レフティーの休日

レフティーの休日

2011.05.07
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監督 鎌仲ひとみ

瀬戸内海に浮かぶ山口県祝島。1982年その対岸に原発建設計画が持ち上がった。
「生物多様性のホットスポット」と呼ばれる豊な漁場を守る島民の反対運動を描くドキュメンタリー。
核問題に詳しい鎌仲ひとみ監督の核問題三部作の3作目。

豊な自然の恵みを最大限活かして、自活の道を探ろうとする島民の力強い姿。
反対運動だけでなく、そんな島民の取組みを中心に描かれている。
また、大手電力会社に頼らないエネルギーの自給自足、自然エネルギー活用の道を探り、
2020年までに脱化石燃料を目指すスウェーデンの現状も紹介していく。

抵抗する島民への中国電力の落とし文句、

まさに、日本が今まで地方で行ってきた危険施設誘致の殺し文句。
地方の犠牲の上に成り立つ日本のエネルギーの現実。
都会の豊な暮らしの影で、豊な自然とそこに住む人々の暮らしを破壊し続けている現実がそこにある。

どんなに島民が抵抗しても多勢に無勢。開発は着々を進んでいく。
反対運動の中心人物が、それでも反対運動を続ける意味を語った。
「島の人達だけで原発計画つぶすっていうことは絶対できんって。だけど、引き延ばすことは出来るぞって。
 こちらができるだけ引き延ばしている間に、社会情勢がどんどん変わってきて、
 原発がもう必要ないような世界になってくれればいいし、...(中略)
 祝島の役割というのは、上関の原発の計画をとにかく1日でも長く引っ張っていくという役割しかない。」

そして奇しくも東日本大震災が起きて、社会情勢が大きく変わることになる。
もちろんこの作品は震災以前に完成している。


やはり、今は転換の時なのだと思う。
たしかにエネルギーの問題は深刻だ。電気が無ければ生活は成り立たない。
しかし、化石燃料も鉱山資源もいつかは底を突く。
だからこそ、今から次の手段を探すことが大事なのでは。
確かに今はリーズナブルなのかもしれない。

しかし、一度事故が起きれば、
見えない放射線とのいつ終るとも知れない、つらく長い闘いが続く。
それでもやはり続けるのか。

島民は闇雲に反対するだけではなく、エネルギーも含めた自活の道を探り始めた。
他の国でも少しずつ動き始めている。
とにかくやってみることだと思う。
そんな一歩を踏み出すための勇気をくれるような作品だった。

公式サイト

ミツバチ





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Last updated  2012.01.25 23:11:56
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