東京都の立川市立小学校で起きた集団食中毒の感染原因が「刻みのり」だったとする東京都の発表を受けて、立川市の清水庄平市長は記者会見し「保護者、児童につらい、苦しい思いをさせてしまった。申し訳ない」と改めて陳謝し、再発防止に向けた対策を早急にまとめる意向を示したという。さらに問題が起きていない小学校の給食でものり使用を控えることや、市内にある保育園や高齢者施設などに情報提供して新たな食中毒発生を防ぐ考えを強調したそうなのだ。立川市教委によると「刻みのり」は各教室で給食当番の生徒がトングでつまんで親子丼に振りかけていたそうなのだが、仕入先に保管されていた賞味期限が同じ「刻みのり」からノロウイルスが検出され患者のウイルスと遺伝子配列が一致したという。
私もよく利用して冷蔵庫に保管している「刻みのり」は、ちらしすしやたらこスパゲティなどにも使われる定番食材だが、食中毒の感染源になることはほとんどない乾物とあって、「まさかのりにウイルスがつくとは思わなかった。加熱しない食材なのでこれからは使用が難しくなる」と関係者の間に波紋が広がっているそうなのだ。立川市はすでに集団食中毒が起きた7校を含む13校分の小学校給食を調理した学校給食共同調理場を今月は休止させ、これに加えて自校調理方式の小学校でも当面はどのメーカーのものであっても「刻みのり」の使用は控えることを決めたという。中学校は弁当持参か民間業者が調理した給食のどちらかを選ぶ「弁当併用外注給食方式」だが業者には「刻みのり」を入れないよう指示したという。
またおやつや食事を提供する児童館や学童保育所でも同様の措置をとったそうなのだが、この食中毒事件は東京都だけでなく和歌山県でも起こっているのだ。和歌山県によると1月に御坊市で給食を食べた生徒ら800人以上が食中毒となった問題で、原因となった磯和えにも東海屋が製造した同じ「刻みのり」が使われていたというのだ。そこで大阪市は「刻みのり」の販売元である東海屋とその下請け業者に、立ち入り検査を行うとともに商品の回収を指導し、東海屋は自主回収を始めていたというのだ。「刻みのり」は昨年12月に東海屋に納品しているが、大阪市によると賞味期限が同じ製品は学校給食用や業務用として280袋が東京都や埼玉県に和歌山県・大阪府・滋賀県・兵庫県・大分県の卸業者に出荷されているというのだ。
再発防止に向けた対策については「食中毒再発防止対策検討委員会」を設けて策定する方針を示していたが、学識経験者や医師に薬剤師ら5人で構成し第1回会合を開いている。3月中旬までに3回の会合を開いて対策をまとめ新年度の給食が始まる前に実施するという。また東京都小平市立小学校での集団食中毒はまだ食材の検査結果が判明していないものの、立川市の食中毒と同じメーカーの「刻みのり」が使われていたことが分かっている。販売元の東海屋は全国に海苔を流通しており、「くら寿司」をはじめ大手有名店が取引先にあり、寿司の軍艦巻きに使用する海苔を自動的に袋詰めする装置を開発し工場に導入し機械化を行い、今までの作業の半分になった「軍艦巻海苔自動包装機」で有名だという。
感染力の強いノロウイルスは道端なんかで吐いた後乾燥した粉末が飛散して、感染するということを聞いたことあるので、乾燥していても油断できないということなのだが、原材料が汚染されていて加工過程全部すり抜けるとも思えないので 袋詰めの作業とかそういうとこで付着したのではないかとされている。販売元の東海屋では下請けの工程でノロウイルスへの感染が確認されてとしているが、品質管理に責任が持てないという杜撰なシステムで生産していたというのだ。その大手有名店では「当社が仕入れた海苔は原料ならびに製造工場が異なる事を確認いたしましたが、安全性確保の観点から東海屋との取引の一時停止、仕入れ済商品の使用中止、並びに、在庫商品の即時廃棄を行います」としているという。
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