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2014.05.08
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軍人将棋.jpg


 この軍人将棋は、駒の全てが軍隊に因んだ名前で構成されている。駒の種類は16種で、大将、中将、少将、大佐、中佐、少佐、大尉、中尉、少尉、飛行機、タンク、騎兵、工兵、スパイ、地雷と分類されており、それぞれの駒には強さが設定されているのである。つまり大将は中将以下の駒より強いが、スパイと地雷だけには負ける。また地雷は動けないが、工兵以外の全ての駒より強い。といった具合である。

 だから通常はその駒が何なのか相手に分からないように、名前の書いてある面を裏にして相手の陣地に侵略してゆく。そして駒と駒がぶつかったときに、どちらが勝ったのかを判定する審判が必要となるのである。従って公正に勝負を続けるためには三人が必要となるのだ。
 対戦者同士はそれぞれ自分の駒だけは分かっているから、例えば「中佐が負けたのだから相手のその駒は、大佐以上なのだな」と推測する。そしてはったりなども飛び交い、プレイヤー同士の心の読み合いが始まるのである。

 見つかると大人たちに叱られるのだが、しげちゃんの部屋へは、いつも崩れ落ちそうなトタン屋根を伝って行った。だからしげちゃんちのおじさんが二階に上がってきそうになると、急いで屋根を伝って自分の家に逃げ帰ったものである。この時は屋根がメリメリと音を立て、本当に崩れ落ちそうで怖かった。いつもそうした恐ろしさを胸に抱きながらも、一向にこのボロ屋根伝いはやめないのだから困ったものである。

 しげちゃんとは何度やっても軍人将棋では勝てなかった。それは当然であろう。緻密な作戦としたたかな戦略が必要なこのゲームにおいては、幼児期の一歳の違いはかなり大きく影響するからである。それでも懲りずに何度も何度も挑戦しては敗れた。
 ある日けんちゃんが不在で、無理やりしげちゃんと二人で勝負したことがある。結局交代で審判役をすることになったのだが、その判定の瞬間一方的に駒情報がバレることになるし、自分のほうが負けていても、嘘の判定をして勝ったりで滅茶苦茶だった。
 そしてこれを機に、軍人将棋に興ざめしてしまい。いつとはなくこのゲームをすることもなくなってしまったのである。




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最終更新日  2014.05.08 19:05:03
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