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10年前、離婚の覚悟をしに里帰りした事がありました。遠いアルプスの麓・オーストリアでたった一人になるなんて…と、大反対だった母親が、遂に理解してくれて、「これなら経済的にも助かるから」とシャトルシェフを持たせてくれました。…いわゆる「離婚祝い」です。シャトルシェフを手荷物として機内に持ち込めず、オーストリアに着いてみたらパッキングが壊れてしまっていました。遂に離婚、やっと新しい部屋に移ったと思ったら自動車事故。そんな事も重なって、ゆっくりシャトルシェフで料理する心の余裕がありませんでした。4年後のある日、下の階に住んでいる好青年とゆっくり話す機会があり、カレーをご馳走する約束をしました。「そうだ、煮込み用の不思議な鍋を使ってみよう…」改めて母に電話で使用法を尋ね、ルーも使わずチキンカレーに挑戦。「放って置いて良いのよ」との母の言葉をしっかり信じて、保温調理器に入れてから一度も中を覗きませんでした。「昨日元彼女に会ったけど、何も起こらなかったよ。今、新しい人がいるんだって言ったんだ」と彼。怖々シャトルシェフを開けてみたら…まぁ、なんといい感じ!鶏肉はフォークで崩せるし、カレールーはレストランの色と味。これには自分でもびっくりしました。更に喜んでくれたのが彼。「インド人の同僚が作ってくれたチキンカレーと同じ味だ!」それ以来二人の仲はどんどん近付いて…今では夫婦。私にとってシャトルシェフは縁結びの神様のような存在なのです。
2007/01/15
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