24階のミミック

24階のミミック

2002.11.25
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 権利の上に安住するものは、奪われても文句を言う資格なし。というのが法律の掟らしい。記念すべき 100回目 マジメ なテーマになりそう。

 親戚に、しょうもない性格の人がいる。私は小さいころかわいがってもらったし、大人になってからも法事などで顔を合わせて話をする分には大変いい人なのは知っている。
 しかし、この人、困った性格というか、 困った習性 の持ち主だった。
 無類の 競馬好き である。

持てるお金のすべて をつぎ込んできた。

 普通の会社員で、そんな生活をしていて平和に暮らせるわけがない。いつの頃からか借金を重ね、仕事を転々とし、それでも競馬はやめなかったようだ。
 その人がそれだけ借金ができたのは、実家が東京にあって、その土地を担保に老親が連帯保証人となっており、かつ年金でその人の面倒をみてきたからだった。

 数年前、老親があいついで亡くなり、その人は借金の返済のために相続した家を売却。価値が下がっているとはいえ、23区内の住宅地ともなれば借金を返済し、なおかつ 2億とも3億 とも言われる遺産が残り、その人はそのほとんどを相続した。

 それで、彼は首都圏近郊に、現金一括払いで家を買ったらしい(現金ですごい大金を払ったので当時、全盛だったオ○ムと間違えられたらしい!)。老親が亡くなる少し前、長くつきあっていた彼女と結婚もしたようだ。

 しかし、それから数年。大金を手にして、結婚し、子供も産まれて平和に暮らしているはずの彼から、突然、私の実家(父)に電話があり、突然家にきたいと言ってきた。
 うちの父はお人好しで、その人の面倒を若いころから何くれとなく見ていたから、今まで何度も、仕事が換わる度に身元保証人になってきた。今度も何かの保証人になってほしいから、 実印と印鑑登録証明 を用意しておいてくれという。
 実家の母は、 女の勘

 話を聞いてみると、その人は昨年、奥さんが子供を連れて突如実家に帰ってしまったそうで、現在は離婚係争中だとか。その思い出の詰まった家にこれ以上住んでいたくないから、家を売るという。それで、新しいアパートを買うのだか借りるのだかで、その保証人になってほしいということだった。

 ふーん……。と聞いていたけれど、母が気にしているのは実印と印鑑登録証のこと。たしかにそんなもの、ホイホイ頼まれたからといって押して回るものじゃないんだけど、 保証人 という言葉が気になっているようだ。

 普通なら問題なくても、借金で首が回らなくなって結局実家を売ることになったその人の前例のことが気に掛かり簡単に信用していいものか、という話なのだ。

 といっても私が直接話を聞いたわけでもなし、しかも今日の夜には来るなどという急な話で、どうしていいやら困ってしまい、たらい回しに 兄
 そしたら、兄は仕事中で、明日もう一度電話をくれるということだったから、そのまま私も、あまり深く考えないで「んじゃよろしくねー」などと言って忘れてしまったのだった……。

 翌日、 朝9時半 、電話がかかってくる。
 兄だった。「俺な、今○○(問題になっているその人の持ち家のある市)の 法務局 にいるんだよ。あの 家の登記簿 をとってみた」

どひゃー、すごい機動力 (^^; 
 他人でもとれるんだーと思いつつ「それで?」と聞いてみると
「大変だぞー、この家が売れたっていうのは ウソ だよ~。この家には、ン千万の抵当権がついてるよ。しかも○○(サラ金)」
………………絶句 (・・、)

 要は、思い出の家に1人で住むのが辛いから引っ越すというのはウソで、家が競売にかけられるので住んでいられなくなったというのが事実。そうかー、突然奥さんが子供を連れて出ていったのは理由があったのね……。

 しかし! 考えてみれば彼が 億単位 のお金を相続したのは ホンの数年前 。家も土地もあって、片手の指で足りるほどの年数の間に、そのすべてがなくなって、さらにン千万の借金って、 なんだそりゃ!!!  ……しかも、2度目(^^;

 すわ、 一大事 ~(>_<)。うちの親はいったい 何の保証人 にならされようとしているのか?! 
 普通なら親戚のこと、信用してあげたい気持はやまやまだけど、前例が前例だし、兄も大慌てで「もう来てるんだよな!」と言って、大急ぎで実家にとってかえすことになった。

