2期連続マイナスは消費税増税後の昨年4~6月期と7~9月期以来だということなのだが、物価変動の影響を反映し生活実感に近い名目GDPは前期比0.01%増で年率0.1%増と停滞という事になっているそうなのだ。企業の設備投資は前期比1.3%減と2期連続のマイナスで弱さが際立っており、工作機械やオフィスビルなどへの投資が減少しているそうなのだ。国内総生産の6割を占める個人消費は2期ぶりのプラスに転じたが、前期の0.6%減からの反発力は弱かったという。9月の大型連休で外食などは増えたが食料品などの値上がりで消費者の節約志向が続いている。それでも甘利明経済財政担当相は「在庫調整の影響を除けばプラス成長だ。景気の基調は悪くはない」と語ったというのだ。
その甘利明経済財政担当相も記者会見で補正予算編成について「当然ある」と述べ、編成の必要性に言及したそうなのだ。その上で環太平洋連携協定の大筋合意を受けた国内の農業対策や、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた施策を挙げ、「それらを中心に組まれる補正だと思っている」との見方を示したという。政府・与党は年末に編成する補正予算案の規模を3兆円以上とする方針を固めたというのだが、景気下支えが必要と判断されたことから上積みも検討するようなのだ。財源には14年度決算剰余金などを使い、国債の追加発行は回避する。「機動的な対応を行うことで景気を下支えすることが必要だ。マレーシアから帰国後に速やかに補正予算案の編成を指示する」と述べたという。
私の所属している建設業関連では9月の関東・東北水害の復旧や、防災対策に必要な公共事業も計上するそうで、財源として昨年度の剰余金である約1.6兆円の半分を国債償還に回し残り半分を補正に活用という。金利低下により国債の利払い費用の予算が相当額余りそうなことや、今年度の税収の上振れ分も財源として想定されている。財政健全化目標との関係で大型補正は難しい情勢なのだが、安倍晋三首相は外遊前に東京都内のホテルで講演し、安倍政権の重要政策である「1億総活躍社会」の第1弾となる緊急対策について、「今月中に取りまとめて予算計上する」と強調したそうなのだ。その上で「必要なものは今年度の補正予算での対応を検討する」と表明したというのだ。
法人実効税率に関しては、「来月決定する税制改正大綱で引き下げ幅を確実に上乗せし、来年4月からさらなる引き下げを実現する」と述べ、既定方針の31.33%より踏み込んで引き下げる方針を明言しているという。安倍首相は認可保育所などに申し込みながら満員で入所できない「待機児童」を解消するため、「少なくとも50万人分の保育の受け皿を整備したい」と強調し、2年後を目途に40万人分の「受け入れ枠」を確保するとした政府目標を上積みする考えを示したというのだ。もっとも巷では「株価上げても企業を儲けさせても個人に商品券をばら蒔いてもダメだね」とか、「1億総活躍に名を借りた各省庁の予算の分捕り合戦も始まっている」との批判も出ているそうなのだ。
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