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2009.01.30
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モザイクの宝庫、シチリア。

ピアッツァ・アルメリーナで発掘されたローマ時代のヴィッラの床モザイクは、当時の風俗や貴族の生活をテーマとしたものだったが、パレルモにあるノルマン王宮に施されたモザイクは、豪華絢爛でエキゾチックなアラブ様式が訪れる人を圧倒する。

ルッジェーロ2
「ルッジェーロの間」のモザイク。まばゆい黄金を基調として、流麗なアラブ風の装飾模様が壁と天井を覆いつくしている。

ルッジェーロ
上段は狩りの風景。下段には植物と猛獣。奥には鳥。どのモチーフも様式化され、左右対称に描かれている。モザイクで表現されたこの世界は、一種の楽園のデザインなのだ。現実をより写実的に描出することに向ったキリスト教徒的な美意識とは対極にある。これぞまさしく、アラブの美。

この極めてアラビックな居室の主はノルマン王朝初代シチリア王、ルッジェーロ2世。シチリアという南の島でなぜ「ノルマン人」の王朝が成立したのか、そして初代の王がなぜ「2世」なのか、その物語は、北フランス・ノルマンディー地方のとある小さな村から始まる。

ココ↓
オートヴィル

オートヴィル・ラ・ギシャール――11世紀、ここはノルマンディ公国の一部で、ノルマンディ公に仕える小領主のオートヴィル家の土地だった。

オートヴィル家を含めたノルマン人のルーツは北欧にある。北欧、すなわちスカンジナビア半島やユトランド半島出身のバイキングたちが、8世紀末から海賊として、ヨーロッパの沿岸地域を荒らしまわった。その一部がフランス北部に定住し、ノルマンディ公国を作り上げたのだ。

11世紀のノルマンディ公国では、人口が急増し、領主の息子といえど土地を相続できない者があふれていた。そんな彼らが向ったのが、イスラム教徒の攻撃を頻繁に受けていた南イタリア。当時の南イタリアには傭兵の需要があった。中には功を立てて出世し、かの地で新しい領主となる同郷人も現れた。そんな風の便りを聞いて、オートヴィル家の兄弟3人がまずは南イタリアに向う。



グリエルモは出世を重ね、ついに南イタリアのプーリア地方を治める領主アプーリア公となる。グリエルモの死後は弟が領地を引き継ぐ。

オートヴィル家には12人(!)の息子たちがいた。グリエルモから見ると腹違いの弟にあたるロベール(イタリア語:ロベルト、以後ロベルトとする)も兄に続いた。ロベルトは権謀術数に長けた政治家でもあり、優れた軍人でもあった。彼には「狡猾な」を意味する「ギスカルド」というあだ名がつく。そのロベルト・ギスカルドは、長兄の鉄腕グリエルモの築いたプーリアを拠点に、次第に南イタリア全域に勢力を拡大し、3人の兄に続く4番目のアプーリア公となる。

ロベルト・ギスカルドと合流して、シチリア征服に乗り出したのが、オートヴィル家の末弟ロジェ(イタリア語:ルッジェーロ、以後ルッジェーロとする)だった。ルッジェーロが故郷のノルマンディを出たのが26歳。長身でイケメンで弁舌さわやかで冷静で温和な青年だったという(たぶん、NHKの大河ドラマ級にそ~と~美化されてるね)。

ルッジェーロはシチリア島全域を勢力下におき、シチリア伯となる。名目上は兄ロベルト・ギスカルド(アプーリア公)の家臣だったが、兄の死後は完全に独立し、アプーリア公をはるかにしのぐ南イタリアの強大な君主となっていく。そして、その息子ルッジェーロ2世が初代シチリア王(領地にはナポリ以南の南イタリアも含まれる)として戴冠、ノルマン人による王朝が成立するのだ。

日本人に置き換えれば、 山田長政 が2代がかりでタイに王朝を作ってしまったようなもの。想像を絶するスケールの立身出世物語だ。

http://www.medianetjapan.com/10/government/yaschan/sicilia/sicilia_001.htm

この家系図を見るとわかりやすい。左上の初代シチリア王ルッジェーロ2世が、26歳でノルマンディを出たオートヴィル家の末息子ルッジェーロの息子。

初代シチリア王ルッジェーロ2世の死後、ノルマン・シチリア王国はその息子グリエルモ1世、グリエルモ2世、ついで傍系のタンクレディを経てルッジェーロ3世、グリエルモ3世に引き継がれる。この間、王国を陰から支えたのは、イスラム教徒を中心とする有能な官僚組織だった。

ノルマン王家は、彼らが北フランスからやってくる前から南イタリアに定住していたアラブ人のもつ知識や技術を利用して、王国の繁栄を築いた。当時、農業技術・自然科学・医学といった分野では、キリスト教圏よりもイスラム教圏のほうが進んでいたのだ。



さて、ノルマン系によるシチリア支配はグリエルモ3世で終わり、その後のシチリア王国は、ドイツ系であるホーエンシュタウフェン家の神聖ローマ皇帝の支配に取ってかわられる。

…というのは、男系から見た話であって、実際には、グリエルモ3世のあとにシチリア王となったハインリッヒ6世は、初代シチリア王・ルッジェーロ2世の娘を妻としていた。その跡を引き継いだ息子フェデリコ2世(ドイツ語:フリードリッヒ2世、神聖ローマ皇帝としては「2世」だが、シチリア王としては「フェデリコ1世」)はだから、神聖ローマ帝国皇帝の息子であり、かつノルマン王朝初代シチリア王の孫なのだ。

ノルマン王家の血は娘を経由して、神聖ローマ帝国皇帝と融合し、2つの類いまれな血統を引き継ぐフェデリコ2世(1194-1250)が生まれた。そして、フェデリコ2世(シチリア王としてはフェデリコ1世)は、その血筋にたがわぬ異彩を放つ君主としてヨーロッパ中にその名をとどろかす。

9ヵ国語を操り、キリスト教的な迷信にとらわれずに先進の科学を学び、合理性と異文化への深い理解を兼ね備えていた王は、交渉によって聖地エルサレムを回復するなど、「世界の驚異」と畏怖された。

もともとイタリア生まれ、パレルモ育ちのフェデリコ2世は、神聖ローマ皇帝でありながら、生涯のほとんどを南イタリアで過ごした。彼のもとでシチリア王国の首都、異文化融合の地パレルモは、地中海世界の中心となり、当時のヨーロッパでも屈指の繁栄を誇った。



<シチリアねたは 4/22のエントリー に飛んで、続く>





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最終更新日  2021.03.05 20:02:39


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