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昨日の東京は砂塵の街と化した。気温が突然25度を超え、強風が吹き荒れて、舞い上がった土埃で視界が悪化。街全体が汚れた雲のなかに入ってしまったかのような異様な天気だった。外出する気にもならず、家へ閉じこもり、窓の外の灰色の景色を陰鬱な気分で眺めていた。黄砂かと思いきや、乾燥した空気中に細かいちりが浮遊する「煙霧」という現象だったという。明けて3月11日。一転して気温は10度以上さがり、冬の関東に特徴的なすっきりとした青空が広がった。乾いた冷たい風に揺れる樹木ごしに、高い空を見上げる。今日は3月11日。2011年の東日本大震災から2年がたった。震災後、そして1年後の3.11にも、Mizumizuはここで仙台のあるショップを紹介した。今年もそうしようと思う。仙台の「カレーのにしきや」震災前には、安くておいしい「伊達鶏キーマカレー」を贔屓にしていて、当ブログでも何度か紹介していたのだが、割安感のあるこの商品は震災後しばらくしてなくなってしまった。そのかわり、「鶏キーマカレー」という商品ができた。カラメルソースの甘みがきいてます♪にしきや鶏キーマカレー正直に言うと、以前の「伊達鶏」のほうが、コクがあって上品な味だったような気もする。にしきやは震災後は、高級レトルトカレーに力を入れ始めたようで、「この値段を出すなら、レストランに行ったほうがいいのでは?」というような高価な商品が増えてきた。世界各地のカレーの味が楽しめる専門レストランがひしめきあっている東京に住んでいるMizumizuは、レトルトにそこまで本格的な味は求めない。だから、にしきやの高級レトルトカレー路線には、さほど魅力を感じなくなってしまったのだが、変わらずに贔屓している商品もある。ぜいたくに素材を味わう♪北海道コーンの濃厚スープにしきやコーンポタージュ5食入これなら値段もリーズナブルで、手軽にコーンの自然な甘さたっぷりのポタージュスープが味わえるから、自信をもってお奨めできる。Mizumizuがときおり紹介する楽天ショップの商品のなかでも、抜群の人気を誇る「にしきや」。震災後、工場が被害を受けたとかで、たびたび品切れになりながらもビジネスを続け、新しい境地を開拓している企業だ。「レトルトを超えたレトルト」という企業目標は、食べたことのある身としても頷ける。あくまでもいちファンとしてのご紹介。興味のある向きはお試しあれ。
2013.03.11
東日本大震災から1年。正直、もう1年たったのかと驚く自分に驚いている。あの瞬間・・・・・・Mizumizuは杉並の自宅にいた。長く続いた横揺れ、大きな地震だとは思ったが、その後テレビに映し出された映像に言葉を失った。悪魔の舌がすべてを舐め尽し、人々の生活を破壊しつくしていくようだった。それから、徐々に明らかになってくる被害の実情も想像を超えたものだった。被災地の企業支援の意味をこめて、ご紹介した仙台の「にしき屋」が好評だった。震災後しばらくは、品薄状態が続いたが、現在では完全に復旧したようで、新商品を投入するなど、ますます頑張っている様子。好きな店なので、今年もバナーを貼っておこうと思う。ぜいたくに素材を味わう♪北海道コーンの濃厚スープにしき屋 コーンポタージュ5食入送料無料☆化学調味料無添加であっさりした味わい♪伊達鶏キーマカレー4食入ごぼうたっぷり、シンプルに仕上げたヘルシースープ!雑誌ananで紹介されました♪にしき屋 ごぼうポタージュ5食入
2012.03.11
長いこと品切れ状態だった、にしき屋のコーンポタージュ。震災被害を受けた工場の復旧も順調に進んでいるようで、コーンポタージュの販売も再開されたもよう。素材を味わう♪にしき屋コーンポタージュ(5袋入)伊達鶏キーマカレーとセットで買えば、送料無料になるので、買い損ねて残念な想いをされていた方は、この機会に一緒にお試しあれ♪送料無料で、お買い得☆伊達鶏キーマカレー4食入
2011.05.18
先日ご紹介したあと、いったん品切れになった、にしき屋「伊達鶏キーマカレー」。再び販売を開始したようなので、買いそびれて残念な思いをしていた方はお早めにどうぞ。(にしき屋は被災地の企業です)。送料無料で、お買い得☆伊達鶏キーマカレー4食入 具だくさん、食べるスープ★ananに掲載!国産野菜のコーンチャウダー5食入(無添加)【プレミアム仙台】シリーズにしき屋の仙台カレー(仙台黒毛和牛使用)ゴールド牛タンカレー2食入
2011.04.19
お知らせ:先日ご紹介したにしき屋の「伊達鶏キーマカレー」、注文が殺到したのか、さっそく品切れになってしまった模様。「にしき屋の仙台カレー(仙台黒毛和牛使用)」と「ゴールド牛タンカレー」はまだあるようです。コーンポタージュは相変わらず品切れですが、「コーンチャウダー」のほうは来週火曜日から発送再開になる予定とか。コーンチャウダーは食べたことがありませんが、レビューを読むと、評判は上々の様子。
2011.04.15
