ひなたぼっこルーム

2006年07月20日
XML
カテゴリ: 音楽
日曜日、月曜日と続けてコンサートに行ってきた。

ひとつは80年バリバリのビッグヘアーヘビーメタル。ポイズンとシンデレラ。
ポイズンは最近VH1などにもちょくちょく出ているし新しくアルバムも出したようだがシンデレラは80年代に出した2枚か3枚のアルバムだけをひっさげてのコンサートだった。私の大好きなボンジョビも同時期に大成功したバンドだが、彼らの勢力は衰えるどころか年々また新しいファンを獲得しているように思える。別にポイズンやシンデレラがよくない、とは言わない。(だって、大好きだったんだもん。苦笑)コンサートも楽しく、友人とも「懐かしいねぇ~~~。」と叫びながらのショーだったので悪くはなかったのだ。

ただ、今回、過去の栄光にしがみついてツアーをしているバンドと30年以上も音楽を続けながら、過去を振り返らず今を歌い続けているバンドを続けて見てしまったものだから、大好きなバンド達とは言え、日記に記しておくのは翌日に行ったコンサートのことになる。

月曜日、コンサートは私の大好きなレッドロックス
red rocks from top.jpg

で行われた。(赤い岩に囲まれた野外コンサート場)
ツアータイトルは「フリーダムオブスピーチ」(言論の自由)。
そして、このツアーを行っているのが「Crosby, Stills,Nush and Young」(クロスビー、スティルズ、ナッシュ、アンド ヤング)。
くどいバンド名(!)なのでほとんどの人が「CSN&Y」(シーエスエヌアンドワイ)と頭文字だけをとって短縮して呼ぶこのバンド、活動はかれこれもう、少なくとも30年以上にさかのぼる。私はこのバンドの曲といえばラジオのクラッシックロックステーションでかかる曲くらいしか知らなかったがヤング(二ールヤング)のソロアルバムは何枚か持っているくらい好きなアーティストだったし、「CSN」のツアーは何度か過去にもあったが、「CSN&Y」のツアーは滅多にないらしく、しかも、だんなのコネのおかげでただのチケットが手に入ったこともあったので喜んでこのショーを見に行くことにした。

だんなと、だんなの兄のフィル、そして彼らのバーで働いてくれているケンドルの4人でレッドロックスに向かった。相変わらずコロラドの気候はコロコロ変わる。レッドロックスに着く頃にはカラッカラの真夏のような気候から、どんよりとした雲が広がり、風が強く吹き荒れていた。私たちはもう、何度も夏のレッドロックスでのコンサートを体験しているから、おかまいなしだ。みんな、ちゃんとバックパックをぶら下げ、(バックパックの中にはタオルや着替え、ビニール袋、雨合羽などがぎっしり入っている。)モクモクとコンサート場へと向かった。みんな、心の中では「どうか、ひどい雨になりませんように。」と祈ってはいたのだが。

ショーは時間より少し遅れて始まった。
私はニールヤングが新しいアルバムを作っていたことなんて、知らなかったのだ。
オープニングの曲は「Flag of Freedom」。ステージに立っている「CSN&Y」は少なくとも、もう、60歳中頃だと言うのにこの4人が奏でるギターやコーラスはそんじょそこらの若造グループなんかが立ち向かえるものではない。ショーはどんどん進んでいき、「Living with war」と言う曲を彼らが演奏し始めた時、後ろのスクリーンに映し出された映像を私もだんなはもちろん、観客の全てがきっと、吸い込まれたかのように見つめたことだと思う。

スクリーンにはCNN(アメリカの政治ニュース番組)をもじり、代わりに「Living with War」の頭文字をとってLWWとロゴが入り、CNNが放送するような「いかにアメリカが大切な戦争をしているのか。」といった現像ではなく「2006年6月までに何人のアメリカ人が戦争で命を落としたのか。」という、反戦を強調した映像だったのである。60年後半に生まれたこのバンドのことだから、多少はメッセージ色の強いコンサートであろうとは思っていたが、このスクリーンには驚かされた。しかも、このメッセージ色はショーが進むと同時にどんどん強まっていったのである。
ファーストセットが終わる前に彼らが演奏した「Families」ではスクリーンに戦争で命を落としていった数々の兵隊達の写真が映され、曲の素晴らしさも手伝って、みんな涙ぐんでしまうほどだったのだ。「Deja vu」で一旦幕が下り、ナッシュが「次はアコースティックだよ!」と叫んで立ち去った。私たちは「彼らも年だし、セカンドセットはやっぱりちょっとゆっくりしたいのかな。」なんて失礼なことを言いながらも、ファーストセットの素晴らしさを語り合ってセカンドセットが始まるのを待った。

