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少女マンガの金字塔『ベルサイユのばら』(池田理代子)。この作品、Mizumizuが小学生のころ、週刊誌に連載されていて、毎週熱心に読んでいた。物語の元ネタは明らかにシュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』で、『ベルばら』より先にこの小説を読んでいたMizumizuには、ツヴァイクのコミカライズの部分が多い作品だと感じていた。歴史上の人物の発言などは、ほぼツヴァイクの小説にあるものを少し言い回しを変えただけという印象だったが、そこに架空の人物がロマンチックに絡んでくるのが『ベルばら』の最大の魅力だった。
週刊誌連載当時は知らなかったが、長じて手塚治虫の『リボンの騎士』という作品があるのを知った。男装の麗人・オスカル様の元ネタは、明らかにコレだろうと思ったのだが、不思議なことに池田理代子自身は『リボンの騎士』に言及していない。心を打たれたとして挙げている手塚作品は『つるの泉』 。
作画については、影響を受けたのは水野英子だと言っている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49580760Z00C19A9000000/
なるほど。水野英子は手塚治虫の弟子のようなものなので、水野タッチに影響を受けた池田理代子は、実は手塚の直系孫弟子と言っていいかもしれない。
と、池田氏本人のインタビューを読んで思ったのはここまで。
Mizumizuは『ベルばら』世代なので、水野英子には「遅かった子供」だ。もちろん名前は知っていたし、絵は見たことがあったが、『ベルばら』が流行っていたころの目には古く見えて、あえて読んでみようとは思わなかった。
最近、水野氏は積極的に発言を始め、メディアもそれを採り上げることが多くなってきた。水野作品も復刻されて電子版で読めるようになった。
それで、なんとなく『ベルばら』を想起させる絵柄の『白いトロイカ』を読んでみた。
で…
驚愕!!
なんと
『白いトロイカ』の主人公ロザリンダが、『ベルばら』のロザリーにクリソツ!!
ここでロザリーについて説明すると、彼女は「王妃の首飾り」事件を起こすジャンヌの異母妹で、実母はアントワネットのお気に入りのポリニャック夫人という、まー、どう考えたってマンガ以外ありえない設定。さらに後年、マンガの最終局面で、革命によって牢獄につながれたマリー・アントワネットのお世話係としてそばに仕えることになる。
マリー・アントワネットの最後のお世話係には実在したモデルがいる。もちろん実際は平凡な女性だが、その女性にドラマチックな出生の秘密と主人公オスカルと絡む波乱の人生を与えたところが、『ベルばら』の大いなる魅力になっている。
実在のロザリーについては、こちらをどうぞ。https://fr.wikipedia.org/wiki/Rosalie_Lamorli%C3%A8re
ところが、だ。
『白いトロイカ』を読んだら、そっくりなのはロザリンダとロザリーの絵柄だけではなかった。ロザリーの出生の秘密と波乱の人生(特に恋愛相手の特性)まで、あまりに似すぎていたのだ。
びっくりしたな~、もう。
で。
他に気づいてる人、いるよね? と思って検索したら、やっぱりいました。
https://ameblo.jp/ikeda-riyoko/entry-10461452977.html
このブログでも挙げられている、二人に共通するのは…
◎ほぼ同じ髪型(いくつかパターンがある)で出てくること。
◎平民に育てられたが、実際には貴族の娘であるという出生の秘密があること。
◎ロザリンダ/ロザリーに貴族としての礼儀作法を教える高貴な人物が現れる(このあたりは『マイ・フェア・レディ』風。ついでに育ちの悪さが出てしまうエピソードも『マイ・フェア・レディ』のイライザとロザリンダ/ロザリーに共通)という展開。ちなみに、その高貴な人物(レオ/オスカル様)は、貴族ながら革命に身を投じて落命する運命というのも同じ。
◎ロザリンダ/ロザリーと結ばれるのが、西洋版「ねずみ小僧」みたいな黒い鷹/黒い騎士 。
『ベルばら』を彩るロザリーの多くのエピソードが、ロザリンダとそっくり。そっくりすぎる。
上記のブログに絵柄の類似点を指摘した写真があるが、ブログがなくなってしまうと、写真も消えてしまうので、同じものを貼っておきます。
まずは、リボンの色が白か黒かってだけの違いにしか見えない髪型。
ヘアバンドまで同じ、ボリューミーな髪型
こっちはヘアバンドではなくて、編み込み。
次回のエントリーに続く。
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