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「プロジェクト・ヘイル・メアリー」をIMAXで観てきました。わたしはふだんSFはほとんど見ない人間ですが、想定外にすごく感動してしまい、号泣2回、ウルウル無数という終始泣いてた稀有な映画でした。原作読んでから行った方がいいとかいう話も聞いてはいましたが、そんな時間もなく、予告編の短いやつちょっと見ただけで。ライアン・ゴズリングが「ロッキーーーーーー!!!!」っていうやつだけ(笑)才能ある科学者でありながら、ゆえあって学校の教師をしているライランド・グレース(ライアン・ゴズリング)。「ペトロヴァ・ラインって何?」と生徒から無邪気な質問を投げかけられて、言葉に詰まります。「ペトロヴァ・ライン」とは、最近、太陽の光を弱めている根源である未知の力で、放置しておけば近い将来、太陽は光を失い、地球は氷河期に突入し、人類は滅びの道へと向かうことになる――それを、彼はとても生徒たちに真っ直ぐに答えることはできませんでした。そんな中、ひょんなことから、彼はペトロヴァ・ラインの秘密を解明する任務に巻き込まれます。本来、いち科学者である彼が宇宙に向かうはずはなかったのですが、ここでも様々なゴタゴタがあって…そして、映画の冒頭、グレースは昏睡状態から目覚めるのです。しかも、宇宙のど真ん中で。どうしてここにいるのかよく思い出せないまま、彼はたった一人で宇宙を彷徨い、そして未知の生命体――ロッキーと出会うのでした。ロッキーとの出会いがコミカルで、思わずくすりと笑ってしまいます。その後、彼と言葉が通じるようになるまでも面白い。原作を読んだ友達いわく、原作ではこのあたりがもっと詳しく書かれているので、ロッキーと友情をはぐくむ様子により思い入れが強まるらしいです。メジャーのとことかね。わたしはメジャーでぐるぐる巻きになってるロッキーがかわいくてかわいくて、いまでも思い出し笑いしちゃうくらいです。二人は、ここで、互いが自分自身の星を救うために宇宙船に乗って来たことを知ります。そして、どちらもクルーを失い、独りぼっちであることも…。そのことが余計に彼らを強く結びつけるのでした。ロッキーがグレースの宇宙船に転がり込むシーンは、コミカルで、いちばん印象に残っているところかも。ロッキーが転げ回りながら、散らかったグレースの宇宙船を探検して「汚い汚い!」とか言ったり、どれだけ離れていてもグレースの声を察知して「なにしてる?」みたいに割り込んできたり。とにかくキュートなのです。でも、ロッキーが仲間を失ったことを語るシーンで泣いてしまいました。泣いちゃうよ…「ロッキー、見守った。でも目覚めなかった。」ってさ…ロッキー…ひとりで頑張ってたんだね…そして、グレースの行く末をロッキーが知った瞬間も。実は、グレースの宇宙船には片道分の燃料しか積まれていません。つまり、彼は任務を終えたらそこで死ぬ運命だったのです。彼は人類のために犠牲を強いられ、受け入れざるを得なかったという…本当は宇宙船になんて乗りたくなかったのに、事故によってクルーに欠員が出たせいで彼が選ばれざるをえなくなり、拒否する彼は無理やり昏睡状態にさせられ、宇宙船に乗せられてしまったという事実が。それを聞いたロッキーが「なぜ言わなかった?」と言うシーンがね、また泣くところなんですよ…。とはいえ、二人の任務はペトロヴァ・ライン、そしてその中に生息するアストロファージをどうにかして駆逐すること。そのためには、ペトロヴァ・ライン(=アストロファージ)の影響を受けていない唯一の惑星タウ・セチを調査しなくてはいけません。二人は共同でサンプルを採取するためにタウ・セチへ接近しますが……互いの危険をかえりみず、二人が助け合う様子が…とくにロッキーの健気さが…ああもう泣く!ロッキーーーーー!!!なんとかサンプルを採取し、そこに生息するタウメーバというアメーバがキーとなることを発見した二人。これをそれぞれの星に持ち帰れば、みんなが救われる。そしてロッキーは自分の船の燃料をグレースに分けると言い出します。自分が帰るのが少し遅くなるだけで、何も問題はないと…。達成感と少しの淋しさを胸に別れる二人ですが、ここでまたしても試練が。採取して改良しておいたタウメーバが繁殖器から逃げ出していたのです。グレースはなんとか対処できましたが、そこではっと気づきます。ロッキーの船のメイン原料であるキセノナイトは、改良されたタウメーバなら簡単にすり抜けてしまうことを。そして、タウメーバが、燃料となっているアストロファージに辿り着いたら…ロッキーの船は燃料をすべて食い尽くされてしまう…!?グレースは迷います。このまま地球に帰ることもできる。けれどロッキーの船は?ロッキーは?でも、ロッキーを助けに向かえば、燃料も食糧も足りなくなり、地球に帰ることはできない。どうする?グレースの選択は「ロッキーを助ける」。これ一択でした。彼は採取したタウメーバとメッセージを地球に送り出すと、ロッキーの船に向かいます。ロッキーは生きているのか?わたしはまたここで泣きました。ひたすら鼻をすすっていたので、友達にはきっとバレていたと思います。笑……エピローグは、ほろりとさせられつつ。ニコッと笑って終われる、温かいものでした。ほんとにね、あなたたち最高のバディだよ!二人がグレースの宇宙船で再現される地球の様子を眺めるところとか、ハグを教えるところとか、いちいちぐっとくるシーンの連続です。星を超えて通じ合う二人の友情が、こんなに年食った大人でも泣けます。たぶんドラえもんの映画とか観てぐっとくる類のやつです。いまでも泣いちゃいそうだもん。SFでこんなに感動する日が来るとは思いませんでした。洋画がめちゃくちゃ低調な昨今ですが、これはもうぜひみんな観に行ってほしい、そして泣いて欲しい。近年でいちばん泣けた映画でした。Amaze, Amaze, Amaze!!!
2026.03.29
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Voxtrot。わたしは彼らが解散していたことも、再結成していたことも知らずにいました。そして先日、彼らが新しいアルバムをリリースするというニュースを目にして初めて、そのことを知ったのです。まあ、ファンと言うのは少々ダメな感じですよね。彼らの音楽に出会ったのは、最初のEP「Raised by Wolves」だったと思います。印象的なモノクロのアートワークと、そして何より、いまはもうないApple Crumble Recordの松本さんの推薦がきっかけでした。あの頃のわたしは本当に松本さんのところに通い詰めで、おすすめの音楽を片っ端から聴いていました。その中に、Voxtrotがいたんです。シングルを聴いて胸を高鳴らせ、アルバムのリリースを心待ちにし、ついに手に入れたそのアルバムでしたが、正直なところ、EPの曲たちの方がわたしにはしっくりきたので、アルバム自体をめちゃくちゃ聴き込むこともなく…。それ以降、めっきり彼らのニュースを聞かなくなり、わたしも暗黒時代に突入し、松本さんもこの世を去られてしまい…ということで、わたしの中からVoxtrotというバンドは半ば消えかけていました。そんなところで目にした「Voxtrot、ニューリリース!」というポスト。19年ぶりの新譜です。さっそくyoutubeなどで音源を聴いてみて、おおっと思いました。あの頃の甘酸っぱさやほろ苦さや切なさ、いろんなものが詰め込まれたあの音がそこにあったように感じたのです。そして、届いたアルバムを聴いてみて、懐かしさと嬉しさが混じった、とてもあたたかい感情がこみ上げてくるのをおぼえました。前よりも深みのある声になったなあ。加えて、わたしが最初に好きになった初期EPのころの雰囲気がちゃんとあるような気が。Redditなんかではダメじゃん?みたいに言われているのを見ましたが、少なくとも、1stアルバムよりはずっと聴きやすく、いちいち胸をキュッとさせてくるメロディが随所に散りばめられていて、それがわたしにとっては彼らの帰還を嬉しく思う最大の理由でした。キラッキラしてるところもあるけれど、それだけじゃない。輝きと表裏一体の影がちゃんとそこにあって、それがそのまんま彼らの音になってる。うまく言えないんですが、わたしは彼らの音をそんなふうに思っています。CDで買ったのでなんせ歌詞の字が小さく、老眼入ってきたわたしには苦行でしかありません。なので詞についての感想がちゃんと書けません。死にそう。とりあえず拾い読みした感じで乱暴にまとめると「文学的(つまり私の好み)」。すいません。とはいえ、わたしが声を大にして言いたいのは、松本さん!Voxtrotが帰ってきましたよ!たまんないですよ!ということです。しかも、これは聴けば聴くほどにしみてくるんです。一周目で「ん?」と思っても、聴き続けて欲しい。そんなふうにじわじわと心に入ってくる、甘くて切なくてたまらない一枚なのです。
2026.03.20
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Patrick Duff自伝の続き。この頃、AlexとJoeはJulian Copeのアルバムをよく聴いていました。そして、そのプロデューサーであるPaul Corkettにアプローチしようということになったのです。この選択は、結果として大正解でした。Paulは、レコード会社も、Alexも納得するプロデューサーだったのです。何といっても、あの頑固でこだわりの強いAlexという関門を突破しないとダメですからね…苦笑そしてバンドはサリー州のJacobs Studioというところで1stアルバムのレコーディングをすることになりました。スミスもレコーディングしたという場所です。Paulは穏やかな人物だったようですが、Patrickによる描写がなかなか面白い。「もう一回バスドラを頼む。ジョン、ありがとう」「もう一回バスドラを」「もう一回。ジョン、ありがとう」「もう一回だね。ありがとう」「もう一回だ、ジョン」……こりゃあ大変だ。笑その一方、初めて自分たちだけでブリストルから離れた場所にやってきて、メンバーはテンションが上がっています。Joeは大量のキノコを持ってくるし、Jazzは勝手にロスに電話しまくって(たぶん彼女のとこ)、Alexに「電話代どうすんだ」と冷静に突っ込まれる。その上、PatrickとJoeとJohnはドラッグを決めまくり、Alexの夜型生活には拍車がかかり(夕方近くにならないと、呻き声しか出なかったらしい。かわいい)、Jazzはお母さんが持たせてくれたマシュマロ入りホットチョコをすする(ハコに「Julian」と名前入りだったらしい。かわいい)。好き勝手しまくりだな!ある日、PaulとPatrickは、スタジオに5台の黒いジープがやって来るのを目撃します。このスタジオは2棟あったらしく、もう片方の棟に誰が来たのかと思ったら…なんと、the Cureだと。全英男子の憧れである(たぶん)ロバスミを拝みたくて、彼らはこっそり建物のそばに隠れたのですが、そこがバラの茂みだったから大変。泥んこだし痛いし、けどなんだか笑ってしまいながら、二人は「Cureがすぐ隣にいるぞ!」と子どものようにはしゃいでいました。そんなPaulは、後年、Cureのプロデューサーとなります。すごいよね、こんなことってあるのね。さて、そんなスタジオでのある夜、Patrickはフクロウの声を耳にします。それはまるで彼に話しかけているようで、彼は「フクロウ語」で返事をしたそうです。どうも、彼は「フクロウ語」が得意だったらしいんです。…うーん、謎。まあ、そんな不思議な会話をしているうちに、彼は、彼を苛む恐怖やパラノイアが鎮まっていくのを感じていたようです。そして、いつか平和を知ることになると感じたらしい…。やっぱり、彼は常人じゃないですね。フクロウとの会話について、Patrickはメンバーに報告しました。まあ、ふつうの人だったら彼をキ〇ガイ扱いするんでしょうが、そこはStrangelove。みんな「へえそりゃクールだな」とか、「マジかよ」とか「そういうことってあるよね、俺もあった」とか、Patrickをふつうに扱う。それが、Strangeloveの世界観でした。ついに、Patrickがロバスミに遭遇する日が来ました。ある日の午後、Cureのメンバーがキッチンでビリヤードをしていたのです。そこにやって来たPatrickですが、結局何も言えないままミューズリーをかきこんでその場を去ります。一方、マネージャーのCernが、バンドの面々が際限なく飲み過ぎるせいでアルコールの供給をストップしてしまっていました(予算が爆発したと。笑)。当然、Patrickはアルコールに飢えて、ふらふらとキッチンにやって来たところ、赤ワインのボトルが放置してあるのを発見。これ幸いと一気飲みするのですが…実は、それはロバスミのワインでした。やらかしたな!結局、メンバーの誰も話しかけることができないまま、Cureはスタジオを去っていきました。後になって、「なんであいつら俺らに話しかけてこなかったんだ?」とロバスミが言っていたことを知り、Patrickは激しく後悔するばかりだったそうです。でもわかるよその気持ち…好きすぎると、なんも言えないよね!
2026.03.01
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