星とカワセミ好きのブログ

2023.05.07
XML
カテゴリ: 河合奈保子さん
1981年10月5日、河合奈保子さんは渋谷のNHKホールの小セリから落下し、病院に搬送され、「第一腰椎圧迫骨折」で入院となりました。

10月8日は、病院の手術室で「ギブスベッド」を作りました。

「わたぼうし翔んだ 奈保子の闘病スケッチ/河合奈保子/1983年5月20日初版発行/ワニブックス」を読むと、「ギブスベッド」について記載があるので、一部を紹介します。

(P41~43)
”ギブスベッド”というのは包帯を石膏の粉で固めたもので、骨折した部分が動かないように、保護するために使われます。
亀の甲らのようになっていて、そこにスッポリと体を入れて固定するそうです。痛みもとれて、ずっと楽になるとか。
痛みが静まるのなら、どんなことでもやってみようという気持ちになっていました。
でも、3階の病室からタンカで運ばれた時には、何となく恥ずかしかった・・・。
だって、私一人を運ぶのに、なんと4人も看護婦さんたちが来たんです。私が重たいせいなのかと、チョッピリ傷つきました。

うつ伏せの状態って、まだ、とっても苦しいんです。でも、30分ぐらいだと言われたので「何とかがんばるゾ!」と、闘志を秘めている私です。
まず、首すじから腰までを、きれいにふき清められました。
そして、かぶれないように、オリーブ・オイルをペタペタとぬられました。
”ギブス”というのは、肌に直接つけて作るものらしいのです。でも、オイルをぬっていればハジキかえして、肌にベタベタとくっつかないというわけ。
とても珍しいので、木場婦長さんに教えていただいたお話をご紹介します。

《ギブスベットの作り方》
・ギブスは、包帯のようになっています。クルクルとほどいてみると、パラパラに乾燥した小さな粒が一面についています。その粒が石膏です。巾は何種類かあります。私の場合は、20センチ巾で長さ4.5メートルのものを10巻近く使ったそうです。
・患部を清め、オリーブ・オイルをぬります。(これは、前に書いた通り)
・ギブスをお湯に入れて、軽くしぼります。
・右から左、左から右という具合に、肩から腰のほうへと徐々に伸ばして行きます。
・ギブスベッドは、体にピッタリと合ったものを作るので、患者の協力が必要となります。

・作業を進めているうちに、だいたい固まってきます。ギブスを腰の所まで作り終わったら作業終了。
そのなま乾きのギブスベッドをはずします。この段階のものといえば、ミイラ男の背中の部分を、カパッと切り取ったようなものです。(ギブスのはりつけ作業だけなら、20分ていどです)
・オイルやギブスのカスがついているので、もう一度、体をふいてもらいます。”ギブスベッドの型どり”はこれで終了。
・ギブスは一晩ほどで乾くそうです。ギブスベッドの場合は、ピッタリと体の形に会ってないと意味がないので、ギブス・カッターというもので、きれいにフチを切りとります。合わせて作ったつもりでも、肩や腰の部分は、どうしても必要性が出てくるとか。その作業は、肩どりの翌日、ギブスが乾いてからの限ります。

ーーーーーーーーーーーー


やつれちゃったネ
昭和56年(1981年)10月9日(金)
拝啓 カメ様
今日から私も、あなたの仲間になりました。硬いギブスの甲らをつけて、ベッドの海で暮らします。
白い砂浜を歩くこともできません。マリンブルーの海を泳ぐこともできません。キラキラと輝く陽の光も、見えません。
それでも、ウサギさんとカケッコをして勝ったあなたのように、ガマン強く、過ごそうと思います。
自分の足で、あるけるようになる日まで・・・。(日記より)



↓「わたぼうし翔んだ 奈保子の闘病スケッチ/河合奈保子/1983年5月20日初版発行/ワニブックス」
P55 ギブスベッド。


↓P55.やつれちゃったネ。



↓ 「わたぼうし翔んだ/河合奈保子/1983年5月20日初版発行/ワニブックス」











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.05.14 13:32:19
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: