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2009.04.05
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カテゴリ: Figure Skating(2008-2009)
<きのうから続く>

浅田選手が女王になったときも、セカンドにもってくる2種類の3回転ジャンプ、ルッツがありました。浅田選手はフリーではルッツが1つしか入りませんでしたが(ルッツからの連続ジャンプがないため)、そのかわりに不動のフリップ、ループがありました。なんで、トリプルアクセルは失敗、ルッツはエッジで減点でも、勝てたんですね。

安藤選手を世界女王にしたのは3ルッツ+3ループと言っていいでしょう。4回転ではないんです。むしろ4回転を入れようとすると安藤選手は負けるんです。それはやはり、今季も同じ。

浅田選手も3A失敗しつつも、3F+3T、ショートで3F+3Lo、それにエッジ減点されながらルッツを決めて女王になりました。ルッツはだいたいトップ選手は跳びます。だから、セカンドに3回転が跳べるかどうかで、世界女王になれるかどうかが決まると言っても過言じゃないわけです。

それが今年は、セカンドのループ認定しない攻撃で、今は奪われてしまったんですね。安藤選手、浅田選手とも。

で、今季始まってすぐに、Mizumizuは「今年はキム・ヨナの年」だと書きました。今回世界選手権での結果を見て、「どうして今季の浅田選手の演技を見ないうちにわかったんですか」というメールを数多くいただきました。そりゃ、もちろん日本人ですから、日本人選手に世界女王になってほしかったですよ。

今年はキム・ヨナのもの――そう思ったのはいくつか根拠があります。まずは昨季のジャンプの調子。昨季、実は浅田選手は物凄く多くの課題をジャンプに抱えてしまっていたんですね。まずは最大の武器、トリプルアクセルの確率が悪い。これはその前、つまり女子としてはジャンプが難しくなる時期にステップからの3Aなどという無謀なことをやってしまったのが一番の原因だと思いますが、とにかく、浅田選手は3Aが不安定で、決めたとしてもツーフットになりやすいのが、Mizumizuは非常に気になってました。ツーフットといっても、両足で着氷してしまう(回転不足ということ)ほどではないんですね。ただ着氷時にフリーレッグが「こすって」しまう。この原因は身体的なものです。腹筋・背筋が弱いから浮き足を持ち上げてキープできない。今季3Aが跳べるのか、跳べなくなるのか、実は昨季の浅田選手はギリギリのところにいたと思います。

それから、ルッツ。エッジの減点が始まって、矯正を迫られました。昨季はこれを正面突破することにして、あえて本格的な矯正はしませんでした。つまり今季に入る前に矯正しないといけなかったんですが、これがちょっとやそっとじゃできないことは他の選手を見れば明らかでした。それを教えてくれたのが、昨季に入る前にいち早く矯正に取り組んだ安藤選手だったんですね。去年彼女はルッツとフリップが不調で、コケまくりでした。「フリップを矯正してるんだけど、そしたら(元来彼女が得意である)ルッツも乱れちゃって…」と言った安藤選手を、「まだ安藤が言い訳してるよ」などと叩く人がいるのが悲しいですね。

ああいう無用のバッシングをするから、安藤選手は精神的に不安定になり、インタビューで何を言っていいのかわからなくなるんです(でも、世界選手権でのインタビューを聞くともう大丈夫だと思います)。彼女の言ってることは本当です。逆に考えるべきでした。「安藤選手ほどのジャンパーですら、矯正というのは難しいんだ」。実際に、アメリカ選手を始め、矯正はなかなか進みませんでした。ルッツを直したらフリップが曖昧なエッジになる。逆もそうです。ルッツとフリップはペアで乱れてしまうんですね。浅田選手は安藤選手と違って今季に入る前からの矯正になりました。これがまた非常に難しい課題です。



3A、ルッツ、セカンドの3回転にこれだけ多くの問題をかかえたまま浅田選手はそれでも女王になったんですね。一方のキム選手は、個々のジャンプには問題はなかったんです。ただ、滑りきる体力がなかった。日本のメディアは浅田選手が勝つと「相手のミスに助けられた」と書き、浅田選手が失敗して負けると、「浅田は精神力が弱い」などと叩きますが、まったくの見当違いです。ジャンプミスというのはシステマティックに起こります。昨季は、浅田選手に対抗するために組んだジャンプ構成を、他のエレメンツをこなしつつ跳ぶ力がキム選手にないから失敗してたんです。つまりキム選手の最大の問題は「体力」だったんですね。

で、今季。入れなければいけないエレメンツが1つ減ったことで、体力に不安のあるキム選手は助かりました。そして初戦。3ループは失敗しましたが、これは2Aでカバーできる、つまり今年は去年よりジャンプ構成を落とすことができたんです。来年はもう落とすことはできませんね。落とすとなると世界女王になるための最大の女子の武器、セカンドの3Tを2Tにしなければなりません。

そして、今季のキム選手のプログラムの振付。これが非常によかった。キム選手の最大の長所は「のびるスケーティング」です。それと連動しますが、「氷をつかむ力」が抜群です。これは安藤選手と比較するとわかります。安藤選手は脚のバネではキム選手に勝りますが(ループが得意なことで証明できます)、実は氷をつかむ力が弱い。だから、安藤選手は思わぬところで転倒したり、つまずいたりします。あの失敗がキム選手にはないでしょう?

