どちらも、ミステリー以外でも成功している作家ですし、後者に至っては、純文学では食べていけないから、、、と推理小説を書き始めた作家ですので。まあ、最後の最後まで犯人は分かりませんでしたし、事件を巡る人間関係、出版業界の丁々発止、アメリカの法曹界、これらがややカリカチュア化されて描き出されていますが、登場人物が生き生きとして魅力的です。なんだか、自分を含め、やっぱり、「アホ」がいないと世の中つまらないよなあと思った作品です。
2015.01.26
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《送料無料》新編水上勉全集 第2巻価格:5,662円(税込、送料込) 最近、ブログが読書メーター化していますが、備忘録として。放っておくと、2度も同じ本を買いかねない人間なので。連城三紀彦のお勧め 水上勉の「那智滝情死考」を読みました。 自殺の名所である那智滝の宮司が、情死した人間の覚え書きを取っていたという体裁で始まります。4組の男女が情死に至るまでを描かれているのですが、時代の色が濃く、「ああ、日本にもこんなに貧しい時代があったなあ、、、」と感慨深いです。一口に「情死」といっても、事情は様々。いわゆる、この世で結ばれない男女が世をはかなんで、、、というよりは貧困と病苦で行き詰まり、やむにやまれず、気心の知れた相手とこの世を去る、というものが多かったのでしょうか?実際は判りませんが。熟慮の末の結果もあれば、若者の発作的な行動であったり、無理心中とも思われたり。芸妓・女工さん・女中さん上がりの大寺の奥様、理髪店の職人、教師崩れ、クリーニング店の店員、輪島塗の職人、彼らの日常と苦悩が細かく描き出されています。まだ、結核が不治の病の時代ですね。 最後の挿話が、ちょっとミステリーを含んでいて、読後も「どういうことだったのだろう?」と考えてしまいました。 印象的だったのは分校の教師と、教え子の挿話。不登校の児童を、必死で復学させ、見事に自立させたのに、、、という皮肉で悲しい話です。
2015.01.12
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】美しさと哀しみと [ 川端康成 ]価格:637円(税込、送料込) 最近、読書づいています。パートに出ている間は、仕事関連の本しか読んでいなくて、たまりにたまっていた欲求がわき出してきました。付き合わされる図書館の人々はたまったものではないでしょうが、 今回は、前に書いた連城三紀彦 人生最高の10冊のうち、入手しやすかった一冊。川端康成の『美しさと哀しみと』です。最近、悲しむべきことに川端康成の作品は『雪国』、『伊豆の踊子』、『名人』以外置いていない実店舗が多いのです。中公文庫、こんなマイナーな作品を文庫化してくれていてありがとう、と思っていたら、、私が知らなかっただけで国の内外で何度も映像化されているんですね。これを映像化っていう映像作家の根性はすごいけれど、フランスで映画化というのは納得!!!好きそう。 美しい日本画家 音子、その弟子のけい子、音子 17歳の時の不倫相手 作家である大木、その妻文子、その息子 太一郎の何とも言えない多角形の関係。復讐。 文章は、代表的な作品より軟らかく読みやすいですが、随所に川端作品の片鱗を見ることができます。『みずうみ』、『古都』、『愛する人達』、『舞姫』、、、、など。が、今回、読みながら浮かんできたのはやっぱり連城三紀彦の作品 『飾り火』でした。若く美しい女性が、他人様の家庭に入り込み、(子どもが一男一女という家族構成も一緒)父親とも息子とも関係を持ち、家庭を崩壊させるという基本的なストーリー。これを、より複雑に、三重構造にしたのが『飾り火』と言えなくもないかな???それにしても、『美しさと哀しみと』は確かに連城三紀彦が好きそうです。川端康成は、男性の身勝手さ、醜さ、怖さを描かせると超一流の作家だと思うのですが、連城三紀彦が選んだものは、やっぱり、女性の方が怖いものなのね。なるほどなあ。。。。連城三紀彦のどんでん返しもの、大抵、女性の方が奥が深く出来ているんです。
2015.01.10
