まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.02.19
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一般に、
「ロシア選手にはドーピングがつきもの」というイメージがあります。

しかしながら、
エテリ門下の女子フィギュアにかんしては、
これまでドーピング問題が浮上したことはありませんでした。

メドベージェワも、ザギトワも、
コストルナヤも、トゥルソワも、シェルバコワも、
人間離れした演技で驚異的な実績を上げてきましたが、
薬物の使用を疑われたことはありません。



前の記事の繰り返しになりますが、
今回の騒動は、きわめて不自然な経緯をたどっています。


その結果判定がなぜか遅れに遅れ、
よりによって、オリンピックの競技期間中に、
しかも個人戦がはじまる直前のタイミングで通知された。
そして、その内容をIOCが公然と問題視し、
さらに日本をふくむ西側のメディアが、
この問題についての不確定な情報を世界中へ拡散させ、
ワリエワを精神的に追い込んでいったのです。


…それが今回の経緯です。



はたしてプーチンが、
ロシア女子フィギュアへの世界的な熱狂に乗じて、
ウクライナへの侵攻を画策していたのかどうか、
その真偽については、まだまだ分からない。

もしかしたら、この情報自体が、
米国を中心とするNATO諸国がばらまいているデマかもしれない。

欧米諸国としては、

ウクライナのNATO加盟を正当化したい思惑があるはずです。
これに対して、ロシア側は「見え透いた嘘だ」と言っている。

はたして米国側の情報は信じるに足るのでしょうか?

米国には、
「ビンラディンの拠点だ」と言ってアフガニスタンを侵攻し、

日本への原爆投下の際にも、それを正当化する情報戦を繰り広げていた。
米国の軍事戦略とは、そのようなものです。



ワリエワ問題もまた、これと同じような構図になっています。

ドーピング疑惑の不自然さもさることながら、
それに続くエテリの虐待疑惑は、
まったく根拠のない噂だけが西側メディアに蔓延している。

選手自身が虐待被害を訴えた例はなく、
すべては断片的な情報を解釈した外部の憶測でしかない。

自由主義とは名ばかりで、
まともなジャーナリズムは機能しておらず、
それを真に受ける側にも何らリテラシーは感じられない。

いずれにせよ、
今回の経緯の不自然さからは、
ロシア女子フィギュアに対する世界的な熱狂に、
なんとか「水を刺してやろう」という西側の意図を感じます。

そして、それに乗じて、
ここぞとばかりに「ロシアへの疑念を拡散させよう」という意図も感じる。



実際のところ、
ロシア女子フィギュアの世界的な活躍を、
プーチンが政治戦略に利用している可能性はあるでしょう。

かつて石原慎太郎が東京オリンピックを利用したように。

しかし、
現在の西側の勢力もまた、
きわめて政治的な意図をもって、
ロシア女子フィギュアの活躍を意図的に妨害しているように見える。

わたしの最大の不信感はここにあります。



今回のドーピング問題の結果、
「ROCチームドクターのフィリップ・シュベツキーが怪しい」
という話になっています。

そして、それに乗じて、
「ロシアの女子フィギュアでドーピングが常態化していたのでは?」
という根拠のない憶測を伝えるメディアまで現れています。

あげくの果てには、

エテリ・トゥトベリーゼの指導方法がきわめて冷酷無比であり、
彼女の指導によって心身を痛めつけられた選手たちが、
無惨にも大量に使い捨てられている…

などという話にまで広がっている。

そうした情報発信の中心にいるのがトーマス・バッハです。



しかしながら、
エテリ自身に「ドーピングへの関与」の証拠が出ないかぎり、
そのような根拠のない批判は、まったくの筋違いです。

演技後のワリエワをエテリが叱咤する様子や、
トゥルソワが激高した様子などが取り沙汰されていますが、

わたしから見れば、
ワリエワに対するエテリの言葉は指導者として真っ当なものだし、
トゥルソワの振舞いを見ても、
子供らしい感情の吐露が許容される関係なのだな、と思うだけです。



そもそも、
オリンピックの選手が、
摂食障害などを含めた心身の不調に苦しむのは、
ロシアにかぎった話でもなければ、
フィギュアスケートにかぎった話でもなく、

はっきり言えば、
オリンピックスポーツそのものの問題なのだから。

それと同じことは、
選手の激しい世代交代にかんしても言えます。

かりに、そうした世代交代が、
自国の選手の活躍へと帰結する話ならば、
メディアは、やれ「層が厚い」といって賞賛するのでしょうが、
ことが敵国の話となると、
一転して「不健全な使い捨てだ!」といって批判するのです。

たんに "物は言いよう" ということにすぎません。

もともと、
女子フィギュアの世代交代の激しさというのは、
体操の場合もそうだったのですが、
若年であるほど有利だという競技特性からくるものであって、
その現実をシビアに追求すれば、ロシアのようになるのは当然です。

それは、
エテリの指導体制の問題ではなく、この競技自体の問題なのです。



現在、各メディアが以下のような提言を示しています。

・フィギュアの年齢制限を引き上げる。
・ドーピング疑惑の多いロシアを完全に排除する。
・心身の健全な発達を阻害する要素を徹底して排除する。

わたしは、これに異論を述べるつもりはありません。

しかし、
これはロシアを排除して終わるような話ではなく、
むしろ、結果的には、
国家主義と商業主義の疑惑にまみれた、
オリンピックスポーツそのものを解体する話へ帰結するはずです。

…つまりは「オリンピックの死」を意味する。

実際、
オリンピックスポーツにおいて、
「心身の健全な発達」などというのはまったくの建前に過ぎず、

自由主義国家であれ、
社会主義国家であれ、
国家の威信向上と愛国心の称揚を目的にした、
きわめて不自然な肉体改造がおこなわれているのだし、

IOCの商業主義は、それをとことん利用しているのだから。



バッハや西側メディアによる現在のエテリ批判は、
かならずや、ブーメランのように、彼ら自身に帰ってくるはずです。





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最終更新日  2022.02.20 03:22:48


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