沖縄県宜野座村城原区内の民家上空を先月末の深夜に米軍のオスプレイが旋回するのを住民である男性が確認したそうなのだ。新聞情報でも午後10時40分ごろまで住宅の上空などを旋回し窓ガラスも揺れて多くの住民が寝付けなかったという。日米合意で航空機運用が制限される午後10時を過ぎて3機が米軍普天間飛行場を離陸し旋回して着陸したそうなのだ。沖縄県などの航空機騒音測定では着陸時に滑走路南側の上大謝名公民館で89・7デシベルの騒音を記録しており、同じ飛行場には深夜になってからもCH53大型輸送ヘリ1機が着陸したそうなのだ。住民の代表は「こんなに遅い時間まで訓練することは久しくなかった。最近、抗議したばかり。怒りを通り越している」と批判しているという。
オスプレイ等は特殊作戦用で秘密裏に兵士を下降させたりピックアップしたりすることから、その目的から考えると敵に見つかりにくい夜間にできるだけ低空を飛ぶことになるため訓練も難しくなるとされているが、当然訓練中の事故も増えることが考えられている。そのような事情もあり CV-22 型の事故率の「クラス A :重大事故」 ) は10万時間当たり7.21件となっている。防衛省が発表した「クラス A 」と呼ばれる重大事故の数値によると、普天間飛行場に配備されている MV-22 型オスプレイは 10 万時間あたり 2.12 件となっているそうなのだ。これは米海兵隊所属の飛行機平均の 2.45 を下回る数値ではあるが、基本的な操縦方法はヘリに似ているのでヘリと比べて圧倒的に事故が多くなるとも考えにくいといわれている。
事故率用の数値だけ見ると「操作が異様に難しいから墜落する」ということは特段なさそうだとされてはいるが、米カリフォルニア州サンディエゴで米海兵隊の垂直離着陸型輸送機 MV22 オスプレイ 1 機が国有林地帯近くに緊急着陸したそうなのだが、海兵隊当局は安全性を確保するための予防着陸で人的被害はないと説明しているという。機体の損傷や着陸地点での被害などは明らかにしていないが、米専門家は安全上の懸念を伴う緊急着陸の可能性が高いと指摘している。海兵隊当局によると機体はカリフォルニア州ミラマー基地所属の第 13 海兵遠征部隊第 166 海兵中型ティルトローター飛行隊所属で、今回の緊急着陸は来月に予定されている太平洋と中東方面での展開に向けた飛行認証訓練中に起きたそうなのだ。
通常飛行訓練中に機体整備を促す警告表示が点灯したため安全確保の予防的措置としてカリフォルニア州ミラマー基地から東へ約 50 キロ地点にある国有林地帯近くの民間地へ着陸したというのだが、地元テレビ局 NBC は緊急着陸した機体はミラマー基地にすぐには帰還せず着陸地点で必要な整備などを行うと報じている。米国防総省の国防分析研究所のレックス・リボロ元主任分析官は「オスプレイには、チップ検出器と呼ばれる構造的故障を検出する多数のセンサーがあり、反応があると『即時着陸』の警告灯が点灯する。このチップ検出器が反応した予防着陸の可能性がある」と説明している。この件で沖縄の翁長雄志知事は 「県民の安心安全を守る見地から原因究明を含めしっかり対応してもらう」 と語っている。
オスプレイは現在 200 機以上が実戦配備されているのだが、将来的には 400 機以上になる予定だとされている。外務・防衛両省が横田基地周辺の地元 6 自治体に対し、来年度後半から新型輸送機 CV-22 オスプレイ 10 機が配備することを決定した説明を行ったのが、昨年の 5 月だったそうなのだがハワイ・オアフ島での墜落事故はそこからわずか 5 日後だったという。この説明会のときにも地元住民は困惑を隠せなかったそうで「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の事務局長を務める寉田一忠氏は、基地周辺での事故の危険性は言うまでもないとしながら、沖縄に配備する際に説明したコース以外のルートでも飛行訓練を行っていた経緯を指摘して、横田ではどうなるのか大きな問題だとしているそうなのだ。
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