デフレ化が進みモノの値段が下がる一方で経済状況が変化するにつれ、高額商品の需要も伸びてきているという。最近は「高級業態」か「激安業態」に二極化し中間層がいなくなっている現代において、本当の原価が気になる人は多いと考えられている。食品や衣料品など知っているようで知らない身近なモノから、 DNA 検査などの想像がつかないモノまで本当の値段とその理由を徹底紹介する本も発売されている。激安を売りにする店や高級を売りにする店では総菜やお弁当で価格の二極化が進んでいる。高級な製品である 常温で保存できる自家製ソーセージは国産のフレッシュな豚肉を使用し、ドイツ岩塩で味付けするだけでなく天然の羊腸に詰めて作り燻製用木材は本場ドイツからブナの木を取り寄せているという。
ファストフードチェーンにも広がる価格の二極化がすすんでおり、東京都江東区にある総菜店「キッチンDIVE」は激安がウリで、お弁当も200円弁当から始まったという。次から次へと揚げられるコロッケはジャガイモがたっぷり入ってアツアツだが、その値段が驚きで揚げたてコロッケ5個入りがわずか50円で1個10円という破格の値段だというのだ。フライやトンカツも1つ10円で狭い店内はお客さんで満員御礼だという。20代会社員「メンチカツとトンカツとか7パックで75円ですね」とか、30代会社員の「10円は怖いぐらい安いです」という意見や、20代大学生は「けっこう安いし量も多くておいしいんで」と語るが、トンカツ弁当やハンバーグ弁当など約5種類のお弁当が200円で、毎日約200個作りほぼ完売しているという。
他にも総重量1キロオーバーにもかかわらず555円のお弁当もあり、2つ購入したご家族は「家族4人で食べようかなと。安いの魅力ですね」と語るが、家族4人で食べると1人あたり約280円となり驚くくらいの低価格で販売している。「キッチンDIVE」の宗石慶太さんは「200円弁当でご来店のきっかけになっていただいて、それから1キロ弁当を買っていただく方が多い」と語っているが、200円弁当などでお客さんの購買意欲をかき立て、利益が出やすい1キロ弁当を買ってもらおうという計算された戦略だという。食の激戦区である築地に今月オープンしたばかりの総菜店「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」はスタイリッシュな厨房で、この店で売れている商品が「のり弁“海”」は1080円だというのだ。
安くて手頃なイメージののり弁がここでは1080円なのだが、のりの一大産地である有明海の初摘み高級のりの上に箱からはみ出さんばかりの巨大なサケが乗り、「家庭料理の最上級」をコンセプトに手作りにこだわったこのお弁当は2店舗で1日600個近くも売れているという。お客さんは「のり弁なんですけど、のりもおいしいし、高いので毎日は買わないと思うけど、時々買いたいなと」と語るが、1080円弁当は早朝からスタッフ総出で丹精込めて作っているという。「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」の我妻義一事業部長は「こだわりは丁寧に手仕事で料理をさせていただいているというところです。価格は高くなってしまっているんですけど、おいしい物を作ればお客さまに支持いただけるんじゃないか」と語っている。
他にも鶏の照り焼きやレンコンが主役のこだわったのり弁「山」や「畑」を展開しており、今後もこれで客足を伸ばしたいという。そして牛丼チェーン店「すき家」も新たな総菜を展開するがそれはさむーい季節に食べたいアツアツの「おでん」だという。具材は大根・さつま揚げ・こんにゃくなどの定番の5品なのだが「コンビニより安い」を目指したという。値段は250円だがお客さんの20代会社員は「おだしが効いていて、味めちゃくちゃしみてます」という。気になるのはおでんのサイズなのだが大手コンビニのおでんと大きさを比較してみると少し小さめだという。ゼンショーホールディングス広報室・青山きぬ氏は「牛丼と合わせてお手軽な価格で召し上がっていただくためにこの値段に設定しました」と語っている。
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