キスシーンAIイラスト&小説

キスシーンAIイラスト&小説

PR

×

Profile

ブラック村ごんべえ

ブラック村ごんべえ

Calendar

Category

Comments

コメントに書き込みはありません。

Keyword Search

▼キーワード検索

2026.03.11
XML
テーマ: 三国志(521)
カテゴリ: カテゴリ未分類

ここは長安。焼き払われし都・洛陽から遷都された地である。しかし、皇帝はないがしろにされ、董卓という男が傍若無人な振る舞いで暴政を強いていた。

後漢の政局を任されていた司徒・王允(おういん)はそれを嘆き、屋敷にある庭園で月を見上げてため息をついていた。その時、一人の女性が心配そうに王允に語りかけた。彼女の名は貂蝉。その美しさは、雲さえも恥じて月を隠してしまうと言われるほどであった。

貂蝉は何も語らない王允の胸の内を察していた。幼き頃に王允の養女となり、実の娘のように大切にしてもらった恩義を、ここで果たしたいと彼女は決心する。

「どうか、この身を捧げて、義父上(王允)の悩みを晴らさせてください」

王允は悩んだ。しかし、彼女の瞳を見た時、その決意が本物であることを悟る。王允は自分の本心を語った。暴君・董卓が国を乱す惨状への憂いと、天子様のために誰かが立ち上がらなければならないことを。

そして王允は彼女の決意をくみ取り、涙ながらに一つの恐ろしい計略を授ける。それは、董卓と、その懐刀というべき最強の武将・呂布とを、彼女の美貌で仲違いさせる「美女連環の計」であった。

王允は まずは 、天下無双と誉れ高い呂布を自宅へと招き、貂蝉と引き合わせた。

呂布「何という美しさだ……。これほどの美女は見たことがないぞ」

王允「将軍、お気に召しましたか?」

呂布「おお……気に入らぬはずがない」

王允「実は、これこそ我が自慢の娘。……どうでしょう将軍、この者を貴方の妻に娶っていただくことはできますかな?」

呂布「何……それはまことか!」

王允「天下一の英雄に嫁ぐは、女として最高の誉れ。貂蝉もまた、それを望んでおります」

それを聞いた呂布は有頂天となった。後日、正式な縁談を結ぶ準備を進めるとして、呂布は興奮を隠しきれぬ様子で帰途についた。しかし、これこそが破滅への幕開けであるとは、最強の猛将も知る由がなかったのである。


呂布が喜び勇んで屋敷を辞去してから数日後。王允は宮殿に赴き、董卓に対してこの上なく卑屈な笑みを浮かべて言いました。

「太師(たいし:董卓の尊称)様、我が屋敷に家宝の珠(たま)がございます。ぜひ一度、お立ち寄りいただき、ご覧いただけませぬか」

美食と美酒に目がない董卓は、上機嫌で王允の屋敷を訪れました。豪勢な宴が繰り広げられる中、王允は合図を送ります。

すると、奥の帳(とばり)から、天女の如き衣装を纏った貂蝉が姿を現しました。

董卓「……ほう。王允よ、この女子(おなご)は何者だ。その美しさ、まさにこの世のものとは思えぬが」

王允「これは我が娘、貂蝉にございます。太師様のご威光を拝したいと、不遜ながら参じさせました」

貂蝉は、董卓の傍らへと歩み寄り、しなやかな手つきで酒を注ぎました。そして、わざとらしくその妖艶な瞳を潤ませ、董卓をじっと見つめます。

董卓「おぉ……なんと愛らしい瞳よ。王允、これほどの美女を隠しておったか!」

王允「恐縮にございます。実は……この娘を太師様の後宮に献上したいと考えておりました。ただ、あまりの美貌ゆえ、私のような者の娘にしておくのは勿体ないと案じていたのです」

董卓は我を忘れ、その肥え太った手で貂蝉の肩を引き寄せました。

「よくぞ言った! この女子は、まさにわしにこそ相応しい!」

その時、貂蝉は王允の方を向き、一瞬だけ悲しげな、そしてどこか決意を秘めた表情を作りました。

「父上……私は、太師様にお仕えするのですか?」

王允は涙を拭うフリをして答えます。

「これぞ女の最高の幸せよ。さあ、太師様に従ってお行きなさい」

董卓は満足げに笑い、その夜のうちに貂蝉を自分の馬車に乗せ、自身の屋敷(郿塢)へと連れ去ってしまいました。

これを知った呂布は、血相を変えて王允の元へ怒鳴り込みます。

呂布「王允! 貂蝉を私にくれると言ったではないか! なぜ太師様に差し上げたのだ!」

王允はわざと困り果てた顔をして、呂布の前に膝をつきました。

「あぁ、将軍、お許しください! 太師様が『娘をひと目見たい』と仰るのでお見せしたところ、強引に奪っていかれたのです。私は必死に『これは呂布将軍の妻になる御方です』と申し上げたのですが……」

