全118件 (118件中 101-118件目)
正岡子規普陀落ふだらくや岸うつ波とうたひつつ柄杓ひしゃく手にして行くは誰たが子ぞみまかりしまな子に似たる子順礼汝なが父やある汝が母やある乞食の子汝なれに物問はん汝なが父も乞食か父の父も乞食か乞食の子汝なれに物問はん汝なが宿は柳の下か蒲公英たんぽぽの野か明治31年註一首目:生きながら西方浄土にいるのか。岸に打ち上げる波と戯れ歌いつつ柄杓を手にして歩いていくのは、誰の子なのだ?二首目:亡くなったわが子に似た子供の巡礼。お前に父はあるのか?母はあるのか?
2007.04.17
コメント(0)
正岡子規韓国金州官人くわんにんの驢馬に鞭うつ影もなし金州城外柳青々せいせい城中の千株せんしゅの杏あんず花咲きて関帝廟下くわんていべうか人市いちをなす明治31年
2007.04.17
コメント(0)
正岡子規花いけにいけなんとする紅梅のあたら莟つぼみの玉をこぼしつ市中いちなかに小料理店の席狭せまみ柳おしわけて紅梅の咲く手習の草紙干すなる寺子屋の庭の紅梅花咲きにけり明治31年
2007.04.17
コメント(0)
正岡子規紅梅の咲く門かどとこそ聞きて来し根岸の里に人尋ねわびつ紅梅の咲けども鎖とざす片折戸狂女きゃうぢょすむ宿ときくはまことか文ふみ写す窓の紅梅咲きそめて紅くれなゐうつる薄様うすやうの上に雨乾く薄紅梅の夕日影また照り返すカナリヤの籠明治31年
2007.04.17
コメント(0)
正岡子規山毎やまごとに緑うるほひ家毎に花咲かせたる日の本うれし故郷ふるさとの老木おいきの桜朽ちにけり我見しよりも三十年みそとせぞ経し丁ちゃうとうてば丁とうつ槌音つちおと冴えて鍛冶屋の梅の真白まっしろに散る衣きぬを干す庭にぞ来つる鶯の紅梅に鳴かず竹竿に鳴く人も居らず女机をんなづくゑの硯箱すずりばこ紅梅さしぬ水入みづいれの水に明治31年
2007.04.17
コメント(0)
正岡子規時鳥ほととぎす鳴きて谷中や過ぎぬらし根岸の里にむら雨ぞふる夜毎夜毎よごとよごと初夜打つ頃を左ひんだりの足いたみいでて時鳥なく十とをばかり椿の花をつらぬきし竹の小枝をもちて遊びつ鶏のつつく日向ひなたの垣根よりうら若草は萌えそめにけん物のけの出るてふ町の古館ふるやかた蝙蝠かはほり飛んで人住まずけり註初夜:晩に初めて鳴らす鐘。左(ひんだり):南に向かって、「日の出る方」を意味する「ひいだり」が語源。十(とを):「たわわ(たくさん)」と同語源とされる。蝙蝠(かはほり):「こうもり」の古語(語源)。
2007.04.16
コメント(0)
正岡子規里川の流れにかけし水車汲みてはこぼす山吹の花都人はいざとく帰れ山桜木このくれしげに盗人や出ん大君は大御親おほみおやの喪にこもります今年の春も花咲きにけり貴人あてびとは御喪みもにこもるか先を追ふ花見車を見ることもなし菅すがの根の長き春日を端居はしゐして花無き庭をながめくらしつ我が庭の小草をぐさ萌えいでぬ限りなき天地あめつち今やよみがへるらし明治31年註二首目:都会人は、さあとっとと帰れ。山桜の木の蔭に追いはぎがでるぞ~。
2007.04.16
コメント(0)
