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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
September 22, 2014
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テーマ: 文楽(12)
シェイクスピアの作品は
けっこう知っていると思っていたけれど

知らなかったな、フォルスタッフ。

「ヘンリー四世」に出てくる人物で
外国では有名みたい。

でも、実は
「ヘンリー○世」も
「リチャード○世」も
数字アレルギー&世界史苦手の私には


ところが文楽の新作として登場。

出演者のお一人の咲甫大夫のお話を直接聞いたからには

行かねばなるまいと
すぐチケットを購入。

文楽に生まれ変わったフォルスタッフ、
その名も
「不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)」
フォルスタッフ→不破留寿之太夫
フォルスタッフ→不破留寿之太夫 posted by (C)kikimimiya

9月はあまりにも忙しかったので、
行くのやめようかと
迷ったけれど、

80分という短さもあり、

好奇心もあり、
開演直前に到着!

文楽 9月公演 第三部 千穐楽
文楽 9月公演 第三部 千穐楽 posted by (C)kikimimiya

結果!
あー、観てよかった!



短かすぎ!
の気もしないではないけれど、

一気にこの世界に惹きこまれ、
集中!
もいいかも。


はじまり。
蒼い空に浮かぶ月。

照明が少しずつ変化を見せるのは
時の流れ?心の移ろい?

幻想的なシーン。
ちょっとNINAGAWA十二夜想い出した。

気づくと
桜の木の下に酔ってまどろむ
おへそにピアスの巨漢、
不破留寿之太夫。

やがて現れる若者、春若。

原作の「ヘンリー四世」に出てくる
ハル王子(王位継承者)と

このフォルスタッフは、
身分は高いのに悪行三昧という
どうしようもないお友達。

大酒飲みで、
口から先に生まれたような調子の良さ、
けれど憎めない男と

ハル王子の友情は
永遠のものかと思いきや
父王崩御の報を受け、
フォルスタッフに国外追放を告げる。

「大学生のうちは遊ばせてやるが、
卒業したら家(跡)を継ぐんだぞ」

そう言い含められていた老舗のボンボンってとこかな、

ハル王子は覚悟していたように迷いもなく、
決別する。

(いや、実際はもっと奥深い世界ですけれどね)

そんな「ヘンリー四世」と
フォルスタッフを主人公とした

「ウィンザーの陽気な女房たち」

人妻をだましたつもりがだまされて、
の部分を合わせて作られた

「不破留寿之太夫」、

登場人物もエピソードもスッキリまとめられ、
原作を知らない人でもわかりやすい。

その分、斬新なセット、照明や音楽、

シェイクスピアらしい言葉遊びが
際立ったのではないかしら。

草原を模した床に
太夫さんと三味線さんも4人ずつ並ぶ編成。

三味線だけでなく
「大弓」という楽器や琴も交え

「グリーンスリーブス」
「結婚行進曲」
「葬送行進曲」等を
場面に即したアレンジで演奏するので、

舞台のお人形と奏者、
どちらも観たくて迷うこと、迷うこと。

そういえばお人形さんの足を隠す
「手摺り」にも草原の模様。

一体のお人形を三人で操る人形浄瑠璃。

まだ文楽を数えるほどしか観ていないので、
上手に動かすものだと感心して見入ってしまい、

ストーリーから逸脱しそうになるものの、

巧みな筋はこびと鮮やかな人形遣い、
いつの間にか
人形が人間のように見えてきます。

不破留寿之太夫の人形は桐竹勘十郎さん。

「勘十郎!」と声が飛んでました。

文楽で声がかかるのを初めて聴いた気がします。

ただ、今までは
気づかなかっただけかもしれませんが。

最初と最後、
居酒屋のシーンでシェイクスピアの人形も登場。

原作者はこの翻案の舞台を観て
どんな感想を持ったのでしょう(*^_^*)

後ろのほうの席だったので、
居酒屋に貼られた
「ふいっしゅあんどちっぷす」などの
貼り紙は見えませんでした。

とは言え、センターだったので、
小さなホールの舞台全体、
余すところなく観られました!


満足!

貼り紙の他にも、
錦織選手のエピソード、

「思いがけなく手に入る百両」

のセリフなど遊び心満載。

不破留寿之太夫が
やり込められるシーンは
太夫さんたちが
初めて口にするんじゃなかろうか

と思うようなセリフが
矢のように飛び交ったり、
新作文楽アツイです。

文楽は
登場人物が死んでしまう話が9割だそうですが

従来の文楽の美しさ、儚さと、
新作の楽しい文楽、
両方に親しむ機会を
もっと増やしたいと思いました。

シェイクスピア 不破留寿之太夫
シェイクスピア 不破留寿之太夫 posted by (C)kikimimiya

帰りの電車の中で
プログラムを読んで理解を深める時間もいいもので
読み終わるまでずっと駅に着かなくてもいいと思うくらいです。

石井みつるさんが、
今回は衣装とセットの両方を任されたので
統一性が図れたこと、

40年前、留学していた頃に
シェイクスピアの実験的な作品が
次々に製作されたことなどを綴っているのを
興味深く読みました。

その石井さんが
描いたデザイン画を観て思ったこと。

女房のお花とお早が似たようなイメージの
セクシーなスケッチでした。

確か、舞台の上では
赤い着物のお早は確かに妖艶でしたが
紺の着物のお花は
貞淑そうな女将さんになっていたはずです。

ひとつの作品を作り上げるまでに、
書き切れないほどの
たくさんのドラマがあったのでしょうね。

字幕はなし。

聴けばわかるとトークショーで聞いていた通り。

字幕に頼っていたら、
ここまでストレートに言葉が沁みてこなかったでしょう。

「名誉とはなんぢゃ。言葉ぢゃ。言葉は空気ぢゃ。虚しいものぢゃ」

追放を言い渡す春若は
「時代は冬。もう、遊んでいられないんだ」の想い。

名誉の戦争など阿保らしい、
どこへ行っても楽しく暮らすだけ」と

花道ならぬ通路を悠々と去っていく太鼓腹のファルスタッフ太夫。

不破留寿之太夫
不破留寿之太夫 posted by (C)kikimimiya
ごきげんよう、いつか、またこの作品に会えますように。

それまで、 前代未聞の大越冬ぢゃ。





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最終更新日  July 25, 2021 01:58:39 PM
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