被災地の企業を応援したい、でも情報がない・・・ という方の参考になれば嬉しいのだが・・・仙台のにしき屋。Mizumizuはここの「伊達鶏キーマカレー」と「コーンポタージュ」が大好きで頻繁にリピートしていた。大震災のあとアクセスしてみたら、販売を休止しているとのお知らせ。被害甚大だったのだろうか、と心配になり、かつあの味がもしなくなったら・・・と大変残念に思った。ところが先日アクセスしてみると、数量限定ながら、一部の商品が販売を再開しているではないか!送料無料で、お買い得☆伊達鶏キーマカレー4食入このカレー、カレーは全般に好きだが、キーマカレーそのものはそれほど好物でないMizumizuでもおいしく食べることができた。鶏肉に臭みがまるでなく、レトルト特有の後味の悪さもない。レトルトでよくぞここまで・・・と拍手したくなるナチュラルな味だ。辛さもほどよく、非常にスパイシーなカレーを好む向きには物足りないかもしれないが、そのぶん、年齢を問わず日本人の舌になじみやすい味だと思う。カレー好きのアナタ、一度お試しあれ。大震災の影響で、数量限定での販売になり、品切れになったところでまたいったん販売休止になるということなので、そのあたりはご了承を。Mizumizuの好きなコーンポタージュは残念ながら販売休止のままだが、カレー商品はほかにも、ちょ~お高い「にしき屋の仙台カレー(仙台黒毛和牛使用)」も、「ゴールド牛タンカレー」も販売を再開している。仙台カレーは以前から興味があったのだが、「レトルトにしては高すぎませんか?」という囁き声がどこからかして、手が出ずにいた。しかし、この機についに頼んでみようかな。【プレミアム仙台】シリーズにしき屋の仙台カレー(仙台黒毛和牛使用)ゴールド牛タンカレー2食入
2011.04.14
以前は吉祥寺にあったインドカレーのMOTI(モティ)。ここのバターチキンをランチでオトクに食べるのが好きだったのだが・・・ずいぶん前に吉祥寺から撤退してしまい、今MOTIを食べるなら赤坂まで行かなければならない。しかもバターチキンはオトクなランチセットメニューから外れてしまい、単品で注文しなければいけなくなった。バターチキンは恐らく一番人気だっただろうから、お店としてもランチで提供するのはもったいないと思ったのか。赤坂近辺はMizumizuにとっては行きにくい場所。赤坂といえばTBSだが、あのあたりは、駐車場が高いのだ。しかも、週末になると、タレント目当てなのか、おのぼりさんでごった返し、赤坂サカスが銀座のような人出になることも。赤坂は基本的に飲食店街なので、銀座ほど多種多様な店があるわけでもなく、昼間歩いて楽しめる街でもないと思うのだが・・・クルマ移動が基本なMizumizu+Mizumizu連れ合いにとっては、距離的に遠くても、日本橋三越で2000円買えば5時間置ける、太っ腹な日本橋本町駐車場のほうが使い勝手がいい。しかも、この駐車場、週末だろうと祝日だろうと、時間帯がいつだろうと、必ず並ばずに駐車できる。デパートの駐車場に停めるために1時間待ち・・・などというのは、Mizumizuには面倒すぎる。そんなこんなで、MOTIからは足がすっかり遠のいた。それでも赤坂に用事があるときなどは、寄ってみたくなる。しかし、赤坂というところは、美味しい店が多いエリアでもあり、赤坂に来たら、じゃMOTIというわけにもいかないのだが・・・久々に食べたバターチキン。AMAにキングの座を明け渡したとはいえ、クイーンの座には留めておいてもいい味。バターの濃厚で重厚な味わいと、ほのかな酸味。それから、食べ終わることになると塩を強く感じる。しかし、量が多い・・・(最近、こればっかり)。重いカレーソースなので、最初は美味しいのだが、食べ進むにつれて、味に飽きがくる。ちょうどフランス料理のバターこってりのソースのよう。適量なら感動できるのだが、大量には食べられない。カレーの奥に鎮座してる犬の落し物(笑)みたいなのは、シークカバブー。肉の臭みと強烈なスパイスのハーモニーは、Mizumizu連れ合いの大好物(実は、Mizumizuには、ちょっとキツすぎて、ダメなのだが)。MOTIは、 東京ではインドカレーの老舗的存在だと思う・・・のだが、最近はもうどこにでもこの手の店ができてしまって、差別化しにくくなったのが、気の毒なところ。場所は赤坂見附と赤坂のTBSの前、それに六本木にもある。バターチキンの味は・・・実は、味には多少ムラがあるように思う。店によって、というより日によって。塩の量が多かったり、少なかったり。 インドレストラン モティ 東京都港区六本木6-2-35 ハマビル3F - 03-3479-1939 インドレストラン モティ 赤坂TBS前店東京都港区赤坂2-14-31 金波ビル3F 03-3584-6649 インドレストラン モティ東京都港区赤坂3-8-8 赤坂フローラルプラザ2F 03-3582-3620
2010.07.17
