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かねてからISUのチンクワンタ会長が強力にプッシュしてきた、オリンピックへのフィギュア「団体」種目導入。
このくだらない思いつきに賛同する形で、日本で開催されたのが「国別対抗戦」。日本以外ではよほどスポンサーがつかないらしく、2回目も2011年4月に日本で開催されることが決まっている。
これについて、オリンピックで新種目としての採用が本決まりになりそうだという記事が出た( こちら )。
バンクーバーで銀色の涙を流した真央が、4年後に金メダルを両手にうれし泣きする可能性が出てきた。「すごくいいですね。やってみたら楽しそうだと思います」。五輪団体戦について聞かれた真央は瞳を輝かせた。
4年後のソチ五輪の正式種目に提案されている「団体戦」は、各国が男女シングルとペア、アイスダンス各1組のチームを組み、それぞれの順位によるポイントの合計でメダルを争う方式と見られる。出場選手は個人代表に加えて、団体戦だけに出場できる枠も設けられる見通しだ。
新種目については来年4月にもロゲ会長が最終判断する予定だが、冬季五輪は夏季五輪に比べ選手枠に余裕があることから「世界選手権で競技レベルの高さや参加国数が十分だと証明されれば、ほぼ自動的に採用されるだろう」(ハイベルク理事)と障害はなさそう。特にフィギュアスケートはその注目度から放映権料が高く"ドル箱競技"の側面があるため、採用は最有力だ。
団体戦の五輪種目化については、国際スケート連盟(ISU)のチンクワンタ会長自らが強力に推し進めてきた。採用をアピールするため開催したのが昨年4月の第1回世界国別対抗戦(東京)。シングルには男女各2選手がエントリーする形で行われ、日本女子は真央と安藤美姫(トヨタ自動車)が出場。真央はショートプログラム(SP)で75・84点と自己ベストを出し、日本の銅メダル獲得に貢献した。
採用が決まれば"フィギュア王国"日本のメダル獲得に期待がかかる。シングルでは真央に加え、ベテランの高橋大輔、織田信成(ともに関大大学院)、安藤美姫(トヨタ自動車)が健在。若手も世界ジュニア選手権でアベック優勝した羽生結弦(はにゅう・ゆづる、東北高)、村上佳菜子(中京大中京高)が台頭。ソチ五輪では過去に例のないハイレベルな戦いが予想される。
いきなり「真央が、4年後に金メダルを両手にうれし泣き」などという意味不明の煽りで始まるこのお祭りワッショイ記事は、読んでいるだけで頭痛がしてきそうなのだが、別の記事では、 以下 のように、もう少し冷静に伝えている。
フィギュア団体 メダル有望種目かは疑問
国際スケート連盟(ISU)が五輪でのフィギュア団体採用をアピールするために開催したのが昨年4月の第1回世界国別対抗戦だった。男女各2選手とペア、アイスダンス各1組でチームを組んで争い、浅田真央(中京大)らを擁した日本は銅メダルを獲得した。
五輪は男女が各1選手になる以外はほぼ同じ方式が提案されており、浅田は「すごくいいですね。やってみても楽しそうだなと思う」と歓迎した。ただ高橋大輔(関大大学院)と浅田の男女世界チャンピオンを抱える日本が、五輪でメダルが有望かは疑問だ。
ことし3月の世界選手権でアイスダンスのキャシー・リード、クリス・リード組(木下工務店ク東京)は15位、ペアには代表すら送れなかった。ペアで将来が期待される高橋成美(木下工務店ク東京)のパートナー、マービン・トランはカナダ人で五輪では日本代表になれない。
国内の強化は男女が中心で、ペアが育つ土壌は乏しく、日本スケート連盟の吉岡伸彦強化部長は「五輪を考えるとペアがいない。ペアをやる子も指導する人もいないし、どこで練習するかも問題。簡単にはメダルは取れない」と手放しで喜べない現状を説明した。
日本はシングルは強いが、ペアやアイスダンスの選手層はお寒い限りだ。「ペアをやる子も指導する人もいない」――こんな状況で、マトモに考えてメダルが獲れるわけがない。選手を「輸入」しなければ無理だ。
昨年4月の「国別対抗」開催には、Mizumizuは個人的に反対だったので、反対運動にも参加させていただいた。1つは、ただでさえ、ショーやイベント試合で忙しい日本選手をオリンピックシーズン直前にかり出す意味がないこと。もう1つは、「団体」をオリンピック種目にする意義も必要性も感じられなかったためだ。
フィギュアスケートはどこまでも個人競技だ。それを五輪という場で、国別の団体戦で競う意義はどこにあるのだろう。国別対抗で日本はアメリカ、カナダに次いで3位だったが、ソチに向けてロシアはジュニアを強化している。ペアおよびアイスダンスを含めたフィギュア競技全般でのロシアの選手層の厚さは日本の比ではない。アメリカやカナダも同様に幅広くいい選手がいる。
となれば、五輪でのメダル争いはまたまたロシア(および次点としてフランス)vs北米という嫌な図式になる。ソチでどういう採点がされるのか。ロシア人はとっくにフィギュアの採点など信用していないし、日本人にも採点の胡乱さは知れわたってきている。ましてや団体戦となれば、どの競技にどれくらい比重を置くかというルール策定を含めて、政治色の強すぎるイベントになりそうだ。
「ペアがいない」日本がメダルに絡もうとすれば、こちらも政治的な判断の必要な「選手輸入」をしなければならなくなる。
そんな種目導入のための模擬試合に、なぜ日本がわざわざ協力しなければいけないのだろう? まさに愚の骨頂。
昨年の国別対抗、今だから言ってしまうが、ショートの浅田選手の採点には、やや甘いのではと思える部分がかなりあった。たとえばショートのステップが突然レベル4になったこと(振付はカナダのローリー・ニコル。レベル認定を行う3人の技術審判のうち、スペシャリストはカナダ在住の天野氏が担当)。途中で若干のエッジの詰まりがあったにもかかわらず。あれがレベル4なら、なぜシーズン中のもっと大事な国際試合でレベル4が出なかったのだろう?