正岡子規春の夜のおほとのあぶら参らする少将の君はめびまさりたり月更くる忍が岡に犬吠えて桜の影を踏む人もなき市中いちなかに誰たが隠れたる庵いほならん花に門閉ぢて経を読む声垣の外とに猫の妻めを呼ぶ夜は更けて上野の森に月朧おぼろなり折々は不二の根颪ねおろし雪を吹きて春まだ寒し武蔵野の原明治31年柱おほとのあぶら参らする少将の君:大殿油参り。源氏物語「少女(をとめ)」の夕霧のエピソードか、あるいは「落窪物語」か、今のところ不明。枕草子(岩波)23段「清涼殿の丑寅の隅の」にも似たような話題があるようである。「油参る(参らす)」は「灯火を点ける」という意味の、古語ではごくありふれた言葉なので、そこかしこに頻出する。なかなかロマンチックで魅力的な歌と思われますが、そんなこんなで、結局何のことやら分かりましぇん!!どなたか分かる方がいらっしゃいましたら、乞うコメント!ねびまさる:老成する。忍が岡:現・東京都文京区上野公園付近の台地。子規の住まいがあった根岸とは、目と鼻の先。不二の根:「富士(山)の峰」の古語的表現。
2007.04.16
コメント(0)
正岡子規永き日をただ一すぢにつばくらめ鎌倉迄や行き返るらん飼ひおきし籠の雀を放ちやれば連翹れんげう散りて日落ちんとす人も来ず春行く庭の水の上にこぼれてたまる山吹の花明治31年
2007.04.16
コメント(0)
正岡子規朝日さす小池の氷半ば解けて尾を振る鯉のうれしくもあるか梅咲きぬ鮎も上りぬ早く来こと文ふみ書きてよこす多摩の里人山里に蚕かひこ飼ふなる五畝ごせの宅たく麦は作らず桑を多く植うう都近く世を隠れ住む草の戸に柳は植ゑず梅植ゑてけり明治31年註「植う」は、ワ行下二段活用なので、「植ゑ」、「植う」、「植ゑる」などとなる。・・・歴史的かなづかひは、難しい 。(古くは文字通り発音していた。英語のスペルなどと同じ。)
2007.04.15
コメント(0)
正岡子規天津橋上てんしんけうじやう繁華の子等の影見えて天津橋下てんしんけうか春の水青し洛陽の市に花売る翁おきなにぞ昔の春は問ふべかりける高楼たかどのの御簾みすたれこめて春寒み飛び来る蝶を打つ人もなし明治31年
2007.04.15
コメント(0)
正岡子規山里は春まだ寒し旅人の桜かざしていづくよりか来こし冴え返る舟の篝火かがりび小夜さよ更けて大川尻に白魚しらを取るらん枯芝に霜置く庭の薄月夜音ばかりしてふる霰あられかな明治31年
2007.04.15
コメント(0)
正岡子規古庭の萩も芒すすきも芽をふきぬ病やまひ癒いゆべき時は来にけり霜防ぐ菜畑の葉竹はたけはや立てぬ筑波根颪つくばねおろし雁がんを吹く頃明治31年
2007.04.15
コメント(0)
正岡子規とばり垂れて君いまださめず紅くれなゐの牡丹の花に朝日さすなり赤き牡丹白き牡丹を手折たをりけり赤きを君にいで贈らばや車過ぎて伽羅きゃらの匂ぞ残りける都大路みやこおほぢの春の夜の月明治31年
2007.04.15
コメント(2)
正岡子規もののふの屍かばねをさむる人もなし菫すみれ花さく春の山陰やまかげ大原の野を焼く男野を焼くと雉きぎすな焼きそ野を焼く男靄もや深くこめたる庭に下り立ちて朝の手すさびに杜若かきつばた剪きる人住まぬいくさのあとの崩れ家いへ 杏あんずの花は咲きて散りけり明治31年
2007.04.14
コメント(0)
正岡子規韓国金州から山の風すさぶなり故ふるさとの隅田の桜今か散るらんたたかひの跡とぶらへば家をなみ道の辺にさくつま梨の花から山に春風吹けば日の本の冬の半なかばに似たる頃かな明治28年
2007.04.14
コメント(0)
正岡子規日光中禅寺湖いく坂をのぼりのぼりて尋ねきし山の上にもうみを見るかな明治19年
2007.04.13
コメント(0)
正岡子規(慶応3年・1863-明治35年・1902)隅田川堤の桜さくころよ花のにしきをきて帰るらん明治15年
2007.04.13
コメント(0)
全118件 (118件中 101-118件目)