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水曜日に修理に出したサンラメラ。今日、戻ってきました。きれいな箱に入って、掃除・修理・点検済みの状態で。噂には聞いていましたが、早いですね。オリエンタルホープさん。事前に、販売店から依頼・説明があったとは言え、驚異的なスピード。 今、もうつけていますが、確かにここ数年、気になっていた音もしなくなりましたし、あの、火がぱちぱちと見えることもなくなりました。ありがたい。しかも、今回は無償の修理です。販売店の方も、ありがとうございました。寒いので大助かりです。
2015.01.10
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空気を汚さない お子様やペットにも安心 電気ヒーター 暖房器具 暖房機 輻射熱 遠赤外線セラミ...価格:42,984円(税込、送料込)サンラメラが壊れた時の対処法 やっぱり、引っ越しをすると家具や家電製品が傷みますね-。去年は後半になってから、除湿機が壊れ、今回は正月早々、暖房機「サンラメラ」が故障しました。なんか、運転中にパチパチと音がするなあ、、、と思い、じっと見ていると、、、うそ!!!火が出ているの!!!という状態。パネルの脇からちらっとですが、こわっ!取扱説明書にはそんなことを書いていないし、慌てて検索すると、、、、、同じ症状が出て修理に出された方が複数、いらっしゃいました。すぐに購入したお店に連絡。楽天市場で買ったのでメールですが、さすが、日本最大の自然食品店と名乗っていらっしゃるだけあって数時間後には丁寧なメールのお返事を頂きました。次の日には、修理に出せる状態まで話がスムーズに進みました。それにしても、私はオイルを使うファンヒーターがどうも苦手で、一番寒いときに限って「給油」だし、灯油の買いだめも大変だし、空気は乾燥するし、換気が必要だし、臭いが出るし、「暖房ストレス」いっぱいいっぱいなのですが、便利なものでも欠点はありますね。大手メーカー品ではないから、近くの家電販売店には持って行けませんし、梱包は大変だし、考えてしまいました。ご購入をお考えの方は、その点を踏まえた上でしっかりとした販売店を選ばれるのが一番です。はい。追記;後の日記にも書きましたが、オリエンタルホープさんの仕事は早かったです。修理後、すぐに帰ってきました。ほぼ一日?又、購入した自然食品店 京都太秦しぜんむら さんの担当者の方がとても親切で、事前にあちらに報告しておいて下さったのがありがたかったです。今回の修理は無料でした。助かりました。追記;2021年1月、我が家のサンラメラは故障せず、現役で活動しています。 この商品は本当に灯油を入れる手間もないし、空気が汚れないし、買ってよかったです。 しかも、購入した場所がよかったな、と今でも思っています。
2015.01.09
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うわっ、これは私のツボに入りすぎ!!!観に行きたいけれど、絶対に無理!!の蜷川幸雄×藤原竜也×満島ひかりの『ハムレット』!!! 前回は、鈴木杏のオフィーリアでした。可憐だったですね。今回は、成熟した女優さんなだけに、演技がものを言いますね。楽しみです。満島ひかりさんの舞台はDVDで『ネジと紙幣』を観たのですが、あれも良かったです。これ、観に行ける人が本当に羨ましいです。私はしょうがないのでDVDを待ちます。。今回こそはDVDになりますように!!!(前回の『ハムレット』、多数の賞を獲ったものの、一部、台詞を割愛してあるため???DVDになっていません。私はWOWOWの放送で観ました。)
2015.01.08
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【送料無料】 美は乱調にあり / 瀬戸内寂聴 【単行本】価格:2,571円(税込、送料込) 昨日、連城三紀彦の『女王』を読み終わりました。えっと、文春のミステリーベスト10は同業者や読書家が作家への哀悼を込めてランキング入りさせることがあるので要注意!!ということを改めて思い出させてくれた一冊でした。いえいえ、『小さな異邦人』は読み応えありましたよ。だけれど、これは、、、、正直、ファン以外が読んだら1,途中で投げ出す2,読んだ後、怒り出す3,虚無感に襲われるのどれかだと思います。 今まで連城三紀彦の作品に慣れ親しんだものなら過去の作品を思い出しつつ、くすっとしたり、またか、と思ったり、やっぱりすごい!