ネット文芸館 木洩れ日の里

ネット文芸館 木洩れ日の里

PR

×

コメント新着

朽木一空と五林寺隆 @ Re:新宿に熊怖い(06/16) 笑左衛門さんへ 新宿、渋谷、池袋、銀座…
笑左衛門 @ 新宿に熊怖い ユニークな画像でびっくりしました。新宿…
イラン攻撃@ Re:時の家(03/05) イラン攻撃については、 0896240183 をど…
日差し@ Re:万作の花(02/22) 日差しの知りたいことは、0896244450 か…
聖書預言@ Re:置き爺(11/25) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

このサイトに掲載している「文章と絵手紙画像の著作権」は、当サイト管理人に帰属しています。従って、無断で転載することをお断りします。

2014.10.13
XML
カテゴリ: 小説
トランプ2.jpg


 お風呂は4、5人が定員のこじんまりした家族風呂、今でいう貸切風呂が二つあるだけでしたが、天然ヒバの香りのする浴槽が旅情を掻き立ててくれました。風呂から上がって、浴衣に着替えて離れにある食事処で生まれて初めて鹿のすき焼きを食べたのですが、意外にクセがなく柔らかくて美味しかった記憶が残っています。

 午後7時半頃に部屋に戻りましたが、もちろんテレビもないし、なんとなく淋しいような退屈感を抱いてしまいました。こんな調子で4日間もここで過ごせるのだろうか。ふとそんな気持ちになりかけた時、トントンと部屋の扉を叩く音がしたのです。中居さんかと思って、私が「はいどうぞ」と大声で答えると、扉が開いて男の人が入ってきたのでびっくりしました。

 思わず大声を出しそうになったのですが、顔を見ると真面目そうな若い男性で、申し訳なさそうにモジモジとしています。
 それで立ち上がって「何でしょうか」と話しかけると、彼は恥ずかしそうにボソボソと答えました。
「実は友達と二人で隣の部屋に泊まっているのですが、何にもすることがなく退屈で仕方がありません。そんな時にたまたま食事処の近くで、貴女方を見かけました。それで勇気を出して声を掛けてみようと言うことになり、ジャンケンに負けた僕が伺った次第です。すみません・・・。御迷惑でなければ4人でトランプでもやりませんか。」

 私も退屈していたし、この誠実そうな青年にも興味を持ってしまいました。それであきちゃんの顔を見て同意を促したのですが、彼女は余り気のりしない雰囲気を漂わせています。それでも正面切って嫌だとは言いません。それで私が「トランプ1回だけだから、良いよね、あきちゃん。ねっ、ねっ!」と無理やりOKさせてしまったのです。

 はじめに部屋に来たおとなしそうな青年の名前は高山正樹といい、後から来た明るく鞭撻な青年が浅川正輝という名前でした。漢字は異なるものの、二人とも「ま・さ・き」という名なのだと笑っていました。そして二人とも大学2年生、高校からの親友同士で毎年正月には必ず二人で旅に出るらしい。年下かと思っていたのですが、同い年と分かって何となく嬉しくなってしまいました。


 しかし気付くともう12時近くになっていました。それで明日からは4人一緒に行動しよう、ということにして、その夜はお開きにすることになったのでした。


(次回につづく)

作:湯川和泉

※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。
またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。
にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.10.17 13:03:58
コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: