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七詩さんComments
コメンターとは、いわゆる「コメンテーター」とは異なる概念で、ブログの進化に伴って出現した人種のことを指す。
広義には、ブログにコメントを寄せる人のことをも含有しているともいえるが、一般的には、自分ではブログを開設せず(若しくは更新せず)、もっぱら他所のブログにコメントする人のことを指す。別名 「穴掘り人」。
中には、特定の記事のコメント欄に住み着いて個人的な 「ブース」 のようなものを構築し、あたかもそこの主であるかのように振舞うコメンターも存在する。このようなコメント欄は 「コメント穴」 と呼ばれ、ここにコメントを投稿することを 「穴掘り」 などと称する。
その結果、このような人は、相手の退散をもって自己の勝利とみなし、勝利の雄たけびをあげ、次から次へと論敵を葬り去り、次から次へと勝利を重ねていくのである (むろん、彼にとってのことだけだが)。
議論というものは、陸上競技や競泳種目とは違って、時間や飛距離などの物理的尺度で客観的に勝ち負けを決めることは困難なものである。であるから、本人がそのことを自覚し、あるいは承認しない限り、決着がつかないものである。矛盾や撞着を指摘されても、面の皮が厚い人にとっては、「そんなのかんけーねー」 なのである。
こういう人たちは、いわば 「マトリックス」 の中の人のように、自分で自分にプラグをつけているのであり、すべての現実が彼自身にとって都合のいいように解釈されてしまうのである。であるから、このような人はけっして負けることがない、というよりも、正確にいうならば、「負け」 というものを認識できないのであり、まさにその意味において 「無敵」 なのである。
おそらく、今日もまた、このような人たちは、広大なウェブ空間のどこかで、「あなたの主張は論破されました」 と、勝利の凱歌をあげていることだろう。「君子危うきに近よらず」 という言葉があるが、できることならば、こういう人種とはあまり関わりたくないものである。
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