 しかし、そこから実家まではどう見積もっても2時間以上、兄も午後からは仕事がある。とりあえず、兄から親に電話をいれてもらい、書類に印を押すのを2~3日でいいから延ばしてもらうようにすることで、電話を切った。

 なんだか、 ドキドキする~っ (>o<)
 兄が心配しているのは最悪の場合。
 その人、根は悪い人じゃないんだけど、非常に人生を楽観的に考えるタイプで、とりあえず借りておいてあとでナントカしようという傾向がある。今までは、自分の実家の土地があったから、いい年になって破綻もせずにやってこれた。しかし、もう彼には何も残っていない。
 しかもすぐに大きいことを考えるから、さらに大きなお金を借りて、今ある借金を返済し、それで何かしようとしているのでは? そして、自分と持ち家にはもう担保能力がないから、何でもホイホイ引き受けるうちの親に保証人になってもらって大きなお金を借りようとしているのでは? というのが兄の懸念だ。
 それがきちんと返済できる人ならいいかもしれない。けれど、当然、払えなくなった時にうちの親は、今住んでいる土地と家を失うことになるだろう。

 うぎゃぁ~っ! 
 まだ、自分の親が突然何かで散在して、家がなくなるなら許せもする。自分達を育ててくれたから。でも、数年に1度しか会わないよく知らない親戚のために、長年住んだ家土地がなくなっちゃうなんて、 いやだぁ~ (T_T)。

 結局、その日は何度も電話したけれど当人がいるからといって親が話に応じてくれず(携帯もってないし)夜になって、やっと電話が通じた。
 聞いたら、 ハンコ押しちゃった、 という(^^;

 おいおい……。
 一応、父は「ちゃんと書類の名前は見た、たしかにアパートの賃貸契約書だった」という。

 ホっ……。大丈夫だよね。
 で、何度も電話してきたのはナンだったんだとか呑気に言ってるから、兄が法務局で見た登記簿の話をした。登記簿を見れば、いつ、どこから、いくらの借金をしたかがわかったから、そう告げたら、やっぱりそんな話は聞いてなくて「え!それは フェアーじゃない なぁ」とびっくりしてる。

 おいおい~。あんたねー、自分がどれだけヤバイ状況だったかわかってるの!!?
 母は、激怒してる。でも、父は「借金の連帯保証じゃないからいいじゃん」と言ってる。

 呑気なのか、大物なのか、信ずる者は救われるのか。
 父は、一番平和だ。その人のこと、本当に信じているの、父だけだろうな。まあ、彼もそこまで悪者じゃなかったということなのか。
 しかし私も兄も、その人が今までにいろんな ウソ をついていることを知っている。その人が持っていたのは、老親の実家の土地だけじゃなかったのだ。そのことで、他の親戚の誰からも相手にされなくなってしまったほど、 法律ギリギリ、人情なしなし の手段で他にも財産を持っていたハズだったのに。

 そんな事情がわかっているから余計、周りは心配なんだけど、父はやっぱり信じたいんだろう。

 とにかく、今度もウソつかれちゃったこと、そしてもう本当に彼に次がないことに関して、父もちょっとはショックだったみたい。
 それで、次になにか言われたときには、必ず「今日とか明日」に決断しないで、兄を呼ぶこと、などを約束して、電話を切った。

 結局 なんでもなかった、大慌ての一日 。
 こんな話、世間にゃザラなはずなんだけど、やっぱり自分だけは絶対に巻き込まれない、と思っていた自分がいる。
 そして、 トラブルは平日にやってくる 。

 さらに、今回は兄の機動力に感服。結局、ナンにもできない自分がいる。平和ボケっていうのかなぁ~、こういうの。

 後から思うに、私はその人に聞いてみたい。ン億円の現金、たった数年で何に使ったんですかーって。1年前、家を出て行った奥さんが一度だけ、実家に電話してきたときに叫んでいたそうだ。「あの人は 病気 ですっ!」

 この後、どうなるんだろう。
 信じることはいいことだけど、調べもしないで簡単に保証人になったりすることって、権利の上の安住なんだろうな。自分の財産を守る努力をしてないってことなんだ。兄がそう言っていた。
 終わりよければ、って言いたいけど終わってないし。このストーリー。
 この人が、今度こそマジメに生活してくれること、祈ってます。
 いい、勉強になりました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2002.11.28 14:16:47


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: