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2023.07.26
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カテゴリ: 牧野富太郎

天城山の寄生植物と土佐の「やまとぐさ」


 明治十六年に、時の東京大学御用掛で、植物学教室に勤務していた大久保三郎氏が、当時大学で発行していた「文芸志林」に、伊豆天城山で珍しい寄生植物を発見した、この種類は、多分ラフレッシア科のものであろうと発表されたが、私がその前後に郷里の土佐で見つけていたツチトリモチ属の一種の標品を大学に送ってみると、はたして私の考え通り同属のものであったので、バラノホラ・ジャポニカ・マキノという学名で発表した。
 同じく十六年に矢田部博士発見のヒナノシャクジョウを土佐の故郷で採集し、露国のマキシモヴィッチ氏に送り学名を得たこともあった。明治十七年に私ははじめてヤマトグサを土佐で採集したが、その翌年に渡辺という人がその花を送ってくれたので、私は大学の大久保君と共に研究し学名を附し発表した。これによってはじめて日本にヤマトグサ科という新しい科名を見るに至った。この属のものは世界に於てただ三種、すなわち欧洲に一、支那に一、わが国に一という珍草である。

小岩村で「むじな藻」の発見

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 明治二十一年頃にミゾハコベ科のエラチネ・オリエンタリス・マキノという植物を発表した。

伊予田 ようだ [#ルビの「ようだ」はママ] におもむいた。江戸川の土堤内の田の中に、一つの用水池があって、その周囲にヤナギの類が茂って小池を おお うていた……。

 と私の採集記には、その頃のことをこんな風に書き出している。
 その 江戸川の土堤内の用水池の周囲にヤナギが茂っているので、その実を 手折 たお ろうとした 刹那 せつな 、ふと水面を見ると異形なものが浮んでいるので、早速とりあげて見たが、全く見慣れぬ水草なので驚いて大学へ持帰り、皆に見せると、皆も非常に驚いたが、矢田部教授は書物の中に思い当たるものがあるといい、その学名を探してくれたが、これは当時僅かに欧洲と印度と濠洲の一部とにのみ産するといわれたムジナモであった。 後に黒竜江の一部、朝鮮、満洲にも発見されるようになったが、当時この発見は正に青天の 霹靂 へきれき の感があったものだ。
 これと前後して私は、ヒシモドキという隣邦支那にのみ産するといわれていた植物を発見し、三十五年には伊勢の本郷というところで、寺岡、今井、植松の三氏の採集した新種を研究したところ、本邦ではじめて発見されたものであったのでこれに学名を下し、ホンゴウソウなる和名を附した。この植物は全体が紫色の小草で、葉がなく生えている様は一寸植物とは思えない姿をしている。
 同じ頃土佐で時久という人が同属のものを一種とって見せにきたが、これにはトキヒサソウ一名ウエマツソウなる和名及び学名を附した。この二種は皆熱帯産のものでこれをわが国に得たことは分布学上に興味ある問題をなげた。
 明治三十六年には、当時、東京博物館の天産課に勤務されていた桜井氏から、恵那山附近でとった標品を送られたが、これもわが国新発見のものであり、美濃出身の三好学君とこの桜井氏に敬意を表するためにミヨシア・サクライイ・マキノなる学名を附したが、その後不幸にしてマレー産に同属のものがあったのを知り、これを改称した。しかるに欧米の学者はユリ科に入れているが、私はこれは新科をつくるものとして研究した結果ペトライア・ミヨシア・サクライイ・マキノとした。
 明治四十年に私は日本の南部にヤッコ草という新属新科のものを発見し、ミトラステモン・ヤマモトイ・マキノとした。これは最も珍しい植物である。

*ムジナモ(貉藻、狢藻、Aldrovanda vesiculosa)は、モウセンゴケ科ムジナモ属の多年草の水生植物であり、1属1種の食虫植物である。日本を含む世界各地に分布するが、自然環境下での生息地は50カ所程度と少ない

浮遊性の水草で、根は発芽時に幼根があるだけで通常はない。葉がハエトリグサと同じく二枚貝のような捕虫器官になっており、 ミジンコなどの動物プランクトンを捕食 する。

細長い茎を中心にして、捕虫葉が風車のように放射状に輪生する。植物全体の印象は、似た和名を持ち小さな袋状の捕虫葉を持つタヌキモが二次元的・平面のように広がって見えるのに対し、 ムジナモは三次元的・円柱のように見える。また、その形がタヌキの尻尾のよう なので、発見者である植物学者の牧野富太郎(後述)は和名をつけるとき「タヌキモ」と命名したかったが、 既にタヌキモという植物があったため、タヌキの別名であるムジナから「ムジナモ」と名付けられた。 英名は Waterwheel plant と、水車の名が与えられている。

茎は5cmから30cmほどの長さになり、夏期には1日に1cm伸びることもある。途中で脇芽を出して枝を伸ばし、基部が枯れ落ちていくことで分離、増殖していく。葉柄の長さは5mmから8mmで、その先に付く捕虫葉は5mm程度。捕虫葉の内側にはハエトリグサと同じく感覚毛が生えているが、数は約40本と多く、1回の刺激で葉が閉じる。閉じる速さも50分の1秒とハエトリグサより遙かに速い。しかし捕虫葉が小さく水中にあるため観察は困難である。葉を閉じると狭窄運動を行い、消化酵素を出し、養分を吸収する。

ボウフラを捕食するムジナモ[32120000025]| 写真素材・ストックフォト・画像・イラスト素材|アマナイメージズ

ある日、ゆうから誘われて出かけた池のほとりで、万太郎は見たこともない水生植物と出会う。翌日、その植物を持って植物学教室へ行くと、田邊は、それが日本でまだ発見されたことのない食虫植物であることを万太郎に教え、論文と植物図を書いて世界に向けて発見報告をするよう命じる。

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最終更新日  2023.07.26 04:54:50


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