地下鉄・神保町駅A6出口から徒歩1分。岩波ホールの裏の路地にある古ぼけた建物、神田古書センタービルの2階。およそ人が集いそうもない場所にあるのが、欧風カレーの店「ボンディ」。行くのはいつも週末なのだが、いつ行っても混んでいる。時には行列ができていて驚くこともある。建物の外はがらんとしている日曜日でも、やっぱりここだけは人がいる。いったい、なんでこんなに人気なのか?こちらはビーフカレー。とけこんだ野菜の甘みに、フルーツの酸味の活きたカレーソース。エスニックが苦手な日本人にも嫌われないであろう、上品なスパイス使い。複雑で深い味だが、個人的には、「フルーツ系のカレー」と言いたいくらい、フルーツの爽やかさを特に強く感じる。確かに個性的で手をかけたカレーだが、正直に言うと、「絶品」というほどでもないと思うのだ。衝撃的な絶品カレーを期待して行くと裏切られるだろう。だが、よく混んでいる。客層もなにも学生だけではなく、おじさんだけではなく(近所のキッチン南海は完全におじさんの園)、女性も男性も、若者もシニアも、ありとあらゆる世代が来ている。値段はというと、カレー1人前で1350円と、学生の街にしては、決して安くはないのだ。昔からやっているカレー屋のせいか、カレーソースはさほど辛くない。「中辛」だとご飯があまるくらい。なにしろ、ここはご飯の量が多い。気取ったところだと、「いくらなんでもご飯が少なくないですか?」と文句を言いたくなるような店も多い最近の日本だが、ここは、「こんなによそっていいんですか?」と、少し驚くほどの量。このご飯を食べつくすために、Mizumizuは必ず「辛口」にしてもらう。うう~ん、ということは、辛さは自分で選べて、しかも基本的に辛すぎず、ご飯のボリュームが凄いことが人気の秘密なのか?しかも、ここは、カレーを注文すると、バターつきのジャガイモが出てくるのだ。写真は2人分。つまり1人に2個!ご飯もぎっしりで、そのうえジャガイモまるまる2個食べるって・・・・(苦笑)。炭水化物地獄じゃありませんか?このジャガイモは余計だと思うのだが、どうやらそう思っているのは、Mizumizuと、Mizumizuの比でなく炭水化物攻めが苦手なMizumizu連れ合いだけのよう。若い女の子も、簡単に(そう見えるだけか?)完食している。ジャガイモだけコソコソお持ち帰りするのは、Mizumizu+Mizumizu連れ合いだけのよう。だって、残すのはもったいないし。うう~ん、握り飯でお腹をいっぱにする国民性ゆえなのだろうか。ご飯+ジャガイモ2個という炭水化物系の多さが気にならないとは?ちなみに、ジャガイモの味は悪くはないです、もちろん。でも、ジャガイモはジャガイモだし・・・ベースになるカレーソースは一種で、辛さを変えているだけだと思うが、定番のビーフやポークやチキンに加えて、エビとかアサリとか、チーズとかミックスとか、メニューが豊富なのも、ここの特長。うう~ん、このメニューの豊富さが幅広い層にアピールするのか?ちなみにこちらは野菜カレー。なすやらオクラやらプチトマト、いろいろな野菜がこれでもかと入っている。非常にヘルシーなのだが・・・実はオクラが苦手なMizumizuには、ソレが邪魔で・・・ 苦手な野菜の多い人は避けたほうが無難か。というわけで、個人的にはここまで大人気になる理由がいまいちわからないのだが、そう言いながら、しばらくすると不思議とまた食べたくなる。これぞ「秘伝のスパイス」の妙技なのだろうか。切れると禁断症状を起こすヒミツのスパイスを入れてるのかもしれない(まさか!)。「ボンディ」千代田区神田神保町2-3神田古書センタービル2FTEL : 03(3234)2080【送料無料】初めてのお客様限定!伊達鶏キーマカレーお試し大特価セットギフトにどうぞ!【プレミアムシリーズ】4種類セットにしき屋のプレミアムセット(各1食ずつ)【ギフト】期間限定セール☆【新】にしき屋の牛たんカレーセット6食入り(無添加)送料無料で、お買い得☆伊達鶏キーマカレー4食入
2010.07.16
下落合に住んでいる大学時代の友人とご飯でも食べようかということになった。最初吉祥寺あたりにしようかと話していたが、どうせならお互いに近いJRの新宿~荻窪間でちょっとしたものが食べられる店はないかと考えた。こんなときにはインターネット。そういえば、カレーばかり紹介している優良ブログがある。「お気に入りのカレー屋さん500」(By たあぼう)というブログ。以前も渋谷で美味しいカレー屋さんを紹介してもらった(って、一方的に読んで行ってみただけのことだが)ので、今回も、とさっそくアクセスしてみる。最寄り駅から探すと東中野の「ミ★ドゥー」というお店が目に付いた。ブログの記事についているコメントを読んでも、評判がよいようだ。これなら友人宅からもご近所だろう。メールで友人に聞いてみると、行ったことがあり、なかなか美味しいという。なので、そこに決めた。東中野駅からすこしだけ歩いて、目指すミ★ドゥーへ。「いらっしゃいませ~」と愛想のよい声に迎えられて店内へ。平日の午後7時とハンパな時間だったせいか、まだお客さんがいなかった。カウンターと2人がけのテーブルが2つあるだけの小さな店だ。Mizumizuは中辛の「チキン」を選んだ。カレーの前にジャガイモ&バターが運ばれてくる。友人は、「じゃがいも全部食べるとカレーが入らなくなるから」といって、すこし残す。小食だなあ。Mizumizuはカレーの前に完食。ほどなくして、カレーが運ばれてきた。チキンカレーのチキンは皮なしのモモ肉で、しっかり下味がついている。地鶏だろう。ブロイラーの鶏肉のようなスカスカ感がなく、鶏肉自体の食感もいい。ニンジンやセロリ、それにタマネギをじっくり炒めたというルーは、野菜の甘みに満ちており、濃厚ながら重すぎることはなく、スパイスも多彩な風味を添えてはいるが、それほどキツくない。これなら何度食べても飽きなさそうだ。時間が進むにつれ、常連さんらしきお客さんが次々入ってきて、カウンターはにぎやかに。友人との話もはずんで、すっかり長居をしてしまった。それにしても、ネットのブログの威力(?)はすごい。以前ならその町を特集した雑誌やガイドブックを取っておいて、ペラペラめくって探すぐらいしか美味しそうなお店を見つける手段がなかった。ネットのホームページで探すという手もあるが、HPは所詮宣伝なので、いいことしか書いていない。口コミの評判というのは、細かい部分の感想だけ取り上げれば、もちろん自分の感性とは違う場合もある。だが、皆のいう「美味しい」「まずい」は案外正しいものだ。また、どこかでカレーが食べたくなったら、たあぼうさんのブログにお邪魔させていただこう。