また、トリプルアクセル+ダブルトゥーループのコンビネーション。録画している方は見ていただきたいのだが、3Aを降りたあとにブレードが「グルッ」と回っている。4分の1以上か以下かという問題はともかく、回転がやや足りていなかったのは事実だ。これは「なぜか」4分の1以下と見なされたらしく、ちゃんと認定され、加点も0から2まで付いた。
オリンピックシーズン序盤は、浅田選手自身が3A不調だったが、オリンピック直前の全日本では決めたと思った3Aの回転不足が、信じられないくらい厳しく見られた。ということは、オリンピックもさぞや厳しくなるのかと思いきや、オリンピック本番では全般的に回転不足判定は突如甘くなり、解説の八木沼純子も、「今回、判定が読めず・・・」と思わず口にするほど。浅田選手の3Aは3度とも認定された。だが、そのあとの世界選手権では再び厳しくなった。
今回のNHK杯の女子の回転不足判定は、非常に厳しく、ちょっとでもグリ降り(降りてからブレードが少し回っている状態)になれば、即「<」判定になっていた感がある。今シーズンから4分の1ラインの回転不足は基礎点70%、2分の1ラインでダウングレード(マークは「<<」。基礎点がその下のジャンプの点になる)とルールが変わったのだが、つまり4分の1から2分の1までの回転不足に対する減点がやや緩和されたというだけで、「4分の1」という判定基準自体は変わっていないのだ。
NHK杯の女子に対する回転不足判定は、毎年総じて厳しい。今年もそうだった。その意味では、この試合だけは判定はわりあい公平だったといえるかもしれない。だが、これだけ取りまくったということは、わずかな回転不足が「4分の1以上か以下か」という判断は事実上放棄されたと言ってもいい。これはある意味、無理もないかもしれない。4分の1を超えたか超えないかという物理的な判断は非常に難しく、正しいかどうかの客観的な証明もできない。だったら、グリ降りジャンプはすべからく取ってしまったほうが簡単だし、クレームのもとにもらなないだろう。
だが、問題は、どの試合のどの選手に対しても同じように厳しく取っているかというとそうでもない――ように見えることだ。人間のやることだから間違いや見逃しがあるかもしれない。だが、そこに恣意性がないとも言い切れないのが採点競技のまずいところなのだ。
昨年の「国別対抗」開催に反対運動があったことは、主催者側も承知だろう。すると、なぜか一番人気の浅田選手の点が高くなる。喜んだファンは次の試合に期待する。だが、シーズンが始まれば、お祭りイベントのような採点はしてもらえなくなる。
恣意的な操作をしているかどうかは立証できない。だが、少なくとも、恣意的な操作が可能であることはハッキリしている。それが今のフィギュアの採点だ。
今回のNHK杯の採点を見て一番強く感じたのは、ルールを改正し、技術点で細かい規定を定めたにもかかわらず、演技構成点がひどく大雑把だということだ。誰の点が妥当か妥当でないかという問題ではなく(そんな妥当性は証明できない)、選手間の「差」をどれくらいにするのかというのが問題で、男子では特に点差が大きかった印象がある。これでは、技術点で同じような点を出しても、演技構成点を高くもらえる選手にはまったく歯が立たないことになる。
現状を見ると、演技構成点を高くもらえる選手は予め「仕分け」されている。八木沼氏が浅田選手の演技構成点に絡めて、思わず、「これまでの実績がありますから・・・」と言ってしまったが、元来、新採点は実績点などないというタテマエだったのだ。
エルビス・ストイコではないが、これでは競技会ではなく、リサイタルだ。「団体」という新たなリサイタルの場を五輪に作るために、「ペアがいない」という、団体戦でメダルを獲るには致命的な欠点のある日本が、その模擬試合開催のためにISUにせっせと貢いでいる。そしてソチでメダルを獲るのはアメリカ、ロシア、カナダの3国ということか(苦笑)。
ISUおよびIOCの思惑は、記事がいみじくも指摘している。「フィギュアスケートはその注目度から放映権料が高く"ドル箱競技"の側面がある」。フィギュアはマイナースポーツと言われるが、そもそも商業的な価値がほとんどないウィンタースポーツの中では「ドル箱」なのだ。
アメリカでの人気もすっかりかげってしまい、ヨーロッパでもどん底。チンクワンタ会長は、「韓国や日本では人気が出ている」と言っているが、それもスター選手の人気に支えられているだけで、フィギュアスケート競技全般への興味は、アイスダンスやペアの放送時間が少なくなってきているところを見ても、日本では逆に下がってきているのではないだろうか。
そんななかでも、まだフィギュアを金づるにしようと考えている。もうこうした商業主義に付き合うのはウンザリだ。日本をキャッシュディスペンサーのように扱うのもやめてほしい。
ISUもIOCも、今後はせいぜいロシアの機嫌を取って、スルツカヤを五輪で勝たせないようにもっていった過去の罪滅ぼしでもしてください。
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