見知らん街ガイド_『パリ時代』と神戸生活日記

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神戸男

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2019.11.28
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カテゴリ: 日々の出来事
パリにいた頃。金もないのにヘビースモーカーだった。しかも並ではなかった。日本にいる時はたしか『ロングピース』を吸っていた。その前は『ショートピース』。
パリへ出掛けるようになって一番悩んだのは、航空会社でも北回りか南回りでもなく、煙草の銘柄を何をするかって事だった。悩みに悩んで、結局『ショートピース』を持って行く事になる。
 日本にいて、仕事がない日は朝から寝るまでスパスパスパスパ。軽く4箱は吸っていた。軽い煙草にすると100本に限りなく近くなってしまうので『ロングピース』にして本数を減らしていた。
『ショートピース』の100本は流石に辛い。
で、パリに行く時は『ショートピース』を200本と『キャメル』の両切りか『ラッキーストライク』の両切りを持って行っていた。ところが日本の煙草が癖のないバージニアブレンドが外国の煙草とは比べようのない程うまいものだと思い知らされる事となった。
『ラッキーストライク』や『キャメル』は結構うまい煙草だが、長い間吸っていると日本の煙草のうまさを思い知る。だから日本の煙草、特にフランスでは売っていないショートピースは出来るだけ温存して、わざわざアメリカ煙草を買って吸うこととなる。
 お金が少なくなってくるとアメリカ煙草は値段が高くて勿体ない気がして、フランス煙草のお安い銘柄を吸い始めるが、最初ははっきり言って美味しくない。不味くてたまらなかった。
 実は私は未成年での喫煙経験者で15才から煙草を吸っていた。
でも外では一切吸わなかったし、自分の部屋で家族の目をごまかして吸う程度で、煙草を吸うことが非行とは思っていなかった。でも非行を否定しても違法なのは確かだと理解はしていた。
 なぜフランスの安い銘柄は旨くないかというと、葉っぱが違う。日本の煙草の葉は、殆ど明るい茶色っぽい色をした、俗に『赤』と呼ばれる葉が多く、アメリカの『ラッキーストライク』や『キャメル』も同じ類に属するバージニアブレンドと呼ばれる物。但しそれぞれが独自のフレーバーがあって、多くの種類の煙草が作られている数だけ香りがあった。それに対して、フランスの安い銘柄の煙草は葉っぱが『黒』と言われる発酵した葉で、フランスの銘柄(実は決して安くはない)は味も香りもクセが強い。『ゴロワーズ』や『ジタン』はクセのある『黒』の葉っぱで、両切りやフィルター付。『ジタン』にはトウモロコシの葉を漉いた繊維で巻いた黄色い煙草もあった。
 ある日、日本人の友人に紹介されてフランス人の家を訪れたことがあった。和やかに話しが弾み、煙草を吸う許可を貰って『ジタン』を出すと、まだ肌寒い季節だったけど、部屋の窓を全開にされた。
これもフランスのエスプリっちゅうもんかい。何んて…。
 私の親父は、仕事先でアメリカの煙草をよく貰って来ていた。
ワンカートンを税関で貰ったと申告すればまずスタンプだけで無税で済んだ。だからアメリカの煙草には免疫があって、ロングピースが70円か80円の時にキャメルは280円もしたが、ほとんどタダの洋モクを吸っていた(未成年の分際で!)。もう親父は黄泉の国に居るので、お許しを。   
いざ買うとなると結構値段が高いアメリカ煙草だが、フランスでは更に値段が高く、貧乏旅行者にはとても手が出せる物ではなかった。で、安上がりにフランスの『ジタン』か『ゴロワーズ』という事になる。
値段は安いがクセの強い煙草で、ガキが煙草の吸い過ぎでリバースするように、いい大人が吸い過ぎで夜中に気分が悪くなったりもした。この頃からドイツで『セブンスター』を売っていて、厳密に言えば味は違っていたし、フランスでも販売されるようになったけど輸入煙草だから買おうと思わない値段だった
 お金が段々乏しくなってくると煙草を買うお金が惜しくなってくる。ところが既にゴロワーズで80本に達していたから何ともならない。しかも『ジタン』はまだしも『ゴロワーズ』の香りを嫌うフランス人が結構いて、俗に「労働階級の煙草」と呼ばれていた。
で、貧乏旅行者が辿り着いた苦肉の策がパイプ用の葉を紙で巻いて吸うことだ。
そこで見つけたのが「SO.CO.PI」。オートマチックに紙巻き煙草が出来、結構キレイに紙巻き煙草らしく巻けるのがうれしかった。
ところが本来パイプは煙を肺に入れない。葉巻もけむりを肺に入れない。元来、紙巻き煙草も煙を肺に入れず香りを楽しむ嗜好品だった。それを景気よくパカパカと煙を肺に入れる様になったらしい、そんな事とは知らずに貧乏旅行者はパイプ用の刻み葉を紙で巻いて煙を肺までパカパカ入れていた。そんな事していたからどんな葉でもどんとこいになってしまった。日本でこんなもの持ってたら「あんさん、妙なものに興味ありまんな。ちょっと話聞かせて貰いまひょ」なんてお巡りにいわれそうだが、私はそんなものに興味はない。フランスでもイギリスでも紙巻き煙草より税率の低い刻み煙草を買って、「リズラ」とか「ジグザグ」や、漢方に使われる『甘草』の繊維を用いた甘い香りの「リコリス」を用いて手巻きの煙草を楽しんでいた。
自分で手巻きした煙草なんて吸ってると、日本ではヤバ〜イ物でも吸ってる様な誤解を受けそうだけど、フランスでも日本でも何んの問題もない。で、手巻き煙草の紙を買ってパイプ用の刻んだ煙草を自分で巻いていた。「SO.CO.PI」は当時、29フラン50サンチーム。今はフランって単位はなく、フランスもユーロ。日本で「SO.CO.PI」は売ってないが、殆ど同じ物が「マスコット」の名前で売らっている。値段はインターネットで800円〜2400円とまばら。ノーブランド品なら、見た目は同じ機構のようで400円台と値段はまちまちだ。電子煙草が主流の世の中で、紙巻き煙草で煙を肺まで入れたい人には、パイプ用の刻みの葉っぱは少し訓練が必要だけど、安上がりかも。どちらにしても体には悪い。
 人間辞めますか?。煙草辞めますか?





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Last updated  2019.11.30 08:48:03
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