2007.09.14
サイトウ・キネン・フェスティバルのあと、せっかくだから松本の街もちょっと歩いてみようと思った。松本城など見て(それについては明日)、ぶらぶら歩いていたら、由緒ありそうな喫茶店風のお店が目に留まった。ものすご~くレトロな雰囲気で、「時代おくれの洋食屋 おきな堂」とある。「洋食屋」というだけでそもそも十分に時代おくれ感に満ちているが、さらにそれに「時代おくれ」とみずからくっつけているのがスゴイ。ただ、メニューを見ると、「手打ちパスタのカルボナーラ」なんかがあるらしい。他にも洋食メニューがあるなか、カルボナーラのためだけに手打ちパスタを作るのはかなり大変だと思う。そんな効率の悪い(?)ことをやってるというのに興味を惹かれて、夕食はここでとることにした。店内に入って、ビックリ。相当趣味がいい! 白壁に古い写真が飾られ、天井からスポットライトで照らしている。古い洋館を思わせるような高い天井のメダイヨンから真鍮のシーリングファンが下がり、ペンダントライトの傘は時代がかった銅色。ウェイターさんたちは蝶ネクタイ。わざわざチャップリンのビデオをテレビで流している。シートはモスグリーンのレザー風で、ゆったりくつろげる。ここまで徹底した上質のレトロ空間を演出してる店というのは、東京でもめったにお目にかかれない。「いいじゃない~、このお店~」とすっかり気に入って、ふと壁に目をやるとなんといまどき、お客が書き込める落書帳がある! めずらし~とさっそくペラペラめくってみる。走り書きのようなのが多いが、中にはイラスト付きの本格的(?)なものも。カワイくて、思わずカメラにおさめてしまった。イラストつきのメッセージの最後に添えられた、「コーヒーと一緒に出たビスケットは、口直しですか?」という質問にお店の人が、鉛筆で「クッキです。手作り」と答えて書いているのがなんともほのぼのとした雰囲気。間もなく水が運ばれてきた。おお~、なんだ、このヨーロッパの静物画に出てくるような水差しは。またまた気に入って写真をパチリ。これで優雅に、好きなだけお水をいただける。お水だけでこれだけの贅沢感を出すところが… ここのオーナーはタダモノではないな、という予感。ところが、残念なことに、カルボナーラは「売り切れ」だという。ガ~ン! 午後6時半ですでにないということは、ランチでしか食べられなかったということだろう。夕食時にすでに看板(?)メニューがなくなるなんて… トホホな気分で、カレーに変更。ヒレカツカレーにしてみたのだけれど、これがことのほか(なんて言ったら失礼か)美味しくて、またまたビックリ! カツにまぶされた細かなパン粉の衣がサクサクで感動した。カレーはさらっとしたルーにスパイスがよく効いている。マッシュルームの大きさは特筆モノだ。そして硬めに炊いた上質の日本米。安っぽさが全然ない味だ。あとで気づいたのだが、「手作り」「化学調味料等ゼロ」だと書いてあった。確かにそんな味だ。しっかり丁寧に作った王道の洋食。これならきっとカルボナーラもオーソドックスで飽きのこない、レベルの高い一皿だっただろう。カルボナーラは別に高級なものではない。どちらかというと家庭のパスタだが、シンプルなだけに、実は安定して上手に作るのは難しいのだ。う~ん、残念、次に松本にきたら、ソバではなくて、ここのカルボナーラを試してみよう。食後にコーヒーを頼んでみて、またまたまたビックリ。お、おいし~じゃないの! これは相当のレベルだ。チェーンのコーヒーショップの資本力に押されて、本当に美味しいコーヒーを出す個人レベルの店を探すのが難しくなっている東京の現状を考えると、こんな素敵な雰囲気で、本格的なコーヒーの楽しめる店がある松本市民は実は恵まれているのかもしれない。いや、松本市民のレベルが高いのかも。地方のハイレベル味の店というのは、「値段が高い」といわれて案外やっていくのが難しくなる。個人経営の店はなおさらだ。東京に比べて地方の人は値段に非常にシビアだ(もっと率直にいえば、みんなビンボーだ)。「おきな堂」は昭和8年からやっているという。地元では「ぼっちゃんが来たがる店」という話もあるようだ。オーナーのコダワリはもちろん大切だが、それを理解して、それに見合う対価を払ってくれるお客がいなければ、よい店が長く生き残っていくのは不可能だ。よいモノを支持してくれる客層のない土地は、結局個性のないチェーン店や安いだけの店ばかりになってしまう。コーヒー豆は「ジャン・ネット氏の畑の無農薬珈琲豆(ブラジル産)」だという。もともとブラジルは好みだが、それにしても、せっかく冷やして出してくれた生クリームを使う気になれないぐらいストレートの味がよかった。エスプレッソもすこし焦げたような独特の風味のある個性的な味。シナモンクッキーがついてくる。強く効かせたシナモンの風味と硬い歯ごたえはドイツを思わせるクッキーだった。これも本格的なクッキーだ。すべてに手抜きがない。本当に素晴しい店だと思う。「たまたま」入っただけに、感動も大きかったのだろう。すっかりファンになってしまった。カツカレーagainかカルボナーラか、問題はそれだけだ。
