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警視庁が推奨している「詐欺対策アプリ」を、MRS'5のメンバーさんへ導入する機会があった。
その席で、Mさんがこんな話をしてくれた。
ある日、自宅の固定電話が鳴った。
相手は、通信会社を名乗った。そして、家族構成や個人情報を聞いてくる。
高齢のご夫婦二人暮らし。相手の話術は、とても上手だった。何の疑いもなく、Mさんは受け答えを続けていた。
けれど、途中でふと思った。
「あれ? これは、おかしい」
いったん電話を切った。そして、自分が契約している通信会社に、自分から確認の電話を入れた。
答えは——「そのようなお電話は、こちらからは入れておりません」
背筋が、すっと冷えた。
「気づかなければ、そのまま話を続けていたかもしれない」
Mさんは、そう振り返った。
Mさんは、よくこうおっしゃる。
「人生は、選択の連続。その先に、今の人生がある」
あの日、電話を切るという選択をした。それも、ひとつの選択だった。
現職の頃のMさんは、まったく違ったという。
毎日のように、仕事が終わるとお酒を飲んで帰る日々。話題といえば、仕事の愚痴。上司の悪口。
そんな夜が、ずっと続いていた。
変化は、奥様から始まった。
奥様が、MRS'5の朝5時からのラウンジに通うようになったのだ。
つられるように、Mさんも朝型の生活に変わっていった。
朝7時、出社。
誰にも邪魔されない。電話もかかってこない。その静かな時間に、仕事をどんどん進める。
すると——定時に帰れるようになった。
不思議なもので、変わったのは時間だけではなかった。
まわりの人間関係が、変わっていったのだ。
的確なアドバイスをくださる方。「この会社をよくするには」と語り合える、向上心の高い方。
気がつけば、集まってくる人が入れ替わっていた。
愚痴を言い合う夜の仲間から、未来を語り合う朝の仲間へ。
そのおかげで、支店長として良い成績を残すことができた。退職してからも、なかなかつけない職につくことができた。
「全部、周りの方のおかげです」
Mさんは、そうおっしゃる。
選択の連続の中で、よい選択ができたのは——
日々の、MRS'5の時間があったからだと。
朝の静けさの中で、頭も心も澄んでいく。だからこそ、「あれ? おかしい」に気づける。だからこそ、正しいほうを選べる。
誰にも邪魔されない、わたし時間。
その積み重ねが、人生をつくっていく。