2016年02月01日
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「香」はインドから西方では液体状の「香油」という形で発達し、東では固形状の「お香」が普及したといわれている。現代では香水やルームフレグランス・アロマやハーブ、さらには森林浴など香りの様々な機能や効能が科学によって解明されて一般にも認識されている。ただ「香」の文化的背景や歴史についてはあまりよく知られておらず、インド北部のヒマラヤ山地に生息する「ナラダ」という薬草などは、西方では香油として液体化し新訳聖書の中でキリストの足を拭ったとされるあの「ナルドの香油」になっている。一方の東では「那羅駄」という乾燥させた固形物を細かく刻み火で焚いて香気を出していたそうで、これが「甘松香（かんしょうこう）」として日本へ伝わっているというのだ。
そしてシルクロードの東の果てであるこの日本に伝来すると、日本の美意識が集積された独自の香文化が発展したそうで、「お香」について日本では日本書紀の記録にわずか数行程ではあるが入っているという。聖徳太子が活躍した飛鳥時代の推古3年4月の記録に、淡路島に流木と思えるものが漂着してそれを島の人が薪として使ったところ、煙炎が上って神秘的な香りがしたことに驚きその流木を朝廷に献上したとされているのだ。それが日本における香木の始まりというドラマチックなエピソードで、現在も使われている香木が歴史書に登場した最初とされている。日本に伝来した「お香」がはじめに仏教という宗教の祈りの香として、癒しを目的に使用されたというわけなのだ。
「お香（こう）」とは本来伽羅・沈香・白檀などの天然香木の香りをさすとされているが、そこから線香・焼香・抹香・等の香り総称として用いられているそうなのだ。仏教の発祥地であるインドは多くの香木の産地であり、酷暑の気候による悪臭を防ぐために「香」は重要な役割を果たしているそうなのだ。仏教では香を焚くことによって不浄を払って心識を清浄にするとされ、仏前で香を焚き花や灯明とともに仏前に供することを供養の基本としているそうなのだ。祈りの香は最初どういう形態だったのかと言うと現代でも同じ形で使っている焼香で、香木を刻み丁子とか桂皮とかいった漢方生薬を刻み合わせたものを、香炉の炭の上にパラパラとまいて焚くといった形が原型だったというのだ。
直接火を付けるといった現在の線香等の形というのは、江戸時代に開発されたいわばインスタント製品だというのだ。古代日本の宗教観の中で身に付いた穢れを水で洗い流し、そぎ落とすことを「禊（みそぎ）」ということが昔から行われているのだ。そういった風習が根付いているところに仏教が入ってきて体系的な教え分かり易かったというのだ。私たちの生きている現世は穢れた空間であるという意識があって、穢れた空間の中で身も心も生身の人間は汚れていることから、浄めて仏に祈る方法として天と仏の恵みである香木を削って焚いて、香りで穢れた空間と私たち自身も浄められると考えたというのだ。つまり立ち上る香の煙である「香煙」がこの現世と仏を繋ぐ回路であるということになるというのだ。
香の種類といえば樹木の皮や葉・根などの粉末や、芳香のある樹脂や動物性のものがあり、ふつう香木と練香に分けられるとされる。また使用方法の違いで焚いて使用する「焼香」と、焚かずに体に塗る「塗香」に大きく別けられるとされている。このうち焼香も形状によって棒状・コイル状・渦巻状の線香と粉末状の抹香に別けられるが種類は多種に上るといわれている。「お香」のよい香りをかぐことで脳内にアルファ波やエンドルファンといった心地よさをもたらす物質が分泌され癒しの効果があるとされている。良い香りに包まれるとイライラがすっと治まったり、気が沈んでいたり時にはしゃきっとしてきたとかするのは、「お香」には鎮静効果と覚醒作用があって心身がいい形で反応してそれを実感するというのだ。
香木が発見されるのは東南アジアのある一定の地帯だけだそうで、ここでしか産出されないというのはやはり自然環境が影響しているというのだ。香木はもとになる木と香りの物質に変化する菌類に日照・気温・雨・土壌などの自然条件との結合によって奇跡的に出来るそうなのだ。その条件が揃わない他の土地では絶対に出来ないのが香木だとされ、木に傷が出来ると木は樹液を出すのだが、その中に微生物が入り込んで繁殖するというのだ。「真菌類」という菌が繁殖して木は異物を封じ込めようとそれを樹脂の塊にしていくという。外見では分からないが木の中で戦いが続いて数十年とか百年以上経つと、繁殖した菌が封じ込められたまま固まってしまうというのだ。それが人工的に造ることの出来ない香りの物質となるそうなのだ。
