私のよく読んでいる業界紙の最新号の特集は、なんと「土木技術者サバイバル」ということだったが、不況時には公共事業が増加することから、不況時にに強いといわれてきた建設業界も、ついに技術者をリストラする時代になってきたみたいだ。リーマンショックを契機とする不況に加え、今までと違って公共投資の縮小が加速するなか、公共事業で食ってきた土木技術者のうち、どのような技術者が生き残るのだろうか、今の自分の実力を知るうえで、興味のある内容となっていたので少し読んでみた。いったいどのような人物が動期に強い人材なのか、転職ということを主に特集しているのだ。
その雑誌によると、現在の建設業界は希望退職者の募集や、事業の再編などを考えている会社が非常に多いとのことで、現場に強い即戦力補強の引き抜き合いなど、土木技術者を取り巻く雇用状況は激動期を迎えているそうだ。今のような激動の時代を生き抜くことができるかどうかは、会社自体の組織の力もさることながら、技術者個々の力量が大きく問われることになるというのだ。私の事務所でもその傾向は強くなってきており、私がリーダーをしているセクションのような優秀なところと、そうでない所の差がダンダン大きくなっているのだ。(これも一種の格差社会といっていいのだろう・・・)
だいたい土木工事を大別すると、道路・鉄道(橋梁・トンネルも含まれるのだが・・・)と河川・港湾(海岸工事やダムなども含んでもいいだろう・・・)が主流になるのだが、農地整備・森林整備や空港整備もおおきく言って含んでいいだろう。これらの建設業が行う工事において、さまざまな工事計画を作成し、現場での監督・指導を行い、円滑に作業が進むように管理する職業を土木技術者と呼ぶということになっている。一般的には土木や建築系の大学・専門学校で学んで、技術職として建設関連の会社に就職し、そこでさまざまな現場経験を積んだ後、国家資格を取得すると「技術者」と呼ばれるのだ。
現場の工事というのは私の事務所ではほとんどが公共工事となっているのだが、役所の決めた期間内に工事が終了するように全体の工程管理を行ったり、作業が効率よく行われているかを常に見て回るのが大切な仕事になっているのだ。また、決して安全ではない建設工事現場において、一人の負傷者も出さないように安全管理等も徹底しなければならないのだ。なお、国土交通省をはじめ官の発注工事などでは、有資格者の現場配置が義務付けられているのだ。その土木技術者の現在時点の就職状況を建設業界全体で見てみると、バブル後よりも採用は厳しいと言われているのだ。
私の事務所でもそうだがどうしても即戦力が必要であり、若い衆が技術の習得に当てる時間が非常になくなってきているのだ。私のように職人さんの技能から教え込んで行くやり方は、どうしても時間がかかるので若い衆にはあまり歓迎はされないみたいだ。それでもこのごろは岩の判定など質問してくる若い衆も出てきたので、少し今の状況でもやる気が出てきたといった状態になっているのだ。
キーワードサーチ
コメント新着