冒頭の「There Always」のきらめくようなギターのイントロから、Wesの伸びやかな声が入ってくると、もうそこにはBrigitte Calls Me Babyの世界が広がっていました。メロウで、甘くて、でもどうしようもないほどに惹きつけられる影が、確かにある。 前作も思わず息を呑むほどに素晴らしい一枚でしたが、より洗練され、よりロマンチックな雰囲気が増したように思います。それはきっと、輝きと影のコントラストがさらに際立つようになったから。
先行シングル「Slumber Party」はやっぱり白眉。ずいぶん前からライヴで演奏されていて、きっと次のアルバムに入るんだろうなとは思っていましたが、いざラインナップに入って聴いてみると、さらに良い!ポストパンクっぽいサウンドなんだけれど、やっぱり彼らのいいとこがこのとっつきやすさ。すっと耳に入ってくるメロディがたまらんのです。 わたしは出だしの歌詞がなんだかとても好きで。 I thought I told you / No excuse to stay home / Too bad it's Friday / There will be people you know ……って、何だか人の精神面のダークな部分が見えてきそうな気がしません?たぶんとても表面上はつくろってて、内部でものすごく崩壊してそう。これは1stのときから変わらない世界観のような気が。
しかし、わたしがいちばん好きなのは「Truth is Stranger Than Fiction」なのです。
「The Early Days Of Love」で繰り返される「I wanna carry you with me and bury you to be in the early days of love」の美しさと執着と不気味さには身もだえするし、途方もなく甘いサウンドの「Send Those Memories」で歌われる狂気の美学と言ったら…! 「ぼくのベッドの片側には、もう誰も寝ることなんてない」からの、「戻って来てもいいんだよ、責めたりなんかしないから」とか、「悲惨なほどの苦しさが恋しいな。ぼくにとってはそんなに悪いものじゃなかったんだよ」とか…ふつうに読んだらぞっとするんだけれど、これがBrigitte Calls Me Babyの音だから許される。それがたまらんのです。