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2023.10.31
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カテゴリ: エッセイ


 今年は全国でクマによる被害が多発しており、なんと人的被害は過去最多の160人に上っている。それも山間部だけではなく人里どころか、住居内まで侵入するクマもいるのだ。さらには近年になって、すでに絶滅したと言われていた九州や伊豆半島でもクマが出没しているのだから驚きである。
 ではなぜ年々クマが大量出没するようになったのだろうか。その主な原因とは、餌となる木の実の不作に加えて、クマの生息域の拡大と個体数の増加だと言われている。ただ木の実の不作は気候変動などが原因となるため予測ができない。だが生息域の拡大は、人口減などにより耕作放棄地が増えたためであり、個体数の増加は、マタギと呼ばれる猟師が激減したことが原因であろう。

 そもそもクマは体に似合わず小心者であったはずなのだが、もはやそれは昔の常識であり現代のクマは、鈴の音程度には全く驚かない。また本来は草食だったのに、一度肉の味を覚えると家畜を襲ったり、最終的には人食い熊に変貌してしまう恐ろしさもある。OSO18と呼ばれたヒグマは、その典型ではないだろうか。
 少なくとも30年前頃は、クマに遭遇するのは早朝の山野くらいであった。それがだんだん、白昼堂々と地方の国道や人里に現れはじめ、いつの間にか東京都の奥多摩や神奈川県の丹沢などにも頻繁に出没するようになってしまった。挙句は人家の中にまで侵入するようになってしまったのである。もちろんこの現象は、クマだけではなく猿やイノシシも同様である。

  いずれにせよ、農園や牧場などで被害を受けた方、これらの危険動物に襲われて怪我をしたり命を失った方々には、心からお悔やみ申し上げます。それなのに被害を与えたクマを駆除したら、一部の動物愛護論者から役所宛に、がなり立てるようなクレーム電話が鳴り止まなかったそうだ。
 もちろんやみくもに動物を殺傷するのはよくないが、人が生活できなくなるレベルの被害を受けたら駆除するしかないではないか。それは人に害を与えていないクジラの捕鯨とは全く別物である。こうした極端な動物愛護論者は、もし自分の家にクマやイノシシ猿などが侵入し家族が大被害を受けても、家族より動物のほうが大切と言い切れるのだろうか。

​作:五林寺隆 ​

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最終更新日  2023.10.31 10:41:38
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