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2009.01.03
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カテゴリ: Figure Skating(2008-2009)
<きのうから続く>

浅田選手はグランプリ・ファイナルでは最初の3A+2Tと3Aを「誰も文句つけられないぐらい完璧に回りきって」着氷も決めた。「ちょっと回転不足気味なジャンプ」が認定されたりされなかったりといったグレーゾーンはあるが、ここまでピタッとおりれば、ダウングレードされることはない。「疑惑の判定」はあくまで、足りてないのに認定されたり、スローで見てもわからないくらいなのに認定されなかったりすることだ。

で、全日本ではこの2つのトリプルアクセルが「ちょっとだけ回転不足」でダウングレードされた。そうなると実際に点数がどうなってしまうか見てみよう。

(グランプリ)3A+2T 基礎点9.5 (GOEプラス2が1人、プラス1が6人、ゼロが2人) 得点 10.3点
(全日本)3A(<)+2T 基礎点4.8 (GOEでマイナス1が6人、マイナス2が1人)  4点

つまりこの1つの連続ジャンプでファイナルのときより 6.3点 も下がった。

(グランプリ)3A 基礎点8.2 (GOEプラス2が3人、プラス1が5人、ゼロが1人) 得点 9.6点
(全日本)3A(<) 基礎点3.5 (GOEでマイナス1が6人、マイナス2が1人)  2.7点

6.9点 も下がった。

合計で13.2点も下がった!

つまり、このファイナルのように「もうちょっとだけ回って」完全に回りきっていれば、13.2点上がり、単純にいって 130.35点(117.15+13.2) という点が出たのだ。これは後半の3F+3Loのダウングレードはそのままだ。つまり、後半の3Loをダウングレードされても、3Aを2つに、後半の3Fだけを決めてもそのくらいの点が出るということ。しかもこのときはサルコウを失敗している。

この計算はファイナルの点にも当てはまる。ファイナルのフリーの点は123.17点だったが、後半の3F+3Loの3Fでコケたため、この部分の点は

3F(<)基礎点1.87(←これが2Fの基礎点)、GOEは全員マイナス3で点が0.87点。ここから最後のマイナス1がくるから、 マイナス0.13

マイナス点なのだが、まあ、単純にゼロ点として、この微妙にマイナスのゼロ点ジャンプを含んでの点が123.17点。3フリップだけを決めていれば、基礎点の6.05点(フリップの基礎点は5.5点、後半に跳ぶと10%増し)が入る。実際に決めれば加点も入るので、実際はもっと点が出る。単純に基礎点の6.05点を123.17点に加えれば、129.22点。

ほら、やっぱり130点近いでしょう?

トリプルアクセルを2度決め、後半に単独3フリップだけでも入れれば、国際大会での基準でも130点近くは出るプログラムだということだ。

3F+3Loの3Loをダウングレードされたり、失敗して1Fになったりすると、かえって3F単独のジャンプのほうが加点もつきやすいから点数は出たりする。だが、浅田選手はどうしてもここに3Loをつけたいのだ。

なぜか?


昨シーズンまではこの3F+3Loは、キム選手の3F+3Tに対抗する連続ジャンプとして使い、成功すれば大きな点数を稼ぐ強い武器だった。

昨シーズンの世界選手権でのショートの連続ジャンプを見てみよう。
浅田選手 3F+3Lo 基礎点10.5点、ここに加点がついて 12.07点 (加点1.57点)
キム選手 3F+3T 基礎点9.5点、ここに加点がついて 11.36点

わかりますか? キム選手というのは「加点が命」の選手。しかもこの3F+3Tが最大の武器だ。ここで11.5点前後などという破格の点数を稼ぎ出す。だが、その「最大の武器」も、浅田選手に3F+3Loを跳ばれてしまっては、いかに加点を大盤振る舞いでもらっても、絶対に勝てない。

