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元卓球部裏部長

元卓球部裏部長

2005/07/22
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 戦争に赴く軍隊に、人間は要らない。正確に相手を倒すための、戦力のみが必要なのだ。そのためには、兵隊は人間としてではなく、機械として存在しなければならない。感情やそれに類するものは、戦場では邪魔になるだけだ。この観点から「烏の北斗七星」を読むと、烏が巡洋艦や砲艦といった、無機質な戦艦に例えているところからもそのことが察せられる。兵隊であるということは、同時に兵器であることを求められるのだ。

 烏たちは、このような観点から、つまり呼称からのみ判断すれば、およそ人間味の無い、戦争の道具として描かれる。
 しかし、これはあくまで呼称に限った話だ。宮沢賢治による広告文にもあるように、この物語は「戦ふものの内的感情」が書かれたものである。戦争の道具としての「戦ふもの」がもつ「内的感情」を表現するために、烏の呼称にわざと固有名詞を用いなかったのではないだろうか。動物がこの物語のように擬人的に表現される時、それぞれの動物は固有名詞を持ったとしても、なんら不思議はないはずである。烏に与えられた呼称は、「戦ふもの」であることを強調している。
 宮沢賢治がこのような趣旨からこの物語を書いたことからもわかるように、いくら兵隊が機械たることを求められても、彼らが本質的に人間(この物語では烏であるが)であることは紛うことの無い事実であるので、そこには感情がある。感情があり、人間関係が構築され、軍の運営に支障をきたす。これが「烏の軍隊の不規律なところ」が生じてくる由縁だ。例えば「おしまひの二隻」が「いっしょに出発」したのは、その二隻が交友関係にあったからということも考えられる。
そして「内的感情」を持つものの代表として宮沢賢治が選んだのが、婚約関係にある二羽の烏である。まず、二人は逢引のために点呼の時間を遅刻している。これは重大な軍規違反であり、一人の兵士が点呼の時間に遅れたため盧溝橋事件が発生したことからもわかるように(このことを宮沢賢治が知る由も無いが)大きく戦局を変える可能性を持つ行為である。もし烏の軍隊が機械に徹していたとすれば、このような事態は起こるはずも無い。
その後、夜になり、二人にはそれぞれの感情が見られるようになる。戦地へ赴く者と、それを見送る者。どちらも戦死に対する不安を抱えているように見られる。これもまた、戦闘への支障に他ならない。戦時中の日本は、戦死こそを美徳とする教育がなされた。それゆえ、その不安を口にすることは禁じられていたし、何より当事者たちが戦死さえも望んで(望むフリをして)進んで戦地へ赴いたのである。それは犯すべからず暗黙の規律として、厳然と存在していた。これは明らかに当時の国策のなせる業であり、円滑な戦力の徴収を得るためのものであった。また更に言えば、この大尉は正義のありかを星に問うている。これも戦中の兵士にあってはならないことであり、士気にかかわる重要な問題である。戦時中の日本に関わらず、戦中にある国や部族は常に正義を自称するのだ。大監督が敵の烏の死骸を厚く葬ることを許していることからも、この烏の軍隊が正義を要している自覚が無いことは明確である。つまり、具体全体としての士気は、そう高くないと思われる。これは感情が妄信的な愛国を邪魔しているからに他ならない。
 前述したように、敵への情が見られる節もある。戦闘において情が与える影響が、戦局に有利になることがありえようか。それは戦争という本質上、あり得ないことである。
 さて、宮沢賢治は「烏の北斗七星」から何を伝えたかったのか。私はこう結論付けようと思う。彼は逆説的に、人間という生物は戦争という行為に決して適してはいないと示したかったのではないだろうか。人間が人間であるほど、そこには感情が生まれるのであり、兵器としての適正から遠ざかるのである。宮沢賢治にとって、自らの「内的感情」は、「戦ふもの」であることを拒絶したのではないだろうか。







そのテストは問題前バラシで、持ち込み可なので、当然のように答えを昨日のうちに考えてプリントアウトして試験会場に持ち込みました。
なので、細部を除いて大体復元できているはずです。
どうせ書いたからってことで、アップしてみました。
読んでもおもしろくともなんとも無いですね、すいません。





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Last updated  2005/07/22 10:25:33 PM
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