国と地方の財政支出などで約 6 兆円を超え政府系金融機関による融資枠の拡大分を含む事業規模で約 11 兆円のインフラ整備を盛り込んだ経済対策を閣議決定しているが、一般会計では 3 兆 2869 億円の第 2 次補正予算案となるというのだ。総額 3216 億円の東日本大震災復興特別会計補正予算案と合わせて経済対策の裏付けとし、予算の大半は我々建設業界のよろこぶインフラ整備に振り向けるという。国土交通省では国費で 1 兆 2257 億円を投じで経済対策で掲げた「 21 世紀型のインフラ整備」や、「熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化」に、「一億総活躍社会の実現の加速」と「地方の支援」の 4 項目に基づき経費を積み上げたそうなのだ。
「一億総活躍社会の実現の加速」においては社会全体の所得と消費の底上げのため、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化等に必要な経費を計上しており、「 21 世紀型のインフラ整備」においては外国人観光客 4000 万人時代に向けたインフラ整備だけでなく、リニア中央新幹線や整備新幹線等の整備加速に、インフラの海外展開支援や生産性向上へ向けた取組の加速に必要な経費を計上したという。「地方の支援」においては地方創生に向けた取組を推進するため、生活密着型インフラの整備や条件不利地域の振興などに必要な経費を計上しているそうで、「熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化」では、熊本地震からの復旧・復興に、東日本大震災からの復興の加速化をあげている。
このうち「 21 世紀型のインフラ整備」では外国人観光客の受け入れに備えて港湾や空港の整備事業などに予算を配分したそうで、 166 億円を投じて既存の岸壁を改良するなどして大型クルーズ船の受け入れ環境を改善するほか、羽田空港の機能強化などにも 101 億円を充てるそうなのだ。鉄道駅のバリアフリー化や地下鉄の新線建設などの推進に 53 億円を確保し、リニア中央新幹線や整備新幹線などの整備には 3212 億円を計上した。リニア中央新幹線などについては財政投融資も活用して整備を加速する方針で、合計 2 兆 3279 億円を充て東京―大阪間のリニア全線開業を最大で 8 年前倒しするというが、完成には 30 年以上かかる大型プロ弱とになってしまっているのだ。
「防災対応の強化」では復旧・復興や防災などに総額 7872 億円を投じるとされ、熊本地震で被災した河川や道路の復旧などには 991 億円を充て、高速道路の復旧については 342 億円を別途計上しているそうなのだ。東日本大震災の復興事業では復興道路・復興支援道路の整備に 589 億円を港湾施設の整備に 38 億円を計上しているほか、河川や道路などの災害対策・老朽化対策に 5323 億円を配分しているという。「一億総活躍社会」の項目では住宅診断の実施や瑕疵保険への加入促進などを通じて、若年層による中古住宅の取得を支援するということで、省エネリフォームなどへの支援と合わせて 250 億円を計上しているが、低金利での融資も絡めて住宅着工数を増加させるというのだ。
われわれ地方の建設業関連では「地方の支援」ということで合計 252 億円を計上しており、鉄道施設の安全対策や無電柱化の推進のほか、建築分野で新たな材料として注目を集める直交集成板の普及に向けて実証実験棟の整備を支援するという。補正予算の執行に当たっては地域における公共工事の品質確保やその担い手の中長期的な確保・育成に配慮しつつ、円滑な施工の確保や予算の早期執行に万全を期するため、改正品確法の趣旨を踏まえ適正価格での契約や地域企業の活用に配慮しつつ適切な規模での発注等に取り組むという。あわせて計画的な発注等による施工時期の平準化に取り組むというが、肝心の国会のほうは 9 月後半に予算審議がずれ込んでしまうといわれている。
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