2007.09.12
西荻の北銀座通り(通称カレー屋通り)が青梅街道と出会うところに、AMAはある。印象的な赤い外壁が目印のネパール料理の店だ。店内に入ると独特な香りがする。スパイスに体臭が入り混じったような感じ。それだけで、なんとなくエスニックな気分になる。もちろん、ここではカレーをいただく。こじんまりとしてアットホームな雰囲気に引かれて、家族連れでやってくる人も多い。あまり辛くないのも、子供やお年寄りを連れてこれる理由だろう。店員さん曰く、「おせいんべいです」。はあ… そういわればそうだが、現地では何というのだろう。やはりインド風に「パパラ」かな? カリッとかたい。塩味が強く、ほのかに海老の風味があり、スパイスも微妙に鼻腔をくすぐる。カレーはいつも頼むバターチキン。AMAのバターチキンはかなり甘口で、5段階辛さが選べるが、「普通」でも相当甘い。辛いタマネギとピーマンの薬味がついてくるので、クリーミーで優しい味のカレーに入れて食べるとホットなアクセントになって味に変化がでる。ナンは柔らかく、甘め。ところでこの店、店内のボードに「インドカレーは作り立てが一番で、日本のように一晩ねかせることはなく…」なんて書いてある。インドカレー? ネパールじゃないの? 店員さんに聞いてみたら、「ウチはインドのスパイスを使ってます。インドカレーみたいに辛くてあぶらっぽくないから、ネパールカレーは流行ってますよ」とのこと。んん? なんか話がずれてるような…(笑)。ま、とりあえず、「インドのスパイスを使ったネパールカレー」という定義、にしておこう。「インドの」って、そんな限定できるのかなってのは微妙に引っかかるなあ… ネパールカレーといっても、あまり馴染みがなかったので、インドカレーとして始めたというのが案外正解かもしれない。夢飯から始まってAMAで終る西荻のカレー屋通り。これだけ多彩で個性的なカレー屋が充実しているエリアもめずらしいだろう。カレー好きにはたまらない。道は完全にまっすぐではなく、適当に曲っている(真っ直ぐのびていて、先がずっと見通せる道は心理的に疲れる気がする)。それにちょっと下ったり上ったり、坂になっている。でも歩行者には歩きやすいように、駅からかなり長く歩道に屋根がついている。そういったヒューマンな要素も、ここを歩いて楽しいストリートにしていると思う。住所: 東京都杉並区善福寺1-1-21電話: 03-3394-4558 定休日: なし
2007.08.01
もはや東銀座の名物といっていいナイルレストラン。「ナイル河」のナイルではない。お店のオーナーのお名前なのだ。こんな本も出している。そして、ナイルレストランの名物といえば、やはり「ムルギーランチ」。席につくとウェイターさんがすかさず、「ムルギーランチ?」と聞いてくる。じっくり煮込んだ骨つきの鶏のもも肉とインド風のさらっとしたカレールー。黄色く色づけされたライスに温野菜。やはりナイルレストランでは素直に(?)これを頼むのがいい。夜でもやっぱりムルギーランチなのだ。Mizumizuが入ったのは週末。銀座だけあっておのぼりさん風のお客も多い。評判を聞いてやって来たのだろう。ケータイで写真を撮ってる「お仲間」もちらほら。混んでいたが、そんなに待たされることもなく、あっという間に料理が並んだ。写真の上に写っているのがムルギーランチ。鶏肉はウェイターさんが上手に骨をはずしてくれる。そして、野菜とルーとライスを思いっきり混ぜて食べるのだ。むむむ… ちょっとゲ●のようなので、写真はなしってことで(笑)。しかし、こうやって野菜もカレーも鶏肉もご飯も一緒くたにするとなぜか美味しい。インドカレーらしいスパイスの効かせ方と、鶏肉のエスニックな味付けがクセになる味だ。写真の下に写っているのはヨーグルトカレー。生っぽいヨーグルトの風味がよく残っている、こちらも正調エスニックなカレーだ。やはり野菜がたくさん入っていて、ルーはさらさら。ヨーグルトと相性のよいトマトの酸味も… 効いているというのか、煮込んでしまってトマトの味は抜けているというべきか(笑)。とにかく、野菜のうまみがルーに溶け出してるのは間違いない。それに、イエローライスにブリーンピースというのが、なんとなく懐かしい絵柄ではないか。客層は若い男性が多いが、はつらつとした中年女性も多い。50年もの長きにわたり、インドカレーを日本人に、好評のうちに提供しつづけているという事実に頭が下がる。ロケーションがよく、味がよいのはもちろんのこと、お店のオーナーの活発な営業活動の賜物だろうと思う。一方で、エスニックが苦手な人は全然受けつけないだろうな、という味だ。独特の香りが人によっては臭みに感じるかもしれない。今は大盛況だが、昔の日本人でこれを受けつける人は、なかなかいなかったのではないか。その意味でも、「本場インドの味を紹介してくれた」一代目ナイル氏の決心と信念と努力と忍耐に感謝したい。
