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2023.09.30
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カテゴリ: 報徳
鷲山恭平著「報徳伝道者 安居院義道」には、実は鷲山氏には校正したい箇所が数多くあった(以下「校正版」)という。

現代語訳の校正にあたって、その「校正版」により、校正をすることとする。

鷲山恭平著
報徳開拓者 安居院義道 
          大日本報徳社

序  文
 私の友人の話では、農業経営上の進んだ事例を研究する時には、必ず静岡県の農業が問題になるということである。つまりそういう学者の目から見れば静岡県の農業は全国農業の最先端を進んで来たというわけである。
「どうして静岡県の農業がこんな具合に発展して来たか」を考察することは、日本農業の発展の源動力は何かという、より大きな課題の解決のためのカギを与える重要な問題である。
これについて従来は静岡県特有の報徳社運動との関連が考えられ、静岡県農業発展のかげに報徳運動ありと考えられていたと思う。しかしこれには二つの疑問が残されている。一つには静岡県の報徳運動がいかにして起こったか、また起こっただけでなく百年後の今日までなぜ存続されているのかという問題である。他の一つは静岡県農業の最重要部門である茶業の発展の問題である。茶業発展の基礎は何といっても牧之原の大茶園の開墾である。この着手は遠州報徳運動と無関係に見えるのである。
 本書の著者鷲山氏がこの問題を眼中に置かれたか否か私は知らない。しかし氏の五十余年の研究と、雄大な人格から流れ出るおのずからなる科学的筆力は、この大問題に痛快な解答を与えられたと私は深く信じる。
 それだけでなく、平々凡々と前半生を終えた一人の人間が、二宮尊徳という偉大な人格にふれ、この「大死(だいし)一番(いちばん)の発(ほっ)心(しん)(一度死んで生まれ変わった発起心)」が、いかに偉大な業績を行い得るものであるか。またそれがいかに永続的な影響を後世に与えるものであるかを、読むものをして悟らしめ
なければやまないであろう。
 しかし以上のような学問上の意味や、農業発展への功績等の世俗・半世俗的な人間の仕事についての論述であるだけならば、八十を超えられた鷲山氏が文字通りの心血をそそいでこの著述に没頭されるはずがない。このことは本書を手にされるほどの読者ならば私以上にそれを感得されるに違いない。そして、安居院先生と共に、一個の人間であることの「このましさ」、また偶然と必然の錯行する人生の深み、そして真の日本社会史の妙味を、つくづくと味われるであろう。
昭和二十八(一九五三)年十二月二十八日
          神 谷 慶 治


*神谷慶治氏は農業経済学者。東京大学名誉教授。一九七四-一九九八年大日本報徳社社長を務めた。





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最終更新日  2023.09.30 18:24:53


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