夏真っ盛りも少しすぎたのだが今の時期はやはりビールが最高なのだ。私のような酒好きビール好きなら大ジョッキで何杯も飲む人も珍しくないのだが、これがただ水を飲むだけだとすぐお腹いっぱいになってしまいこうはいかず、あまり飲めないという人が多いのではないだろう。 胃や腸などの消化器系のメカニズムに詳しい東海大学医学部内科学系消化器内科学教授、内視鏡室長の松嶋成志氏は「実際にビールの飲める量を計測したわけではありませんが、ビールだと大ジョッキで 3 ~ 4 杯程度飲まれる方がいらっしゃいます。一方で、水の飲める量については、『飲水試験』で検証されています。それによると、人間が一気に飲める水の量はせいぜい 1 ~ 1.5L 程度という結果が出ています」というのだ。
もちろん個人差があるがビールの方が多く飲める人がいるというのは確かだというが、なぜビールだと多く飲めるのかということでは、この理由としてよく言われているのが「水は胃では吸収されず、腸でしか吸収されない。一方でアルコールは胃でも吸収される。だからビールはたくさん飲める」というものだとされている。実際にIT等で検索するとこういった説明が散見されるが、ビールのアルコール分は 5 %程度でビールを 1 リットル飲んだとして、仮にそのアルコール分がすべて胃で吸収されたとしてもたったの 50 ミリリットルほどしかなく、残りの水分は胃に残ってしまい、アルコールは胃だけでなく小腸でも吸収されることから、「アルコールは胃で吸収されるから、ビールはたくさん飲める」という理論は説明がつかなくなるというのだ。
胃や腸などの消化器系のメカニズムに詳しい東海大学医学部内科学系消化器内科学教授、内視鏡室長の松嶋成志氏によると、「アルコールが胃で吸収されるという側面は確かにあります。しかし、胃で吸収されるアルコールはせいぜい 5 ~ 10 %程度で、残りは小腸で吸収されます。ですから、その影響はわずかといえるでしょう。そもそもビールの大半は水分で、水分は胃では吸収されません。つまり、ほとんどが胃に残ることになります。ですから、ネットなどに書かれている『アルコールは胃で吸収されるからたくさん飲める』という説は主たる要因にはなりえません」と説明します。ネットの情報は一部正しいもののあくまで補助的な要因だったわけで、主な要因は何なということが研究されているというのだ。
明確な定説はまだないものの影響している可能性があると考えられているのが、胃から分泌される「ガストリン」いうホルモンの存在だそうで、「ガストリン」は胃の「幽門」と呼ばれる出口前庭部に存在する G 細胞という細胞から分泌されるホルモンで、主な働きは胃の運動の促進や胃酸分泌促進に「ペプシノゲン」という消化酵素の分泌促進・胃壁細胞増殖作用・インスリン分泌促進作用などとなっているそうなのだ。「ガストリン」には胃の入り口近くの部分の運動を抑制し出口近くの運動を促進させる働きがあると報告されているというのだ。これは胃の中に多くの量をためこむことを可能とし出口近くのものを押し出すのに役立つことになるkとから、ビールを飲むことで胃の排出効果が高まってくるというのだ。
ドイツのエッセン大学などの研究 によってビールにはガストリンの分泌を促進させる効果があることが明らかになっています。 ビールを飲むことで、胃の排出効果が高まり結果としてたくさん飲めるという結果になっていると考えられるそうなのだ。ドイツのエッセン大学などの研究によると酵母の働きによって糖をアルコール分解して醸造する、ビールやワインなどの「醸造酒」に見られる効果で醸造酒の中でもビールの効果が高いということのようなのだ。松島氏によると「このように、ガストリンが『ビールならたくさん飲める』要因になっている可能性はあります。ただし、ガストリンが理由のすべてかどうかはわかっていません」というが、現状ではまだ詳細は解明されていないことから今後の研究の進展に期待が持てるというのだ。
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