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最近の子供たちは親以外とはめったに外に出てこない。たまに外で遊んでいるのはほとんど男子で、女子は家の中で何をしているのかは全く分からない。そして外で遊んでいる男子たちを見ても、たまにスケボーに乗っているか、2~3人で任天堂のスイッチかカードゲームで遊んでいるばかりである。そもそもゲームは家の中でやるものだが、最近は母親たちがよその子供を家の中に入れるのを嫌がっているため、男子たちは軒下や路上で寝そべってゲームに夢中になっているのだ。いゃー服が汚れちゃうことなんて全く気にしていない男子たち。だからますます母親たちは、よその子を家に入れないんだね。
ところがひろし君たちの時代には、 ベーゴマやメンコはもちろんのこと、缶蹴り、手つなぎ鬼、石けり、丸飛び、ゴム飛び、縄跳び、ポコペン、忍び足、エスカン、下駄隠し、三角ベース、縄跳び、虫取り、ゴム飛行機、凧あげ、まり遊び など数えきれないほどの室外遊びがあった。 さらにそれに加えて、 あやとり、お手玉、飴の紙、ビー玉、おはじき、双六、将棋、五目並べ、反対信号、リンゴの皮むき、ハンケチ落とし などの室内遊びもあったが、どちらかと言えば女子向きの遊びが多く、ひろし君たち男子はほとんど外遊びに熱中していた。
それにしてもなぜ今の子供たちの遊びは貧弱になってしまったのだろうか。その理由のひとつには現代の車社会が挙げられる。ひろし君の時代には、自家用車は珍しく、車と言えばバスかタクシーで、しかもスピードが余り出ない代物ばかり。だから子供たちも安心して外遊びが出来たのである。それに加えてどこにでも存在した空き地で、誰でも遊ぶことが出来た。現代の首都圏では空き地そのものが殆どなく、たまに見つけても敷地内には入れないようにロープなどで囲われている。
さらに学習塾や習い事に通う子供ばかりで、彼らは遊んでいる暇がないのだ。実に気の毒ではないか。そして精巧なゲーム機の登場により、今までの遊びが一挙に陳腐化してしまったのである。 最近のゲーム機の性能もゲームの内容も圧倒的に素晴らしい。もしひろし君の時代にこんなゲーム機があったら、きっと彼等もゲーム機の虜になり、別の遊びには振り向きもしなかったはずだ。それにしても文明の発達とは恐ろしいものである。それは人の行動さえも変形し限定してしまう諸刃の剣なのであろうか。
作:五林寺隆