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蟻の巣から　

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2005.05.21

前回からのつづきでルポの邦訳。

初めての方は、１回目からどうぞ→ 蟻の巣にて【１】

何でいきなりこんなことをやり始めたかというきっかけについては、
ここを参照→ 日本、フィンランドを席巻す！？

注意：僕のフィン語翻訳能力にもまだ限界があって、適当に意訳している部分もあります。分からない部分は、オリジナルをそのまま訳文と一緒にしておきます。もし適訳があったらコメント下さい。

それから東京の地理状況などもよく分かっていませんので、地名とか間違っていたらご教授下さい。

★

蟻の巣にて Muurahaispesässä 　第２回

イルッカ・マルムバーグ Ilkka Malberg

お辞儀は腰のあたりから始める。角度は約30°で1～３秒ほどその姿勢を保つ。日本人は握手を交わしたり、無言で抱き合う（ハグ）こともないようだ。

ガイド書は続ける。「大口開けて、あくびなどしないように。またどのような状況においても鼻を堂々とかむのは慎むべき。それは非常に失礼な行為です。鼻汁がでているのをすすり上げるのは問題ありません」。

とっさに気になることが頭に浮かぶ・・・僕たちの体臭、ひどいんじゃないか？欧米人のそれはアジア人にいわせると、腐ったバターの臭いらしい。乳製品としてとても食えたものじゃないな。

まてよ、鼻はどうだ？少し比べてみる・・・やはり僕たちの鼻、大きいのか？

幸いなことに、都心に住むテッポ・トゥルッキ　Teppo Turkki --- Radio City の「夜のラジオ」で名が知られている --- から色々と話を聞く機会があった。彼は現在、早稲田大学の客員研究員で、東京に来て一年が経つ。

前日、ラーメン屋でそのトゥルッキ氏から日本人と共々、アドバイスを受ける。日本人は厳格だよ、彼は強調する。「状況を読む、というのが日本人にはとても大切なことなんだ」。誰がどういう地位にあるのか、自分よりも上なのか下なのか、若いのか、年配なのか。トゥルッキ氏はまた、「和（ハーモニー）」についても重要視する。日本人はたえず合意、一致を求めるものだ、と。相手に迷惑がかかる行為は許されない。

トゥルッキ氏によれば、日本人はとどのつまり、「外側」、世間体の部分と、「内側」の、見えない部分を持つという。だからより本質的なことは外側には表れてこないし、それ自体、
「真実」、「誠実さ」、「透明さ」とは異なるものだ。　Perimpiä tunteita ei paljasteta, ei olla "aitoja", "rehellisiä" "läpinäkyviä".

さらに自身の懸念や自己主張で他人を煩わせることも駄目で、そこは笑顔とお辞儀ですましておくこと。ああ、まさにこれは地下鉄で見たのと一緒だな。「外側」の部分のみ。皆、移動がスムーズに、他人に迷惑を蒙ることなく済ませることにただ気を使っている様子。

ガイド書のそれと同じような事を、トゥルッキ氏も繰り返す。日本人は静粛とか、合い間（ポーズ）には寛容であると。「なにしろ、ここではカウリスマキ（注１）の映画が解るというからね」。

うん、なんとなくいい感じだ。

★

翻訳ノート

（注１）アキ・カウリスマキ（Aki Kaurismäki）。フィンランドの代表する映画監督。最近の作品だと「過去のない男」。個人的に、「レニングラード・カウボーイズ・イン・アメリカ」とかは好きだけど、総じて彼の作品は、理解しがたいです　orz orz 。

ちなみにフィンランド映画といえば、Levottomat♪←つうか、これもストーリがよく解らんが・・。

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