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2014.01.17
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カテゴリ: 小説
能面.jpg



 転勤のため鳥取に出発する数日前、私は帰宅する岡田部長の後をつけ、彼が行きつけのバーに入るのを確認した後、光速メガネを使ってそのバーの中を滅茶苦茶に破壊した。さらにその翌日、岡田部長が社長室にいるときに、またもや光速メガネを使って、社長秘書を半裸にして彼に抱かせた。
 その結果は語らずとも、誰にでも想像出来るはずである。こうして会社や世間の目を岡田部長に向け、私は悠々と鳥取に向かうことになった。

 鳥取に着くと、まずは姉の住んでいる実家へ行ったのだが、姉は私の顔を見た途端に驚愕の叫び声をあげた。
 「キャーッ! ほんとにタカちゃんなの。一体どうしたと言うのその顔は!」
 私はすぐに洗面所に行き、鏡に写った自分の顔を見て、姉以上に驚いてしまった。
 なんと頭は真っ白。顔には醜く大きなシミと皺が広がり、たるんだ瞼が目を覆っている。これではまるで百歳の老人そのものではないか。私はショックの余り、気が遠くなりそのまま洗面所に倒れてしまった。

 気が付くと、実家の寝室に寝かされており、姉が心配そうに私の顔を見詰めている。あえて目を開けず、床の中で冷静になって考えると、なぜこのような状態になってしまったのかが分かるような気がした。
 もしかすると、あの光速メガネの超光速モードを多用したことが原因に違いない。つまり移動時間を急速に進めてしまった結果、自分自身の体内時間が何百倍も急速に進んで、一気に老人になってしまったのだろう。



(完)

作:河村 道玄

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最終更新日  2014.01.18 18:12:42
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