イライラしたお年寄りが店員を叱り飛ばしたりマナーの悪い人を怒鳴ったりする様子を見かけるものだが、怒りは人間に備わっている自然な感情の一つで、どんなに穏やかな人にも怒りの感情はあって怒りの感情そのものを取り除くことはできないとされている。怒るという感情はそもそも何のためにあるのかなのだが、怒りは専門用語で「防衛感情」とも呼ばれており、自分の身を守るために備わっている感情だというのだ。動物にとっての怒りの感情は目の前に天敵が現れたとする場合動物がとらなければいけない行動はたった2つで、自分の身を守るために「闘う」か「逃げる」かだという。このとき心身がリラックスした状態でなくなると、どちらの行動も即座にとることができなくなりそこで怒りという感情が使われるというのだ。
動物は怒りを感じるとホルモンの一つアドレナリンを放出させるがこれは人間も同じで、アドレナリンを放出することで心臓はドキドキと激しく鼓動し血液を全身に送り込んで筋肉を緊張させ目の前の天敵に備えるというのだ。つまり怒りをあらわにしている人は「目の前に敵がいる」と叫んでいるのと同じようなものだと言えるそうなのだ。怒れば必ずと言っていいほど嫌われるという人もいて、自分の本意を伝えられないどころか相手から反感や反発を招くのだが、次の五つのパターンは使わないように気をつけるとよいよされている。元自民党の豊田真由子衆院議員が秘書に罵声を浴びせたという問題が明るみになった際、その怒りの表現方法が「ミュージカル調」だったり「赤ちゃん言葉」だったことが話題になった。
実はこうした奇妙に見える感情表現は怒り方の下手な人や、これまで上手に怒ったことができなかった人が怒りの感情のはけ口を失い苦肉の策として使う傾向があるそうなのだ。怒ることは相手に対し「今どうしてほしいか」とか「次からどうやってもらいたいか」を伝える手段で、それなのにこのような表現方法では自分の考えを伝える努力すら放棄していると言わざるを得ない。むしろ伝わるのは気味の悪さであり、未熟な人間性を自ら暴露するようなものだというのだ。だれでも拒絶されればそれ以上話をする気は失せてしまうが、このためこれ以降の会話は成立しなくなるしその人と良好な人間関係を築こうという気持ちを持つことも難しくなるのだ。こうした怒りの表現を使うと当人同士はもちろん周囲もハラハラさせかねないというのだ。
質問をしていると見せかけて実は自分の主張を通そうとするタイプの怒り方では、こうした言い方はそもそも最初から意見を聞く気がなく相手を追い詰めてしまっているという。そのことを相手にも悟られてしまうので好まれる怒り方にはならないという。相手には相手の意見や考えがあるはずでそれが仮に自分の考えとは正反対だったとしても、まずは聞くという態度を見せることが必要だというのだ。こちらの怒りを上手に伝えるのに必要なのは拒絶ではなく許容であることを理解することが必要だというのだ。そうしないと相手はこの人は話のわからない人として本当のことを話してくれなくなり、結局は自分のところに情報が回ってこないという自分にとっても大きなマイナスとなるというのだ。
敵に対してだけでなく味方にも火の粉を振りまくことがよくあって、ヒステリックに怒っている人は自分では理屈が通っていると思っているが、その理屈は一般的には理解されないことが多いというのだ。この場合は少し落ち着きを取り戻した頃に信頼できる周りの人に自分が言っていることが広く受け入れられるかどうかを確認すると良いとされる。怒っている人が上から目線でモノを言うと相手は間違いなく「逆ギレしている」と受け止める。自分に負い目がある場合それを悟られたくないため反撃としてこのような態度に出てしまう人がいるが、残念ながら急所をついてくる攻撃は相手も分かって攻め込んでいる可能性が高く、上から目線で怒りを表現することは本人の度量の狭さを露呈するだけであるというのだ。
それだから「偉そうな言い方で気に食わない」と周囲に思われかねないことから、怒りを表現するときは上から目線ではなく少しへり下るくらいが丁度良いとされている。怒ることは相手をへこませることでもないし反省させることでもなく、ましてや自分の気持ちをスッキリさせるためでもストレス発散のためでもないことを自覚するべきだというのだ。相手に自分のリクエストを伝えるだけのことである怒りを、多くの人は自分の気持ちを押し付けることにばかりに力を注いでしまい、怒っている人のほとんどがリクエストを正確に伝えることよりも、怒る前に抱えてしまった第一次感情を理解してほしいとイラだっているというのだ。怒ることの主たる目的は相手に具体的なリクエスト・要求を伝えることであるということを忘れてはならないというのだ。
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