2007.07.12
御茶ノ水駅から三省堂へ下る道は、今も昔も学生のにおいに満ちている。ここにインド風カリーの店「エチオピア」が産声を上げてはや四半世紀。今もコンスタントに若い男性が入っている人気店だ。昔から女性より、若い男性が多かった。今もそうだ。若者が多いのは、学生街だから当然といえば当然だが、女性より男性が多いというのはエチオピアの特徴のような気がする。エチオピアのカリーを支配しているクローブの芳香は、ある種の男性の嗜好には文字通りクギ(Clou)のように刺さるのかも。もっともこの強烈なスパイスの香りには、女性だって酔いしれることは間違いない。口当たりはあくまでさらっとしており、とろりとした日本の「欧風」カレーとは、まったく別物の料理だ。エチオピアでは辛さが70倍まで指定できる。Mizumizuは5倍にしてみたが、ちょっとキツかった。横に座った「若干若いとはいいにくくなってきた」年頃の男性は、ライス大盛りの券を買い(ここは食券スタイル)、「辛さ20倍」と威勢よく言ったものの、いざカリーを食べ始めると水をガブ飲み。結局3分の1近く残してギブアップしていた。このような羽目にならないよう、くれぐれも辛さ指定は慎重に。カリーにはなぜかバターつきのジャガイモがつく。カリーができあがるまで、丸のジャガイモをくずして口に運びながら、本当の意味で「スパイシー」なカリーへの期待感を高めるワケだ。このあたりを歩くと、大学生に戻ったような気分になる。今はリバティタワーというりっぱなビルが聳えている明治大学の敷地は、昔はキャンパスの入り口で緑の植え込みなどがあった。昭和天皇崩御の直前、その前の道を歩いていてふと目をやると、白い看板に大きなキタナイ赤い字で、天皇を罵倒する文言が書きなぐって並べてあったのをふいに思い出した。あれを書いた青年(だろう、当時は)は、今頃どんなオジサンになっているのだろうか。
2007.07.08
荻窪のルミネのレストランに中村屋が入っている。新宿本店のレストラン「ルパ」ではいろいろなものを出してる中村屋だが、人気メニューであるカリーを中心にして「インドカリーの店 新宿中村屋」として多店舗展開を図っている。気がつけばあっちにもこっちにも中村屋のカリー店ができた。だが、どこも本店ほどの賑わいはない。Mizumizuも何度か入ってみたが、本店でのお気に入り、コールマンカリーがメニューになくて落胆した記憶がある。コールマンカリーが長らく本店以外で食せなかった理由はわからないが、先日荻窪ルミネの中村屋を通ったら、「コールマンカリー」があるではないか。しかも、1680円と本店より多少安い値段になっている。トマトとヨーグルトの酸味にタマネギの甘さが溶け合った中村屋のコールマンカリーは、Mizumizu大のお気に入り。長年贔屓にしてきて、新宿に行くと必ず食べていた時期もある。これは行かない手はない、とさっそく試してみることにした。落胆は、最初の一口ですぐにやってきた。味が薄い。スパイスのほうに重点が置かれ、スープカリーのようだ。というより、単に水で薄めてしまったのをスパイスでごまかしたという感じだ。丁寧に煮込んだタマネギの風味も感じられない。とろりとしていたはずのルーは、やけにサラサラになり、酸味も甘みもぼやけてしまっている。本店に比べて安いのは、ルーの入っている容器を形の違いをみてもわかるとおり、量の問題のようだ。荻窪店のほうがずっと鶏肉もジャガイモもルーも、少ない。どうしたというのだろう? 残念な気持ちでレジに行くと、目に付いたのはやたらと種類の多い、自社の名前を入れたレトルトカレー。こんなに出してたっけ?だいたいレトルト食品に手を伸ばしたところで、その店は「美味の殿堂」としての輝きを失うことが多い。多店舗展開を図ったとたんに味が落ちる店に至っては枚挙に暇がない。中村屋よ、お前もか。そういえば、アトレ恵比寿の中村屋でも(コールマンカリーは、そのときはメニューになかったので)ナンのカレーを食べて、「味は並なのに、値段はそれなりだなぁ」などと思ったのだ。多店舗展開、自社ブランド商品の開発… そうすることで知名度は上がり、売上げも伸びるのかもしれない。だが、味のよさは別次元の話だ。事業規模の大きさとはむしろ反比例する運命にある。売上げの拡大を目指せば目指すほど、丁寧な料理は出せなくなる。皆わかっているはずなのに、ほとんどの「名店」がこの道をたどり、やがてはただの高級ファミレスになっていくのはなぜなのだろう。それが人間の業なのか。それが業だとしたら、名店はいつまで名店たりうるのか。Mizumizuは、このたび、かつての輝きを失いつつある名店を「危機名店」と名付けることにした(世界遺産の危機遺産をパクっただけだが・笑)。ちなみにグーグルで検索してみたが、「危機名店」なる言葉はまだ使われていない。カリーの中村屋は正真正銘「危機名店」第一号だ。そういえば、フジテレビの番組か何かでカレーの名店として、中村屋は3本の指に入ったこともあった。だが、今後もその名声を保ち続けることができるのか。荻窪のコールマンカリーを試した今、懐疑的にならざるをえない。
2007.07.07