つまり、キム選手は水平方向に滑っていくときのスキルが非常に高いのです。しっかり氷をつかんで進み、ストロークが長く、スピードを自由にコントロールできる。さらにエッジ遣いも深い。キム選手が滑ると、エッジが氷に張り付いているように見えます。これを「スネーク・ストローク」と個人的に呼んでいます。まるで蛇が進んでいくように見えるからです。このスネーク・ストロークが一般の人に「美しく見えるか」というと、それはまた別問題です。ただ、スケートを見てる人間なら、滑るテクニックが非常に高いことはわかるはずです。

では、短所は? 実はキム選手は動的で細かいステップを長く踏んだり、回転動作を交えながら素早く移動していくことができません。これは浅田選手に圧倒的に劣っている点です。キム選手のスケートの技術は荒川選手に似ているかもしれませんね。荒川選手にも同様の短所と長所がありました。

浅田選手はあの驚異的なステップを長く続ける体力と技術があります。「あんな難しいステップを最後にもってきたら、ジャンプを入れると、ステップでコケる」と今シーズン予言しましたが、ありがたいことに(苦笑)、ハズれました。最後の世界選手権では、心身ともに疲れ果て、かなりステップは劣化してしまいましたが、とりあえず、あの難度の高い、長いステップのパートを、コケたりつまずいたりせずに滑りきりました。本当に浅田選手の体力と技術は凄いです。

スケートの技術と一言で言いますが、何に着目するかで、高い低いはかわってくるんですね。今季のキム選手の振付は、彼女のスケートの長所を活かし、短所をなるたけ補うように工夫されていました。それはステップの部分。細かく動的なステップを長く踏めないキム選手は、たとえばストレートステップのときは、深く弧を描きながらスピードの緩急をつけて滑ってきて、緩めたところで、腕のふりを使った上半身の動作を入れ、次に素早いステップを入れていました。このときのステップの時間は長くありません。でも、長くなくていいんですね。レベルが取れれば。

スピードの緩急に、短いけれども細かなステップを組み合わせる。これはキム選手の長所を活かし、短所を補う見事な振付です。そこに、ジャンプをしたり、素早いターンを入れたりして、得意のポーズを見せます。このポーズは、実はわりとワンパタで、腕を大きく使いながら、ぐっと素早くターンし、肩越しに振り返り、片足を曲げて、別の足は伸ばす。この基本動作に、腕のポジションを変えたりするなど、少しバリエーションをつけたものなんです。

バレエ好きとフィギュア好きはわりと重なりますが、バレエ好きの方が「あればっかりで退屈」と言うのは、バレリーナのようには、腕そのものの動きもあまり続かず、躍動する動作の美しさがなく、ポーズの美に頼ってるからなんですね。ただ、エッジ遣いを含めた氷上の表現としては、高く評価できると思います。

それと新しいプログラムを見せるときに、必要なのが、「新鮮さ」。昨季までのキム選手は、東洋的な憂いを含んだ振り付けが多かった。今季のショートは、いわば「疾走する死」がテーマ。キム選手はエレガントさには欠ける選手です。表現力はありますが、どこか「いびつな」感じがします。それを好む人も嫌う人もいると思いますが、とにかく独特の個性であることは間違いありません。キム選手のショート『死の舞踏』では、「恐怖」が表現できていたと思います。

対してフリーはアラビックな妖艶さを出していました。これも得意のポーズの美しさを活かしながら、ショートとは違う世界を表現するのに成功してましたね。2つともキム選手の長所を活かし、短所を補う素晴らしい振付です。



そしてジャンプの調子もいい。去年のように後半明らかに体力がなくなり失速することもなくなっていました。ループはダメですが、あれははずせばいいことです。浅田選手のように多くの課題はもともとなかったし、別に新しいジャンプをやっているわけではない。つまり、とても安定した、減点ポイントの少ない演技だったんです。

浅田選手が克服しないといけない課題を考えると、今年はキム選手の年だな、と思ったんですね。浅田選手の今季のプログラムは「挑戦型」で、あれはあれでよかったと思いますよ。昨季ジャンプでかかえていた問題の克服具合も、予想よりずっとよかったです。ただ、ルッツが心配ですねぇ… それとセカンドの3回転を回転不足なくもってこれるのか。

ちょっと情報筋はまだ明かせませんが、ダウングレード判定に関しては、内部からも非難・批判の嵐だそうで、来季はどうなるか、まだわかりません。今より緩くなるのかもしれませんが、そうなったとしてもループは依然として危険です。

で、ロシェット選手に話を戻しますが、現在女王のキム選手が構成を下げられないのに対して、ロシェット選手の場合、フリーのジャンプの構成をまだ下げることができるんです。つまり2回転になってしまったループのかわりにダブルアクセルを入れて、ダブルアクセル3回の構成にする。

今の採点では、ミスして点を失うと負けます。だからスピンとステップとスパイラルのレベル取りに失敗しないぐらいのジャンプ構成にしないといけません。








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最終更新日  2009.04.08 09:56:46
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