ユビキタスモバイルの夢

April 26, 2016
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カテゴリ: ユビキタス
工場にセンサーをとりつければ生産ラインの様子が一目でわかり、大幅にむだをなくせる。インターネットで消費者や取引先ともつながり、新しいサービスが生まれる。ものづくりの世界で進む変革に乗り遅れまいと、日本の企業も動いている。


 果樹地帯が広がる山梨県南アルプス市にある、富士通子会社の電話交換機の部品ログイン前の続き工場。1列に並んだ生産ラインのなかを、内線電話の交換機につかうB5サイズほどの電子基板が通り、ミリ単位の小さな部品が次々と取り付けられていく。

 生産ラインを見守る3台のカメラから送られる画像と機械の稼働状況が、モニターですぐに見えるシステムが昨年4月に入った。「基板が機械を通過した時間」「エラーの内容」といったデータから、機械の停止時間や、その瞬間の従業員の動きなどを分析。不足しそうな部品を別の場所から近くに置くようにし、停止の予兆となるエラーもわかった。生産ラインの停止時間は25%短くなり、基板に取り付けられる部品点数は1日あたり240万点から280万点に、約2割増えたという。

 まだ「入り口」段階の企業も多いが、工場内の設備や制御するシステムがネットで結びつき、生産性やサービスの向上につなげるものづくりの現場は、「スマート工場」とも呼ばれる。

 建設機械大手コマツは、一部の工作機械の稼働状況をタブレット端末で把握する。三菱電機はラインの稼働状況がわかるセンサーつきの生産機器を、他社にも売っている。福井市の繊維大手セーレンは、百貨店の店頭でタブレット端末から発注が入れば、形や色などが異なる47万通りのワンピースを1着から、ほぼ無人の工場で即時につくり始める。(南日慶子、伊沢友之)


 ■先行するドイツ、米と接近

 今年4月12日に開かれた「未来投資に向けた官民対話」で、政府は20年までにスマート工場を全国50カ所で導入支援する方針を示した。安倍晋三首相は「世界に先駆けた第4次産業革命を実現する」と話した。

 その「第4次産業革命(インダストリー4・0)」の名づけ親であるドイツでは25日、ものづくりの最新技術が集まる見本市「ハノーバーメッセ」が開幕した。米国のペニー・プリツカー商務長官は討論会で、世界各国で電気自動車の充電のしくみの共通化などが普及につながる点に触れ、「(工場のデジタル化にも)世界水準が必要。我々は協働すべきだ」と述べた。米国もドイツなど欧州側と、新しい製造業の規格づくりで協力を加速させる考えだ。

 ドイツは、シーメンスやボッシュなどの主要企業が、小売店から工場までサプライチェーン全体をネットでつなげ、消費者の注文にあわせて大量生産の工場が動く「個別大量生産」の試作ラインをつくっている。



 日本企業は世界の工場の中国での取り組みを強化しはじめた。今月23日、中国の山東省済南に集まった民間企業経営者を前に、三菱電機や日立製作所の代表者が「中国の製造業のスマート化に協力したい」と語った。売り込みはドイツが先行したが、日本側の関係者は「日本の方が企業の現場で生まれた取り組みが多い。中国の企業は導入しやすい」と期待を寄せる。
出典:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12328438.html?_requesturl=articles%2FDA3S12328438.html&rm=150





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最終更新日  April 26, 2016 04:43:07 PM
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