「Helplessly hoping」の見事なコーラスでセカンドセットは幕を開けた。ナッシュが言ったとおり、きれいなバラードが続く。「Our House」でニールヤングが切なく、けれど美しく歌う。

“僕達の家-2匹の猫が庭にいる

とっても、とっても素敵な家だ。

人生って辛い事ばかりだった。

今は全てがうまくいっている。

「君」のおかげで。。。。”

だんなが私の肩を抱き、そっとこの歌詞を口ずさんでくれた時、涙がポロポロこぼれ落ちた。

「Milky way」が終わったあたりから彼らはまた、ファーストセットと同じくらい、もしくはもっとパワフルな演奏を続けることになる。

ニールヤングは、怒っていた。

彼のアルバム「Living With War」は今現在起こっている、無駄な戦争と大統領に対する反戦歌だった。

特に観客の目を釘付けにしたのが「Let's impeach the president」(大統領を弾刻しよう)だった。左右のスクリーンにはこの曲の歌詞が現れ、真ん中のスクリーンにはブッシュ大統領が言った数々の嘘が流れた。

“嘘をつく大統領を弾刻しよう。

迷った戦争へとこの国を導き

我々が彼に与えた全ての権力を悪用し、

我々の金を全て無駄に使いきってしまう、この大統領を。”

うへぇ~~、すっごい事言ってるよ、こんなこと言うのはパンクロックくらいかと思っていたのに。すっごい度胸。。。。私はこんな反戦歌、反大統領の歌を歌っている、この、老人ロックをかっこよく思った。

彼らは怒っていた。

自分達の政治がボロボロになっていくことに。

自分達の国が、ボロボロになっていくことに。

こうしているうちにも、無意味に命がなくなっていくことに。

そして、その「命」はアメリカ人だけのものではなく、イラクに住む、か弱い女、子供、そして、真面目に生活を営もうとする「命」でもあるということに。

そして、彼らはもっと怒っていた。

その国の誰一人としてミュージシャンが立ち上がることもなく、今の政治をファンに問いかけようともしていないことに。

若いミュージシャン達はみんな、リアリティーショーだのなんだのにおおわらわで、音楽に隠されたパワフルなメッセージを疎んじるようなこの時代に。

「どうしてみんな、黙ってるんだ?どうして誰も立ち上がらないんだ?一体君達はそれでいいのかい?」

ビール腹をかかえた、4人の初老達が叫ぶ。

「大統領を弾刻しよう。」

それだけではない。

「平和」

を求め、「愛」を歌う。

素晴らしい。

凄すぎる。

こんなバンドがまだ、この世の中に堂々と胸を張ってコンサートを行っているだなんて。

レッドロックスは曲ごとに気候を変えた。
「Families」を歌っていた頃、ポツリ、ポツリと少し雨が降った。
私には亡くなっていった兵隊さん達がこの曲を聞きながら無念の涙を流しているように思えた。
「Let's impeach the president」では力強い風が吹き、この曲を応援しているかのようだった。

翌日、私はレコード屋さんへと向かい、早速ニールヤングの「Living with war」のCDを手にし、ついでにブルーススプリングスティーンの新作も買うことにした。久しぶりに、音楽を買いたい、と思わせてくれた、音楽の強さを再確認できた夜だった。

「言論の自由」

ツアーのタイトルはこれだった。

ニールヤングとCSNはミサイルや銃を使わずに、言葉ひとつだけで戦いに挑んだ。私も少しながら参加したい、とCDを片手に次に私ができることを考え始めている。。。

(参照:http://www.neilyoung.com/lwwtoday/index.html
    http://www.neilyoung.com/lwwtoday/lwwvideomenu.html )









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年07月20日 16時25分18秒
コメント(4) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: