見知らん街ガイド_『パリ時代』と神戸生活日記

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リュウちゃん6796 @ Re:東京パンデミック。違った!、オリンピックだ!。(06/26) 初めまして、 奈良の法隆寺の傍に住んでい…
2020.01.29
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カテゴリ: 日々の出来事
フランスにいた時、『ムール・マリニエール(ムール貝の白ワイン蒸し)』を好んで食べていた。
お値段もお安く、とにかくボリュームがあって、たらふく食べた気になっていた。
でも、ちょっと気になったのが「これって、カラス貝じゃない?」って疑問。
いまならネットでチョチョイって検索かければ結果が得られるけど1970年代にネットなんてなかったし、パーソナルコンピューターなんて、スティーブ・ジョブズがガレージでAPPLE Ⅰを作ったのが1976年だから、まだ影も形もない時分。
で、出された『ムール・マリニエール』を見て驚いた。大きな器にとんでもない量のカラス貝が盛られていた。はじめは「アァ、失敗した」って、あまり積極的に食べようとは思わなかったのに、一口食べて眼からウロコがボロボロこぼれ落ちた。
まぁ、お腹が空いていた事もあってだけど、一発ではまってしまった。

 小学生の頃。私が住んでいた神戸市灘区は国道2号線が海岸近くを東西に通っていて、その南側には灘五郷のひとつ灘郷の酒蔵が軒を連ね、海岸筋には小さな漁港があった。私の通っていた小学校のクラスメイトに漁師の息子や娘が何人か居て、友達の家に遊びに行くと家の前に波止があり、何隻もの小さな漁船が係留されていて、友達はその船から幾つかのバケツを降ろしていた。そのバケツの中には黒々としたカラス貝が山盛り入っていた。
「どうするンや、このカラス貝?」と、私がたずねると

絶句してしまった。
ヒョイと波止の岸壁を見るとピチャピチャと潮が洗う辺りにカラス貝がびっしりとついていて、漁船を係留する舫いにもカラス貝が固まって付いていた。知識がないので驚いてしまう。カラス貝を食べるとは思ってもみなかったからで、その思い出が頭の隅にズーッとこびりついていた。

 今では眼の前の『ムール・マリニエール』に垂涎の想い。たまに無性に食べたくなるけど、フランス料理店では馬鹿高い料金を取られるので、冷凍のムール貝を買ってきて、自分でワイン蒸しにしている。
フランスでは、食べたムール貝の貝殻をトングのように使って、ムール貝の身だけを上手く摘まんで食べていたが、日本では殻付きのムール貝が中々手に入らないし、フランス料理に使われている事が知れ渡った頃から、ただでさえ手に入りにくい殻付きの活けのムール貝の値段は「馬鹿野郎!」て怒鳴りたくなるほど高騰し、入手しがたい物になっていた。
 ムール貝は『ムラサキイガイ』という貝で、カラス貝もムラサキイガイ。国内では70年代に食材として流通していなかったと思う。またイガイにはムラサキイガイ、ミドリイガイ等の種類があって、いち時期流行った『パーナ貝』はモエギイガイの事。イガイにしても牡蛎にしてもあまり綺麗な水域に生息していない貝で、貝毒もあったりするので、「カラス貝はムール貝」なんだと、自分で採って食べたりしない方が安全だろう。くれぐれも。
 ちなみにフランスのブロン種の牡蛎は1970年代に激減。日本からマガキを輸入して養殖するようになって以来、フランスの牡蛎の相当量は日本のマガキ由来の牡蛎となったそ〜な。
 『日本ちょっとだけ昔話』より。





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Last updated  2020.03.07 04:17:39
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