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私には自慢の叔母が居る。私の母が長い間入院生活をして居た為、その妹に当たる叔母が未だ幼かった私達の世話をしてくれたのだが、そんな事も手伝って婚期を逃してしまった。逃した序に身軽な侭、心配しても顔に出さない祖母を残してぽんと船に乗ってインドに渡り、そこから列車を乗り継いで欧州を放浪、たまに絵葉書が来る程度で、彼女が一体何時戻って来るのか誰も分からぬ侭1年半過ぎた。そうしてぶらりと戻って来た彼女の話と写真の数々を、未だ不安や自己に対する疑心暗鬼の殻に閉じ篭っていたティーンの私は、恐る恐る且つ貪欲に吸収したのであった。今から思えば、暫く続いた自己内通奏低音「何時か日本を出てやる!」には「私も」と言う冠詞が付いて居たのだ。その叔母は今でも独身で、その個性の強さを頑固と一蹴して見下す親族もあるのは実に悲しい事だが、彼女の思い込みの激しさに言葉を返すのは確かに大変な労を要する。一度、父に手作りのブラウニーをバレンタインデーに贈ったのだが、それを試食した叔母が「洋菓子がこんなに上手く作れるなら和菓子も作りなさい」と言って、和菓子の本を送って来た。買い被られて嬉しく無いと言えば嘘だが、「作りなさい」と言われても餅米を始めとして、ありとあらゆる餅に必要な粉に欠ける国に住んで居るのである。然し、その「和菓子入門」を眺めているだけで、すっかり忘れていた懐かしい味が喉と舌と脳を刺激し、これなら作れるかな?上新粉の代わりに何が使えるかな?等と考えて居るだけで日がつつつと移動してしまったりする。秋田県産もち米100%使用【秋田白玉】純白玉粉 150g価格:294円(税込、送料別) まずはお手軽な白玉粉から購入してみようと思い、楽天で最近始まった海外配送で頼んでみた。が、もう一度本を読み直せば上用粉も要ると言う。これで又作らない理由が出来たかと思いきや、石を投げれば確率で「レンジで簡単生八ツ橋」レシピが検索で当たり、その中に白玉粉のみを使う物もあった。雑な性格そのまま、白玉粉も前以て玉が無くなる迄混ぜずにレンジに入れてしまい、熱した後混ぜる時に非常に苦労をしたが、それでも結構薄く延ばす事が出来、目出度く今日の珈琲にはニッキ生八つ橋をお供に、否、八つ橋のお供に珈琲を飲む事と相成った。さて、「八つ橋作りました」証拠写真を絵葉書にして叔母に送ろうと思って居た矢先、今度は私が9歳の頃描いたと言う大きな絵を送って来て「額に入れて飾りなさい。貴女は総合芸術を目指すべきです。オペラは書いてますか?」とある。この人生中、何度も何度も繰り返しお世話になって居る叔母への、何かしらの恩返しが出来るものならしたいのだが、叔母様、オペラは後百度生まれ変わっても無理です。済みません…。
2011/01/28
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インドの水牛バター「ギー」を植物油で再現したパーム油GABAN ギャバン ベジタブル ギー 食...価格:525円(税込、送料別)NHKニュースのポッドキャストを聴いていると毎日「寒いですねぇ…」と繰り返されている。オーストリアの子供達に「日本では何メートルも雪が積もるので、二階に冬用の出入口があったりするんだよ」と言うのだが、誰も信じてくれない。然し、寒くて天気が鈍重な日が続くと言う意味では、オーストリアは負けないかも知れない。10月頃には氷点下になり始め、その状態が4月迄続く事もある。要するに半年は冬なのである。 乾燥糸こんにゃく (25g×10)価格:500円(税込、送料別)そんなオーストリアの冬に於いて恋しきは鍋料理。「小鍋立てしませう」等と粋な事を言ってさっと土鍋でも出してほくほくしてみたいのである。当然、こんな田舎では渋い和風土鍋等売っている筈も無い。日本を離れて20年以上にもなるが、未だに土鍋の一つも持ちあわせて居なかった。先日スーパーでフォンデューセットがたったの15ユーロ(1700円程度?)で売られて居て衝動買い。その鍋が陶器だったので、吾が衝動にも弾みが付いた。大きさは丁度、日本の旅館で一人用の鍋として出される程の物で、夫の居ない寂しく寒い夜を、様々な食材と一つ一つ向き合い語り合いながら過ごすには最適である。しょっつるの代わりにアジアショップで入手したナンプラーでまがい物しょっつる鍋、 楽天海外配送で注文した乾燥糸蒟蒻を使ったすき焼…と、鍋料理を一人楽しんで居ると、夫が折角だから二人で鍋を囲もうよぉと恨めし気に言う。いきなりしょっつる鍋や生卵を使うすき焼では嫌がるだろうと思い、オーストリアで一番オーソドックスな「パーム油鍋」にする事にした。これは思った程難しく無く、ソースもほんの少しの手間も惜しまなければ、市販の物を使うよりずっと美味しい物が出来る。このソースのレシピをお姑さんに訊ねていると「あなた達、何か祝う事でもあるの?」と逆に尋ねられた。そう、オーストリアでは鍋料理は祝い料理なのである。 この重苦しく長い冬さえ無ければオーストリアを愛していると言っても構わないと想う程、私の心中で重荷になって居る半年の内、何故もっと頻繁に「小鍋立て」をしないのか理解に苦しむ。彼等にとっては「小鍋」では無く、鍋は家族大勢が揃った時の「大鍋・大御馳走」なのだ。ああ、勿体無い勿体無い…と言いつつ、私は一人今夜も小鍋を突付くのである。 因みに、パーム油鍋のレシピ(という程の事も無いが)を掲載しましたので、興味のある方はご参考下さい。油で鍋?と思われる方も多いと想いますが、結構胃もたれがしない不思議な鍋です。特に野菜類が美味しかった!「パーム油鍋 ソース・レシピ付き」はコチラ
2011/01/27
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