キム選手だけではなく、セカンドに3Tを跳ぶ選手は、コストナー選手。それにカナダのロシェット選手もまだ試合では成功していないが、用意している。彼女たちにとっても同じことなのだ。あとはトップ選手とはいえないが、レピスト選手も3トゥループ+3トゥループをもっている。

だが、それも浅田選手と安藤選手に3ルッツ/フリップ+3ループを跳ばれてしまっては、手も足もでない。だったらどうするか? 決まったジャンプも決まってないことにすればいいのだ。

ループとトゥループを比較した場合、当然ながら簡単なトゥループのほうが完璧におりやすい。ジャンプの難易度は難しいほうから

アクセル→ルッツ→フリップ→ループ→サルコウ→トゥループ
だからだ。

セカンドに3ループが跳べる安藤選手と浅田選手は、以前は3トゥループを跳ぶ必要がなかった。より基礎点の高いループを強化すればいい。だから、彼女たちはセカンドのトゥループに力を入れなかったのだ(浅田選手は今季は入れていないが、昨季は入れていた)。

浅田選手はトゥループのほうがセカンドにつけると回転不足になりやすかった(去年は)。逆に3F+3Loについては、昨シーズンまでは、「しっかり跳べば認定してもらえる」と浅田選手は思っていたはずだ。ところが今シーズンは、認定されて12点もの点になっていた3F+3Loの3ループがまったく認定してもらえない。今季成功した(そしてダウングレードされた)浅田選手の3F+3Loは、どれも去年認定してもらって加点をもらったものより完成度が高い。リンクサイドのプロ中のプロ、タラソワ・コーチでさえ「クリーンにおりた」と思っているはずだ。だが、セカンドに跳ぶ2ループというのは、肉眼では見えなくても、どうしても小さなキズ――角度をかえてみれば、常にちょっとだけ足りない――がつきまとうのだ。それがスローで再生するとわかってしまうというわけ。

オーサーがたった1度認定された安藤選手のセカンドの3ループをスローでコマ送りさせて、「ほら! 足りてない!」と勝ち誇っている映像をご紹介したが、肉眼ではわからない不足が、どうしてスローを再生させる前からオーサーには察しがついていたのだろう? 恐らく彼は知っているのだ。セカンドの3ループというのがスローで見れば、そう見えるジャンプだということを。それを狙って今季厳しくしてきたんだから。彼はキム選手がwrong edge判定されたとき、「お友達を通じて、非公式に抗議する」と言った。そのお友達というのが、カナダ人の例の有力者。

思い出してください、今季のNHK杯のショート。浅田選手のセカンドの3ループを、解説の荒川静香が「見てみましょう」と角度をかえたスロー再生を見て、「大丈夫そうですね」と言っている。あれが、昨季までの、普通のプロの感覚だったのだ。それが今季からクレイジーな感覚になった。

安藤選手もそう。彼女は3ルッツ+3Loで12点前後の高い点を稼ぐ選手だった。ところがダウングレード判定になると、それがいきなり6点、7点と下がってしまうのだ。

今季のグランプリ・ファイナルのショートでのキム選手と浅田選手の連続ジャンプの点を見てみよう。このとき2人とも見た目にはクリーンに連続ジャンプを成功させている。

浅田選手 3F+3Lo(<) 基礎点7点、ここから減点されて 5.2点 (減点1.8点)
キム選手 3F+3T 基礎点9.5点、ここに加点がついて 11.5点 (加点2点)

これがショートでの点が僅差でキム選手のほうが上になった、すべてのカラクリといっていい。

世界選手権では勝っていた点が、回転不足判定によるダウングレードで、いきなり大負けになる。お互いに成功させた(ように見える)連続ジャンプ、それも自分のほうが難しいジャンプを跳んでいるのに、6.3点もの差をつけられては、「相手が相当失敗してくれない」と太刀打ちできない。

そしたら、ショートでキム選手が得意のルッツでスッポ抜けをやったのだ。だから僅差で助かった。

このカラクリがわからない素人は、ファイナルのショートで、「明らかにジャンプを1つ大失敗した」キム選手が、「ノーミス(に見える)」浅田選手に僅差で勝ってるのをみて、ビックリする。

そこで、わずかな演技構成点までもちだして、「キム選手は、ジャンプの失敗をおぎなえるほど芸術性が高い」などというトンデモな論評がはびこる。あるいは「キム選手は審判を買収して高い点をもらっている」という噂話が広まる。

「回転不足はダングレードせず、GOEでの減点のみに留める」というまっとうな方法なら、こんな点差はつかない。つまり回転不足の3回転ジャンプは、「2回転の失敗(まわりすぎた2回転)」ではなく、あくまで「3回転の失敗(足りなかった3回転)と考えるべきなのだ。

つーかさー、ふつう誰だってそう考えるでしょ。だから回転「不足」というのだ。ふつうじゃない理屈をつけてダウングレード判定を導入したのは、すでに何度も説明した「4回転を規制するため」だった。

まっとうな、「回転不足は3回転の失敗、だからダウングレードはせず、GOEでの減点だけにする」とどうなるか?

浅田選手 3F+3Lo 基礎点10.5点、ここからGOEで、たとえば1.5減点されたとしても9点
キム選手 3F+3T 基礎点9.5点、ここからGOEで、たとえば1.8点加点されたとしても11.3点

これなら2.3点の差。このくらいなら、浅田選手のループには「回転不足がありましたから」といわれれば、見てるファンもそれほど違和感はないはずだ。まさか、同じように決めてるように見える1回の連続ジャンプで、加点・減点も含めると6点も7点も違っているなど、ふつうは想像もしないだろうと思う。その想像もできない減点をしてるのが、今のダウングレード判定なのだ。

回転不足というのは、肉眼ではわからなくても悪いジャンプには違いない。だから減点されることは当然といえば当然なのだ。問題はその程度だというのは、このことを言っている。

ジャンプが不足気味になりやすい若い選手にも影響は甚大だ。アメリカの長洲未来選手は昨季の世界ジュニア選手権では162.89点を出したのに、今季のNHK杯(全日本で女子のスペシャリストをつとめた天野氏がアシスタントスペシャリストだった)で124.22点!。40点近くも下がってしまったのだ。もはや笑うしかない。ジャン選手もジャンプをあっちこっちダウングレードされるので、のびざかりのはずが、今季はいきなり弱くなった。

アメリカというのがまた、有色人種(アジア)系の選手と白人の選手が強いと、必ず白人の選手を「あげ」ようとする。あるいはアジア系の選手を「さげようとする人が多い」というべきか。

さんざん「フィギュアは表現力」と言っていたくせに、中国人系のクワン選手のライバルとして若い(ほとんど幼児体形だった)リピンスキー選手が出てくると(それもちょうどプレオリンピックシーズン)、あの回転不足気味の3ループ+3ループを高く評価し、クワン選手はリピンスキー選手に負け続けた。

クワン選手は「ミス・パーフェクト」と呼ばれ、3+3はないものの、フリーでは2つのルッツを含めた5種類のジャンプを安定してすべて決めることができ、表現力に高い評価が与えられる選手だった。そこに3+3を跳ぶ若い選手が出てきたら、いきなりそのジャンプをやたらと評価したのだ。

フィギュア・スケートの採点というのは、こういう世界で行われているということだ。

<フィギュア・ネタはいったんここで終わりにします。明日からは、お気ラク日常ネタ、美味しいものネタ、旅行ネタなどに戻ります。よろしければ、また気晴らしにのぞきに来てください。
では、みなさん、4大陸選手権での日本選手のよい演技に期待しましょう。浅田選手には休んで欲しいですが>





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最終更新日  2009.01.03 00:59:32
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