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元卓球部裏部長

元卓球部裏部長

2004/11/23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
階下から漂う匂いに落ち着きを次第に失っていく者がいた。

そう、カレー心だ。

僕のカレー欲は、空腹も相まって最高潮に達していた。

「やったね、お兄ちゃん。やっとカレーが食べられるよ!」

「ああ、そうだな。」

僕は平然を装って、そう答えた。
僕だって、日本人だ。
カレーも、ラーメンも、納豆も大好きなんだ。
むしろ愛していると言ってもいいかもしれない。
それらについて熱く語れるほどじゃあない。
元々が味音痴な僕に、どこそこのアレはおいしいだなんて、言う資格はない。


カレーも、ラーメンも、納豆も。
その気持ちはあなただって同じはずだ。

納豆を愛しているっていうのは、あまりに粘っこい気がして公言するのは、ためらわれるわけだけれども。

だから、僕もカレー心が嫌いなわけじゃない。
それだけは自信を持って言える。
ただ、彼らの来訪がいつも突然であるのに嫌気がさすだけだ。

僕はカレー心の頭を、そっと撫でてみる。

「もうすぐで、カレーが食べられるな。」

カレー心は、僕の突然の行動に驚いているようだ。
彼はその目を丸くした後、そのまま目尻を下げる。
本当にうれしそうな表情だ。

こんな顔を見られるのなら、もっと彼に優しく接すればよかった。


そうこうしているうちに、カレーは完成したようだった。

僕はカレー皿にご飯を盛り、その上からカレーをかける。
スパイスの香りが僕らを包み込む。
今日のカレーはビーフカレーだ。


何もかもが整った。
条件は申し分がない。


僕らはわかっていた。
カレー心は僕のカレー欲を呼び覚ましに来た。
だから、僕のカレー欲が満たされてしまえば、彼は去っていかねばならない。

僕はカレー心のほうへ振り返る。
彼は、本当に幸せそうな笑顔で立っている。
僕は言うべき言葉を失った。

手を合わせる。
いただきます、感謝の言葉を発する。

もう僕は振り返らない。
一心不乱に食べ続ける。

うまい。
なんてうまいんだ。

統計によれば。
カレー欲を満たすには、男なら3杯、女でも2杯は食べなければ満たされないと言われている。
今日の僕も例外ではなく、何杯ものカレーを食べた。
ただひたすらに食べた。


食べている途中で、消えていくカレー心の顔を見た気がする。
その顔は、たぶん笑顔だったんじゃないかと思う。





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Last updated  2004/11/24 02:31:25 AM
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