この原因は安倍政権が実施した消費税の増税や、アベノミクスなるものの円安による物価上昇によって消費の落ち込みが続いたのが要因だとされている。ちなみに消費支出のこれまでで最大の下げ幅はリーマン・ショックの影響があった2008年度の2.6%減で、今回の史上最悪の消費支出の減り幅はその倍近いというのだ。リーマン・ショックのことを最悪の日々として覚えている証券関係者も多いと思われるのだが、安倍政権になってからというものそんなもんどっかに吹っ飛ぶくらい消費が冷え込んでいるというのだ。つまり内需が縮小しているわけで、日本経済が縮小しているということは消費マーケットがダンダン小さくなっていることで、つまり物が売れにくくなっているということなのだ。
もっとも現在の日本は生産年齢人口対総人口比率が低下しているため、各業界で人手不足が広まっていくことは確実だとされている。それにも関わらず「なぜ実質賃金がなかなか上がらないのか」というのは、もちろん経営者が十分な賃金引上げに乗り出せないためなのだ。それではなぜ経営者は賃金を引き上げないのかという理由は複数あるのだが、結局のところ最大の理由は国民の間に広まった「デフレマインド」なのだといわれているそうなのだ。誰もが「値上げをできない」と思い込み結果的に上昇する人件費の吸収ができない気持ちは、人件費上昇を受け企業が顧客側に「値上げ」をお願いしても、「仕事を切られるのではないか」と怯えるだけでなく、実際に顧客側が値上げを受け入れないとされているのだ。
生産年齢人口比率がこのまま下がっていけば最終的には、「実質賃金が上昇する」か「生産ができなくなる」のどちらかに行き着き、当たり前なのだが「生産ができなくなる」産業が増えていけば日本も発展途上国化するというのだ。だからこそデフレマインドにとらわれる必要がない政府が率先して、モノやサービスを少しでも高く買う必要があるわけなのだ。政府が公共サービスの人件費を率先して引上げ、公務労働者を雇用していくと実質賃金の上昇が起こるのだ。それに対し安倍政権が推進する緊縮財政や労働者派遣法改正に外国移民受け入れ拡大は、方向性が真逆となっているのだ。現在の安倍政権の政策が継続する限り、日本国民の実質賃金は上がらないということのようなのだ。
安倍政権は2年後の4月に消費税を再増税するという姿勢を崩していないのだが、現在の環境下で消費税を増税すれば前回同様に一気に実質賃金が下落することになりそうなのだ。日本の国民の貧困化や発展途上国化を食い止めるためにも、消費税増税を含めた安倍政権の緊縮財政路線に「いい加減にしろ」という声を叩きつけなければならないということなのだ。このままでは安倍政権は憲政史上「最も国民を貧しくした政権」になることが確実で、安倍首相とアベノミクスを評価しないのはおかしいという人たちがいるのだが、株価以外全部下がって上がっているのは物価と消費税だけというのが実態だろう。そもそも政治の究極の目的は一般国民の生活を良くすることなのだが全く良くならないだろう。
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