そしてシルクロードの東の果てであるこの日本に伝来すると、日本の美意識が集積された独自の香文化が発展したそうで、「お香」について日本では日本書紀の記録にわずか数行程ではあるが入っているという。聖徳太子が活躍した飛鳥時代の推古3年4月の記録に、淡路島に流木と思えるものが漂着してそれを島の人が薪として使ったところ、煙炎が上って神秘的な香りがしたことに驚きその流木を朝廷に献上したとされているのだ。それが日本における香木の始まりというドラマチックなエピソードで、現在も使われている香木が歴史書に登場した最初とされている。日本に伝来した「お香」がはじめに仏教という宗教の祈りの香として、癒しを目的に使用されたというわけなのだ。
「お香（こう）」とは本来伽羅・沈香・白檀などの天然香木の香りをさすとされているが、そこから線香・焼香・抹香・等の香り総称として用いられているそうなのだ。仏教の発祥地であるインドは多くの香木の産地であり、酷暑の気候による悪臭を防ぐために「香」は重要な役割を果たしているそうなのだ。仏教では香を焚くことによって不浄を払って心識を清浄にするとされ、仏前で香を焚き花や灯明とともに仏前に供することを供養の基本としているそうなのだ。祈りの香は最初どういう形態だったのかと言うと現代でも同じ形で使っている焼香で、香木を刻み丁子とか桂皮とかいった漢方生薬を刻み合わせたものを、香炉の炭の上にパラパラとまいて焚くといった形が原型だったというのだ。
直接火を付けるといった現在の線香等の形というのは、江戸時代に開発されたいわばインスタント製品だというのだ。古代日本の宗教観の中で身に付いた穢れを水で洗い流し、そぎ落とすことを「禊（みそぎ）」ということが昔から行われているのだ。そういった風習が根付いているところに仏教が入ってきて体系的な教え分かり易かったというのだ。私たちの生きている現世は穢れた空間であるという意識があって、穢れた空間の中で身も心も生身の人間は汚れていることから、浄めて仏に祈る方法として天と仏の恵みである香木を削って焚いて、香りで穢れた空間と私たち自身も浄められると考えたというのだ。つまり立ち上る香の煙である「香煙」がこの現世と仏を繋ぐ回路であるということになるというのだ。
香の種類といえば樹木の皮や葉・根などの粉末や、芳香のある樹脂や動物性のものがあり、ふつう香木と練香に分けられるとされる。また使用方法の違いで焚いて使用する「焼香」と、焚かずに体に塗る「塗香」に大きく別けられるとされている。このうち焼香も形状によって棒状・コイル状・渦巻状の線香と粉末状の抹香に別けられるが種類は多種に上るといわれている。「お香」のよい香りをかぐことで脳内にアルファ波やエンドルファンといった心地よさをもたらす物質が分泌され癒しの効果があるとされている。良い香りに包まれるとイライラがすっと治まったり、気が沈んでいたり時にはしゃきっとしてきたとかするのは、「お香」には鎮静効果と覚醒作用があって心身がいい形で反応してそれを実感するというのだ。
香木が発見されるのは東南アジアのある一定の地帯だけだそうで、ここでしか産出されないというのはやはり自然環境が影響しているというのだ。香木はもとになる木と香りの物質に変化する菌類に日照・気温・雨・土壌などの自然条件との結合によって奇跡的に出来るそうなのだ。その条件が揃わない他の土地では絶対に出来ないのが香木だとされ、木に傷が出来ると木は樹液を出すのだが、その中に微生物が入り込んで繁殖するというのだ。「真菌類」という菌が繁殖して木は異物を封じ込めようとそれを樹脂の塊にしていくという。外見では分からないが木の中で戦いが続いて数十年とか百年以上経つと、繁殖した菌が封じ込められたまま固まってしまうというのだ。それが人工的に造ることの出来ない香りの物質となるそうなのだ。
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