子供のころからカレーが好きだった。大人になった今も大好きだ。もう10年以上前、三鷹に住んでいた私は、荻窪においしい欧風カレーの店があると聞いてやってきた。それが「トマト」だった。駅からわりあい歩いた記憶がある。細い路地を折れたところにあり、それほど便利な場所ではなかった。喫茶店のようなそのお店には、「1週間以上かけて作ったカレー」というような紹介文が書かれた看板が店内に下げてあり、混んでいないのにカレーが出てくるまでずいぶん待った記憶がある。そのときの印象は、期待が大きすぎたのか、「やたらと煮込んだ感じの、値段の高いカレー」というものだった。まずいとは思わなかったけれど、それからわざわざ荻窪まで来て食べようとまでは思わなかった。だが、カレー用のご飯の入った皿を両手でいとおしそうに支えながらテーブルに置く、奥様の接客はとても丁寧だった。奥で調理してるだんな様も「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」ととても気持ちのよい声だった。だが、今近所に住んで思うのは、このカレーは年齢とともに、奥深さがわかってくる、ということだ。最近食べたのは和牛ジャワビーフカレー。食べる前に深呼吸してスパイスの香りを楽しもう。36種類のスパイスだそうだ。甘みと辛味の溶け合った、深い味わいのとろりとしたルー。ご飯もアルカリ水で炊いたコシヒカリだという。素材へのこだわりは、やはり他店の追随を許さない。今食べて10年前よりおいしいと感じられるものなんて、そうはないと思う(逆は、よくある)。「トマト」はやはり、そういう稀有な店なのだ。ご夫婦の個人経営で、儲けより質、と考えているからこそ出せる味だと思う。値段は1680円。確かにカレーとしては高いけれど、材料や手間を考えれば、むしろギリギリの設定だろう。ご飯の入ったお皿を大切そうにテーブルに置く奥様のしぐさも昔と変わらない。このカレーは、ご夫婦ふたりが長い時間をかけてじっくりと作り上げた「作品」なのだ。スパイスだけにも頼らない、煮込んだ野菜の甘みやとろみやダシだけにも頼らない。すべてを贅沢に使った、この滑らかな口当たりと深遠なる風味。だからこそ、10年前も今も「欧風カレーといえばトマト」といわれ続けているのだ。定期的に雑誌に取り上げられるので、そのときだけは行列が出来たりするが、普通の平日の夜はすいている。名前に惹かれて冷やかしで一度行ってみたことのあるアナタ。5年たったらまた来て欲しい。きっと昔よりおいしく感じられるだろう。そして、奥様の笑顔とだんな様の元気な声で迎えられる店内には、カレーとシチューの薀蓄を述べた看板が、きっときれいに拭かれてそのまま壁にかかっているだろう。店名 欧風カレー&シチュー専門店 トマト 住所 東京都杉並区荻窪5-20-7 吉田ビル1F 電話 03-3393-3262 営業時間 11:30~14:00(L.O.13:30)、17:30~21:00(L.O.20:30) ※売切次第閉店 定休日 火曜日 座席 16席
2007.07.04
見よ! このスリムなエイのようなナンを!。スバリ、ガネーシャ・ガルの魅力はこのナンにある。ちぎって顔に近づけると、小麦粉のふくぶくとした香りが鼻腔をくすぐる。口に含んで噛んでみると、なんともいえない甘さが広がる。「旨いは甘い」なんて、どっかのCMではないけれど、辛いと思われているものの美味しさが実は甘さにある、というのは真理だ。塩だって、本当に美味しい塩はどこかに甘さがある。パルマの生ハムだって、上等なものは実は不思議と甘い。ガネーシャ・ガルが老若男女、幅広い客層から支持を得ているのも、この甘さにヒミツがあるような気がする。加えてナンの食感。薄いところはパリパリとしていて、厚めのところはふっくらとしている。この食感の違いも丁寧に味わいたい。写真のカレーはバターチキン。Mizumizuお奨めの一品だ。トマトの酸味にバターの風味が加わり、そこにカシューナッツも隠れている。フレッシュで、ほのかに深くスパイシー。決して辛くはなく、むしろ甘いといいたくなるのだ。「ビロードの口当たり」とメニューに謳うように舌の上でゆっくりと溶けていくような独特の食感は他店の追随を許さないかもしれない。舌先がしびれるようなスパイシーなカレーを求める向きにはお奨めできないが、トマト、ヨーグルト、しょうが、生クリームといった素材ととりどりのスパイスの醸しだすたおやかで気品のある風味を愛する人には、十分に気に入ってもらえるだろう。そういえば、この店、どちらかといえば男性より女性の比率が多い。そして、カレー専門店では珍しい、老年のご夫婦が座ってゆっくりナンを口に運んでる姿もよく見かける。こうした客層の広さがガネーシャ・ガルの強みだと思う。ただ、欠点は、カレーが少ないこと(笑)。量まで貴婦人向けなのかな? 「もう少し食べたい」というところでカレーが終ってしまう。ナンとの配分にはご注意を。店名 インドレストラン&Bar ガネーシャ ガル 西荻窪本店 住所 東京都杉並区上荻4-4-1 電話 03-5382-9441 営業時間 17:30~23:30ラストオーダー23:3011:30~14:30ラストオーダー14:30 定休日 無休
2007.06.26
通称「カレー屋通り」の西荻窪北のバス通りにある個性的なカレーのお店「HUGE」。一見するとオシャレなカフェバーのよう。もちろんお酒も飲めるのだが、ここもやはり入るとスパイスの香りがそこはかとなく漂ってくる。写真は辛口のビーフカレー。スタイリッシュなお皿に硬め炊いたご飯、それにスパイスが強烈に効いた、かなり辛く、そして個性的な苦味を感じるカレーだ。口当たりはさらっとしているので、スープカレーといってもいいかもしれない。牛肉は漬けたものだという。独特の臭みと酸味がある。この店の特長は、カレーのベースがすべて違うということ。たとえばエビカレーはココナッツ風味のまったく違った色合いだ。チキンカレーだって、ビーフとまったく違ったベース。肉を変えただけではないのだ。それは確かにスゴイことだと思う。ただこの店、残念ながら流行っているとはいえない。頻繁にそばを通るのだが、お客は一組、あるいはゼロということが多い。心なしか調理担当のマスターも元気がない。Mizumizuがこのカレーを注文したときも、マダムが何か話しかけてもロクに答えようとせず、調理が終るとさっさと腰掛けて、通りのほうばかり見ていて、なんだかものさびしかった。他のお客さんは、ゼロ。なぜあまりお客が入らないのだろう? カレーは非常に凝ったものだ。ビーフカレーにはカスピ海ヨーグルトを使っているという。肉にもひと手間かけているという。味が悪い? そうは思わない。強烈なスパイスの風味はあまり一般受けはしないかもしれないけど、一種麻薬のような魅力があり、時間がたつとまた食べたくなってくる。駅から遠い? それもあるかもしれない。でも、同じ通りで、もっと駅から遠いガネーシャガルはコンスタントにお客が入っている。一見してカレー屋に見えない? それもあるかもしれない。アメリカンな内装は統一感があって趣味もいいが、脚の長いスツールはちょっとスタイリッシュすぎる。カレーはもっとくつろいで食べたいものだ。値段が高い? それもあるかもしれない。凝っているのはわかるけれど、一皿で900円台というのは、ちょっと割高感がある。そういった、ちょっとした要素の積み重ねで流行る店・流行らない店が決まるのだと思う。西荻はもともと、ゆる~い、ディコントラクティッドな街で、そんなに商売っ気はなくてもいい、いや、商売っ気なんてないほうが、むしろ西荻らしくていいのだ。でも、それにしても、あまりにガランとした店だと心配になる。なくなってしまうのじゃないだろうか? せっかく個性的なカレーを食べさせてくれる店なのだから、もうちょっと工夫してお客さんを呼び込んでほしい。といいながら、Mizumizuも圧倒的にY's Cafeかガネーシャガルに行く頻度のほうが多いのだ。う~ん、やはり作り手がいくら凝っても、食べるほうがそれをどう捉えるかというのは微妙で難しい問題だ。ヒュージ(HUGE) 住所 東京都杉並区西荻北2丁目27-7 電話 03-3399-2110
2007.06.24
荻窪駅を青梅街道に向かって北上するバス通りは通称「カレー屋通り」とも呼ばれている。個性的なカレーの店が、この道を中心に散在しているのだ。Y's Cafeも名だたるカレー屋のひとつ。バス通りを5-6分ほど北へ歩き、左に折れたところにある(坂本屋とも近い)。南の長崎亭が「赤」のイメージなら、この店のイメージはブルー。店の前に置いてあるハーレーも、店先のオーニング(布の庇)もブルー。中の照明もサカナの形をした水色のペンダント。オーナー夫妻からも海、それも沖縄の海への愛情が伝わってくる。お2人ともよく日焼けしていて、いつも沖縄のTシャツを着てる。そして、店の棚には沖縄の泡盛がずらり。インテリアも沖縄グッズで統一している。お酒も飲めるし、おつまみもたくさんある。でも、やはりここに来たお客のほとんどが注文するのはカレー。いわゆる「欧風」と日本で呼ばれてる、タマネギをじっくり炒めてスパイスを効かせたシチュータイプのカレーだ。欧風カレー自体が食べやすいせいもあるだろう。この店の客層は幅広い。こちらのテーブルでは若者がグループでカレーとデザートを食べてるかと思えば、あちらの席では、仕事帰りらしきおじさんが1人でカレーをパクついてる。Mizumizuもこの手のカレーは大好き。かなり頻繁にお世話になっている。辛さは甘口・中辛・辛口から選べて、牛肉、豚肉、シーフード、それにゴーヤーなんてのもある。まあ、全部ベースは同じで、辛さはスパイスで調節して、入れる中身をその都度かえてるだけといえば、そうなんだけど、案外この手はカレーは飽きないのだ。ベース自体、かなり時間をかけて作ってると思うし。タマネギを甘く炒めるだけでも大変なことだ。たいがい牛肉カレーを頼むけど、たまにシャキシャキのゴーヤーが食べたくなって、「中辛のゴーヤーカレー」を頼む。カレーと合うかどうかって話になるとイマイチ断定はできないが、ゴーヤーはこれでもかってぐらい入っているし、茹で加減もよくて「また食べたくなる味」だ。常連も多い。店に入ったとたんに豊穣なスパイスの香りでうっとりさせられるのだが、夏は窓も全部開け放って営業してるのが、いかにも「南国大好き」のオーナーのコダワリが感じられて、またそれはそれで楽しい。欧風カレー Y’s Cafe 住所 東京都杉並区西荻北3-31-10 小西ビル1F 電話 03-3394-1557 営業時間 11:30~23:00(L.O.22:30) 定休日 不定休(年2回1週間休みあり
2007.06.23
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