と感嘆したり忙しく楽しめるのですが、、、。で、私はこの本の最大の魅力は連城三紀彦、おすすめの本 10冊が巻末に載っていることかな???と思いました。連城三紀彦が、人生の終わりを見据えつつ、本当に好きなものを選んだ、という10冊。いや、面白いですよ。「男女の話」が好き、と明言。やっぱり、フランス文学がお好きでしたかとか、え、あの作家のそれ??メジャーな名作を差し置いてそれ??それですか、先生、とか氏のこだわりに口元が緩みます。日本の専業推理小説家 大御所の作品がひとつもランクインしていないところとか、いかにも!ですね。そして、絶版になっている or 図書館にある全集にも収録されてないよ!みたいな作品が多いのもまた一興。ファンはストレスがたまります、はい。だって、読みたい本が 図書館にもない! 古本屋にもない!!青空文庫にもない!!どうしろっていうんでしょうね。馬鹿高いプレミア付きの古本を買うのもちょっと、、、金持ちじゃないし。こういう、こちらの事情を考えてくれないところも、いかにも!です、連城三紀彦。連城三紀彦が選んだ 「わが人生 最高の10冊」1,『ローマの女』 モラヴィア2, 『一年ののち』 サガン3,『棺の花・那智滝情死考』 水上勉4,『モデラート・カンタービレ』 デュラス5 『花影』 大岡昇平6,『寝台車の殺人者』 ジャプリゾ7,『射程』 井上靖8,『美は乱調にあり』 瀬戸内寂聴9,『野生の棕櫚』 フォークナー10,『美しさと哀しみと』 川端康成 ところで、サガンの『一年ののち』は田辺聖子の作品を生み、『ジョゼと虎と魚たち』で、映画化。『ローマの女』はゴダールの『軽蔑』で、映画化されています。実作者にインスピレーションを与えるタイプの作品なんでしょうね。出版されていても、とうの昔に絶版、、というのが悲しいです。最初にあげた本は、今、この中で一番読みたいかな?と思ったもの。これは高いので図書館で借ります!!
2015.01.08
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】凍氷 [ ジェイムズ・トンプソン ]価格:885円(税込、送料込) 天気予報がようやく当たって、昨日の夕方から雪が降りました。脅されていたので心配していたんですけれど、年末年始は穏やかな気候だったのです。はい。皆さん、初売りのお店にあふれかえっていました。そうよねー、日が照っていて道路が凍結していないと外に出たくなるってものです。 さて、九州から新潟に来て「寒い!!」を連呼していましたが、甘かったな、、、と思った本がこちら。北欧を舞台としたミステリー 『凍氷』。フィンランドが舞台のもの、多分 初めて読みました。作者はフィンランド人の奥様を持つアメリカ国籍の男性ですけれど。主人公のカリは、北極圏の出身だというので多分?最北端の探偵ですね-。(刑事です) フィンランドでは、真冬に配水管が破裂→道路に水があふれ、氷に→それを割るのが基本、、、だそうです。新潟、、、、踏み固められてしまった雪が氷になりますが、私も滑って転びましたが、これに比べれば、、、とちょっと安心。 さて、ストーリー。ヘルシンキで美しい人妻が殺害されます。現場はむごたらしく、尋常でない趣味を感じさせます。奔放な生活を送っていたことから、警察は異性関係を中心に調べていきます。犯人は特定されるのですが、被疑者の社会的な地位や政治的な立場を考えると逮捕は難しいと思われます。 別件で、フィンランドの「英雄」がユダヤ人虐殺にかかわったのかどうかを調査するように上司に命令された主人公。今は亡き祖父と交流があったと思われる90才の退役軍人に話を聞きに行きますが、、、、、。殺人事件とフィンランドの近代史暗部が交錯、主人公の暗い過去が縄のようにあざない、なんとも重たく、辛いストーリー。それでも登場人物の魅力と、ところどころのユーモアで救われています。各所に抜きがたく出てくるフィンランドの描写、とっても寒いです。主人公は、ヘルシンキの寒さは甘い!北極圏の故郷が懐かしい!!と心の中で叫んでいますが、暮らせるんですか?と思ってしまいました。 とても考え抜かれたミステリー。人物造形がやや類型的ですが、しっかりとしているのでお勧めです。
2015.01.03
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