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2012.01.30
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カテゴリ: 小説
5 犬は歩いて棒に当らない

 犬も歩けば棒にあたる、はひどすぎる冗談だ
 猫に小判、豚に真珠なら理解できる。猿も木から落ちるだってあり得ることだ、豚もおだてりゃ木に登るもあるかもしれない、でも、犬は歩いていて棒に当ったのを見た人がいますか。
 犬の遠吠え、警察のイヌになりさがる、お前は犬かガツガツしやがって、人間言葉を聞けば解ること、本当は犬を馬鹿にしてるんだぜ!  
 ポンコは最早、いい子ぶりっこから完全に逸脱していた。人間の慰み者ではなく一匹の犬としてプライドを持って生活をしていた。そんな反抗的な態度に、順造も聖子も業を煮やしていた。
 引き摺るように散歩させられ、「ううぅ!」と、唸れば、頭を棒で叩かれる。 ポンコも復讐、報復のつもりで、意地になって困らせてやろうと行動した。
「全くこの犬は、どうしようもない駄犬だわ」
「磯野家にふさわしい犬じゃないのよ!」
 今や、ポンコと磯野家は憎しみ合いながら生活していた。人間に媚びを売り、完全に制圧されている振りをすれば人間は可愛い可愛いと頭を撫ぜて、餌をくれるが、犬が犬らしく生活しようとした途端、犬は邪魔者にされる。

「最近、目付きも悪いし、尻尾も振らないな」
「犬らしくもない、言うこと聞かない犬なんか、犬じゃないわ」
「言うことを聞くから犬なんだからな、保健所だな」
「いやいや、お母さん、お父さん、ポンコは手術をされて、心が痛んでるんだわ、そのうちきっといい子になるから保健所は止めて、だって殺されちゃうんでしょ」
「しかたないでしょ、犬畜生なんだから」ポンコは磯野家の残虐な計略をじっときいていた。
 憎悪の眼差しをむける、順造と聖子を無視して、不貞腐れている。
「見て、あの態度、とても家族なんかじゃないわよ」桃子は涙をいっぱいためて、ポンコの横に座った。
「ごめんねポンコ、でも大丈夫桃子が保健所になんか、絶対連れて行かせないから、桃子はポンコが大好きだから」そういって、頭を撫ぜる。
 ポンコは桃子の優しさに負けそうになる。ペロッと、桃子の頬を舐める。

つづく

作:朽木一空


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最終更新日  2012.01.30 10:28:44
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