呂布「何だと……! 親父(董卓)め、私の妻と知っていながら奪ったというのか!」

王允の計算通り、呂布の心に激しい憎悪の火が灯りました。

一方で、董卓の腕の中に抱かれた貂蝉は、暗闇の中で静かに瞳を凝らします。

(これよりは、二人の英雄を弄ぶ修羅の道……。義父上、どうかご覧くださいませ)

こうして、一つの美女をめぐる「親子」の争いは、ついに修復不可能な段階へと進んでいくのでした。



董卓の屋敷に連れ去られた貂蝉は、日ごとに董卓の寵愛を独占していきました。しかし、彼女の心は常に冷徹な計算に満ちていました。

ある日、董卓が朝廷へ出かけ、最強の護衛である呂布が独り中庭で待機している時でした。奥殿の窓から、悲しげに月を見つめる貂蝉の姿が呂布の目に飛び込んできました。

呂布「貂蝉! そこにいるのか!」

呂布は周囲の目を盗み、庭園の奥にある 鳳儀亭 という東屋で彼女と密会します。

貂蝉は呂布の顔を見るなり、堰を切ったように涙を流し、その胸に飛び込みました。

貂蝉「あぁ、将軍……! 毎日、貴方様をお慕いして泣いておりました。しかし、あの老賊(董卓)は私を力ずくで奪い、辱めたのです。もう、私は貴方様の妻になる資格などございません……!」

呂布「おのれ董卓……! 私の婚約者と知りながら、何という非道を!」

貂蝉は、池の縁に駆け寄り、身を投げようとするフリをしました。

「せめて死んで、この身の汚れを清めさせてください!」

呂布「待て、早まるな!」

呂布が慌てて彼女を抱きしめた、その時です。

「貴様ら、そこで何をしているッ!」

雷鳴のような怒号が響き渡りました。予定より早く帰宅した董卓が、最愛の側室と、最も信頼していたはずの養子・呂布が抱き合っている光景を目撃したのです。

呂布は狼狽し、その場から逃げ出そうとしました。逆上した董卓は、呂布が置き忘れていた獲物――**方天画戟(ほうてんがげき)**を拾い上げ、全力で呂布の背中に向けて投げつけました!

呂布は間一髪でそれを避け、屋敷を飛び出しました。二人の絆は、この一本の戟(ほこ)と共に粉々に砕け散ったのです。

怒り狂って自室に戻った呂布の元へ、王允が密かに訪れます。

王允「将軍、顔色が悪いようですな。何かあったのですか?」

呂布「王允よ……! もはや我慢の限界だ。あの老賊(董卓)は、私の女を奪っただけでなく、この私を殺そうと戟を投げつけおった!」

王允は「何という事だ」と大げさに嘆き、呂布の耳元で最後の毒を注ぎました。

「将軍、董卓は既に理性を失っております。彼が生きている限り、貴方も貂蝉殿も、いつ殺されるか分かりませぬ。……いっそ、貴方の手で天下を救ってはみませんか?」

呂布の瞳に、鋭い殺意が宿りました。

「……応とも。天に代わって、あの男を討つ!」

数日後、長安の宮殿。皇帝からの「帝位を譲る」という偽の知らせに踊らされ、意気揚々と参内した董卓を待っていたのは、王允が伏せさせた兵たちと、そして愛する息子、呂布でした。

董卓「布(ふ)よ! 何をしている、早く賊を追い払え!」

呂布「詔(みことのり)である! 逆賊・董卓を討つ!」

閃いた方天画戟の一撃が、董卓の太い首を跳ね飛ばしました。

暴君の死。長安の民は歓喜し、王允は勝利を確信しました。

血に濡れた戦場から戻った呂布は、真っ先に貂蝉の元へと駆け寄ります。

呂布「貂蝉、終わったぞ! これで貴様は私のものだ!」

貂蝉は深く深く頭を下げ、誰にも見えぬところで、冷たい微笑みを浮かべました。

「……はい。将軍。私は、貴方様だけのものにございます」

その微笑みが、王允への忠義を成し遂げた安堵なのか、それとも、これから始まる新たな戦乱への予兆なのか、知る者は誰もいませんでした。


後編を見る






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.08.05 22:08:19
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: